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人間は、2162万円の木を求める

こんにちは!福井県で地域まるっと体感宿 玉村屋を運営しているショーです。今日は、東京駅からの新幹線の中で書いています。ビルに囲まれ、進む新幹線の車窓を新鮮な気持ちで眺めています。

今回、仕事で東京に来て、東京のビジネスホテルに宿泊しました。そして、朝、外を眺めていたら気づいてしまったのです。都会よりも田舎で暮らすのが、人間に向いているかもしれないことに。今日は、そんな話を書いていきたいと思います。

人間は、2162万円の木を求める。

タイトルにもある、2162万円の木。最初から答えを言ってしまいますね。それは、大都会東京の中心地、東京駅で育っている木々の土地代です。

【計算根拠】
樹木が生えている土の面積を1平方メートルとする。

2023年[令和5年] 公示地価
平均2162万0000円/m2
坪単価7147万1074円/坪

その場所の土地代が61万円もかかっています。土地を売れば、61万円の収入になりますし、ここにショップを立てれば、テナント料を得ることができるでしょう。極端な言い方をすれば、お金にもならない、むしろ剪定などに維持費をかかるのに、木を植えるわけです。プラスを生み出すところか、マイナスを生み出すにも関わらず、木々を植えるのです。それは、なぜでしょうか。

人は花や緑を見ると、副交感神経が優位になりすぎて何もやる気が起こらない人はやる気が起こる。イライラしているなら、それが緩和され、血圧下がり落ち着いたり、という医学的結果が発表されています。

これを検証した、千葉大学環境人間フィールド科学センターの宮崎先生によると、人類の歴史上700万年もの間、森の中で暮らしてきて、未だにそのDNAを持ち続けているからと。人のDNAが変化するには2-3万年かかるものですが、今のところ、人類が都市生活をするようになってから、ほんの300年程度しか経過していません。だからこそ、人々は本能的に、自然なものを見ると心が安らぐし、これを求めて木々を植えるのでしょう。

つまり、今後、1万9700年は人々は、いにしえからのDNAにより、無意識的に、緑などの自然を求めていくのです。

お金をかけて維持する自然とお金をかけなくても持続される自然

このnoteをご覧のあなたが都会にいるのか、田舎にいるのかはわかりません。田舎にいるとするなら、人間のDNAに逆らわずに生きているので、この価値に気づかないかもしれません。都会にいる方なら、この価値には気づくかもしれません。

都会にある自然は、高い土地の上に作られ、維持管理にお金がかかっている。その一方、田舎にある山々は、お金がほとんどかかっていません。お金をかけて維持するためには、その分を誰かしらが稼ぎ、その分の負担をその地域に住む人々が払っています。
例えば、先ほどの東京駅の木々は、東京駅が維持管理のためにお金を出している。おそらく、その財源は、JRを乗る時の運賃などJRの収益事業でしょう。つまり、電車に乗るみなさんが、その一部を払っていることでしょう。
(もし、財源が異なっていたらごめんなさい!)
もし、公共団体(都道府県や市町村)が払っているのであれば、それは皆さんの税金から生み出されているのです。つまり、都会の緑は、そこで暮らす人々がお金を払って維持しているのです。

その一方、田舎の緑は管理されていないことも多く、お金がかかっていません。土地代もほとんどかからないような場所が多いでしょう。つまり、田舎で緑を維持するにはお金がかからないのです。

人々が求めるものには、価値がある

そう考えると、人間がDNA的に求めている緑の価値に、人々が気づき始めた時、緑を維持するのにコストがかからない地域の価値が上がっていく。そんな未来がやってくるかもしれません。

そんな緑がある地域が田舎なのです。

そう思うと、人間のDNAが緑を求める限り、田舎には人を呼び寄せるそこはかとない強さがあり、それを使っていくことで、今後も継続的に人が訪れる場所を作ることができることでしょう。

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