見出し画像

絵を「選ぶ」という行為が「習慣」になることによって、育まれる審美眼

本日サラリと作品検索機能の大型アップデートに関するリリースを出させてもらった。今日はこちらについて個人的な想いと裏話的なものをしようと思う。


美術館では「選ぶ」をしてない

日本は先進国の中でも美術館にいっぱい足を運ぶ。これはすなわち美術鑑賞という活動が国民に愛されているという証拠だ。だけどそれは鑑賞市場に限ったことで、作品を購入するという行為になるとその市場は極端に小さくなってしまう。この辺りの詳細は去年書いたnoteでも少し触れている。

個人的に作品を「選ぶ」という視点をいかに育てられるかが作品購入市場を盛り上げる大きなポイントの1つだと思ってる。美術館はあくまで“作品を鑑賞するだけ”が目的であって、「さてと、どの作品を買おうかな」なんて視点で作品と対峙してる人はほとんどいない。残念なことにこれは美術館に限ったことではなく、アーティスト本人が開催する個展などでも同じようなケースを見かける。(美術館と比較すると購入を目的として選ぶ視点を持つ来場者は多い)

定期的に作品を選ぶことで育まれる審美眼

casie検索画面の一例

Casieのサービスは定期的に作品を選ぶという行為が生まれる。最初はほとんどのユーザーが「どれにしよう・・・」「いっぱいありすぎて決めれない」と頭を悩ませてしまうが、これはこれで良いと思ってる。逆に「なんでもいいからテキトーに届けてくれ!」と言われる方が少し不安になる。

自分で頭を悩ませて選んだ最初の作品が自宅に届き、飾る。しばらくその作品と一緒の時間を過ごすことで愛を込められるようになったり、逆に違和感を感じたりする。定期的に作品を交換することができるので、交換する度に作品を選ぶ。この作品を選ぶという行為を繰り返していくうちに、それが新しくて美しい習慣となっていく。

多くのユーザーはすでに感じ取ってくれていると思うけど、「作品を選ぶ」を繰り返していくうちに自身の審美眼が磨き上げられていく。ぼくも過去のレンタル履歴を見返したり、お気に入り作品リストを見返すと自分が美しいと感じる作品対象の変化ぶりに驚くばかりだ。

こだわったのは「便利」ではなく「楽しい」

アップデートした検索画面(PC)

普通は検索機能アップデートって、より便利で目的まで辿り着くスピードが速くなった!!みたいなのが王道だと思うけどCasieの場合そこが違う。実は最初から便利さの追求はしてなかった。

Amazonで商品を検索する時とマッチングアプリで運命の相手を探す時の違いでよく例えるんだけど、Casieの場合後者の方が近い。Amazonの場合だと目的の商品が頭の中にあるからこそ、それに速く到達する検索機能が求められる。これにおいてはAmazonは流石世界最大のECだけあって、結構曖昧な検索でもドンピシャで出てくる。

逆にマッチングアプリの場合だと最初から特定の相手をハッキリ頭に思い描けないからこそ、検索するのが楽しい。最初は広く検索をかけていろんな相手を物色し、徐々に「これだけは外せない」みたいな検索の軸が自分に出てくる。身長が○○○cm以上の人、年収が○○○万円以上ある人、お酒を一緒に飲める人、ファッションが好きな人・・・みたいな感じで。絞り込み検索結果を物色しては、何回も条件を変えて検索結果を物色する。登録者数が多いアプリになればなるほど、検索するだけでも素直に楽しいという体験ができてしまう。我々もこれを目指した。

マッチングアプリの例を出したため不愉快な気持ちになる方もいらっしゃるかもしれないのでここでお詫び申し上げます。だけど個人的にはマッチングアプリは社会性の高い存在だと思っており、業界全体に対するリスペクトがあります。(悪意のあるアプリを除く)

私の心の声

何これ!?から始まる学習体験

アップデートした検索画面(PC)

上のスクショはアップデートした実際の検索画面の一部だ。もうすでに面白いじゃないか。

  • まず一番上の「支持体」ってなんですか?

  • 画材にある「レジン」ってなんですか?

  • 技法にある「ミクストメディア」「テンペラ」「フルイドアート」ってなんですか?

この検索画面のプロトタイプ版(公開前のテスト用)が仕上がった時にユーザーの方々から直接聞かれた質問だ。この質問をもらった時ぼくはその場でガッツポーズした。これでいい、これでいいのだ。「これって何だろう?」の疑問が生まれるからこそ、そこにチェックボタンをつけて検索する。検索結果に並ぶ作品たちを見て「あ〜そゆことか!」という発見が生まれる。登録されている作品詳細を1つ1つ丁寧に眺め、読み込んでいくとどんどんと知的好奇心が満たされていくようになっている。まだ100%ではないがアーティスト本人による作品解説コメントが記載されているため、どこぞの美術教科書よりも学習コンテンツとして魅力が詰まっている。

まとめ

まとめとして2つほど誤解を招いてしまうといけないので説立証しておく。

  1. やたらマッチングアプリに詳しい説
    なぜなら常習犯だからです。あらゆるマッチングアプリに出入りしてる。だけどルールは守っているのと悔しいけどメッセージしたりお会いしたりはしてない。あくまでリスペクトを込めて検索機能面を触らせてもらってるのみ。もちろん既婚者エントリーできないアプリには入ってない。(めっちゃ言うから逆に怪しくなるなこれww)

  2. 利用ユーザーでなくても絵を選ぶ体験はできるのか
    できます。逆にそれだけでもいいので是非体験して見てほしい。そして「もっとこうした方がいいぞ!」ってのがあれば直接こっそり教えてほしい。ただし上にも書いたように「便利さ」だけの追求はやりたくない。以下に検索画面にダイレクトで飛べるリンクを用意したのでよろしくお願いしまっす!!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?