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初めて、帯状疱疹を患ってみて

まるで読んだ本の感想のごとく、病状を記しておきます。

まだ完治しているわけではなく、まだ病の中にいます。
責任ある立場として平日はどうしても休めない時間が多い私が、ようやく休息にありつけた今日を、このnoteとともに過ごしています。

本来であれば、とっとと休むべきだったのでしょう。しかし特定の唯一の存在かつ、動けてしまった肉体というのは憎いですね。これだけ活動しておきながら、それでも回復傾向にあるというのは、自分の体力が素晴らしいのか、今の薬が優れているのか。できれば前者を信じたい、そんな年寄りのざれ言の記録です。

発症に気がつく前

先日、大阪への出張があったんです。もうお年寄りなので、かなり時間に余裕を持って遠征してきました。朝6時には家を出たりとか、遅い時間に日帰りをする、という無理はしないように計画しました。今回は、そのようにゆとりをもった計画が可能な仕事でもありましたから。

出張前に一つだけ気になることがありました。
右耳の後ろが、少しただれていたんですね。しかも触るとちょっと痛い。その時は、それほど痛みもひどくもないし、見える場所でもないからよく分からないし放置してました。そのまま気にせず、大阪でのお仕事を成功させてきたんです。えらい。

何かの発症に気がつく

ちょっと遅い時間帯にホテルへ戻ってのんびりしていました。翌朝は時間に余裕があったので、寝る時間が多少遅くなったとしてもゆっくり寝ていようと、シャワー浴びてからも少し和んでたんです。わたしの宿泊しているホテルは、AirPlayで大画面に動画を流せるので iPhone からYouTubeを流したり、漫画を眺めたりしていました。

そんなまったりしている中、自宅の方で問題が発生しました。そのことで、精神が高ぶったまま、さらに寝る時間が遅くなっていったのです。
だから、部屋は真っ暗にしてあって、何も音のしないように静かな環境にしていたのに、ゆっくり寝ていたいのに

6時には目が覚めるんです

ホントこのじじいの特性って、人間にとって必要なのでしょうか。如何ともしがたい理由で寝る時間が遅くなってしまったら、寝る時間を確保するためにゆっくり寝ていてほしい。お願いだから。
おかげさまで、気も体も休まっていません。そんな感じで起床して、眠くて仕方ないのに帰京の準備しながら気がついたんです。

右のリンパが腫れている

リンパが腫れるって相当です。肺炎を患っても、1週間身動きできなくなるような胃腸炎になっても、インフルエンザを発症しても、とにかくどんな風邪をひいても、私はリンパが腫れるような事態にはなりません。記憶とblogをたどってもリンパが腫れた記録と記憶がありません。なんとなく数十年前に腫れた気がする可能性がある程度です。

だから、びっくりです。こんなこと起きたことがない。しかも、今いる場所は地元ではありません。とっとと帰らねば。

この時は気がついていなかったんです。この倦怠感の正体に。
この時点では、ただの寝不足だろうか。過労や寝不足にならないように出張の計画に気をつかってきたのに、と悔しがっていた記憶があります。

家族や友人からも病院にいけといわれる状況でしたが、時間的余裕もなかったですし、ただの「寝不足だろう」と高を括っていたんです。

帯状疱疹の発症

翌朝、起きてみると首から右耳にかけて、発疹が出ていました。アレルギー体質な私でも、こんな明確な発疹ができたことはありません。明らかに、よろしくない発疹です。

妻からも「帯状疱疹だね、痛いんじゃない?」と言われましたが、痛くはありません。帯状疱疹は痛みランキング上位にあるという話でしたが、この時点では痛くもかゆくもありません。リンパが腫れているので、そこを押してみると痛いのですが、それはそうだろうという程度の痛さ。痛みランキングの上位だと…?という程度の状況です。ホントマジでぎっくり腰なめんじゃねぇぞという気分です。今のところ、人生でぎっくり腰をこえる痛みは味わったことありません。多分。

痛くもかゆくもないけれども、きっと帯状疱疹だろうということで、朝から皮膚科へ。久しぶりです。お医者さんとは「どうもお久しぶりです」という挨拶から入る程度には、わがやの近くにある病院のお医者さんとは顔なじみです。ホント病弱すぎるというか、持病が多すぎる。ただ、通院の頻度は減ってきているので、ここ数年は「久しぶり」という挨拶が増えてきています。これは、病院に通い続けた自分からしてみると、とても嬉しいことで喜ばしいことです。病院へ行くほどの病気にならなくなってきているという証明でもあります。

閑話休題

そんな感じで抗ウィルス薬と塗り薬をいただいて帰ってきました。
この時一番つらかったのは「倦怠感」。とにかくめっちゃ疲れていました。疲れ果てたというよりかは、疲れ始めているという感じ。この日は8時間寝ていたのに、なんでこんなに疲れているんだろうと思いつつも、なんとかお仕事は耐え抜けそうだなという感じでした。

そもそもわたしの担当役職は、日本では私ともう一人しかいないですし、私主導のワークショップなどもあったりと、なかなか逃げ場のない状況です。できるだけ関係のない仕事は休ませてもらうようにしてはいても、休息の時間は、病人にとっては少なかったでしょう。

そんな中、ひたひたと忍び寄ってくるヤツがいます。あれです。

痛い

噂に聞いていた痛みがだんだんと忍び寄ってきます。右耳の裏やリンパ、後頭部がズキズキと、首の発疹に誤って触れてしまうと針が刺さるような痛みが。ぎっくり腰のように思わず声の出てしまう激しい痛みじゃありませんが、ずーっとずきずきする感じがあります。厄介な痛みというヤツですね。ずっと痛い。ただただ痛い。

帯状疱疹の全力投球

翌朝、痛みの増す右側を感じながら、妻から報告を受けます。痛みをそのままにしておくと継続して長期間、痛みが出続けるよと。以前、四女も帯状疱疹になったことがあり、かなり長い期間、痛みが残っていたという話も聞きました。

とりあえず、専門医に聞いたほうがいいだろうということで今度は内科へ。皮膚科がお休みだったからね。状況をお話すると、鎮痛剤を出します、とにかく休みましょう。主原因が過労とストレスなので、休むしかありません。仕事大変でしょうけど。あ、湯船につかるといいですよ。なんて話を聞きながら、出なくても良さそうな会議をキャンセルしていきます。

鎮痛剤を飲む前が痛みのピークでした。常に痛いのと、ちょっとぶつかってしまった時の針を刺したような痛み。この針の痛みですが、細くて無数の針が刺さったような感じで、痛いというより気持ちの悪さがあります。塗り薬を気にして、タートルネックの服を着ていたので、ちょっと動くと、服との摩擦でたくさんの針が刺さった感じになるので、その気持ち悪さがしんどかったです。

お昼ご飯のあとに、鎮痛剤を服用すると、あら不思議。ほとんどの痛みが引いていきます。さすがだぜロキソニン。あーこれは良かった良かったなんて思っていると、今度は異なる攻撃をしてきます。

かゆい

痛がゆいんです。ちょっと痛みを伴うかゆさですが、塗り薬を塗っていますし、へたに掻いてしまえば跡が残るかもしれません。それだけは避けなければなりません。わたしは死ぬまでキレイな体でいたいのです。もうツライ。気がそがれます。仕事そっちのけにしたい状態です。

そして倦怠感もピークです。ホントに頭が働きません。この頃にはもう資料を作るようなことはできない身体になっていました。他の方にできるだけお任せして、お客様との対話も極限まで減らしてもらいました。まだ仲の良いとは言えないお客様とのやりとりなので、やりとりをするだけで心痛もストレスもでかい。ついでに高圧的。彼らは会議が終わったあとのクレームも忘れません。こんなやりとりで、どうしてうまく仕事が進められるのかと思わずにはいられません。

閑話休題

とにかく、医者に言われた通り、極力休息をとりつつ、湯船にバブを入れてお風呂タイムを堪能しました。嗚呼、今日は早く寝られる。

PTA会長のお仕事

唯一無二のお仕事と言えばPTA会長業です。もちろん、どうにもならなければ副会長に代理をお願いすれば良いのですが、PTA会長だからこそな場面も多いのが「長」のついたものの責任です。年に二度しか実施しない総会でのハイブリッド運営に必要な機材は私しか持っておらず、私が話さなければならぬパートもあります。とは言え、薬のお陰か、この頃には倦怠感も痛みもかゆみもかなり抑制されていて、無事に運営できるだろうと臨みました。

はてさて。これがびっくり。言葉が出てこないんです。珍しく忘れ物もせずに学校へ到着して、セッティングも無事に済みました。あとは自分のパートで必要なことを話すだけです。

ちなみに、私の挨拶や、コメントの必要な部分の台本はありません。わざわざ台本を作ってまで必要なコメントの内容だと思って準備していなかったんですね。これが失敗でした。議長も司会も本部役員の方も、台本どおりにとても丁寧に総会を進めてくださったんですが、わたしはもう頭が働いていない。

口から言葉が出てこない

言葉を紡ぐことができないのです。伝えるに必要な言葉が出てこない。

普段、口で仕事しているような立場です。齢を重ねて多少言葉が出てこない時も増えましたが、類語のストックはたくさんありますし、必要な固有名詞を忘れるなんてことはほとんどありません。

それが、この時ばかりは類語は思いつきもしないし、固有名詞は言いよどむ。人前で、ここまでぐたぐだな演説をしたことはここ数年なかったことでしょう。こんなにも頭が働かなくなるものかと、自分の病状なのか薬の副作用なのか、とにかく無理をするべきではないものだと感じました。

そして今

発症してから数日という頃合いではありますが、発疹の赤みはかなりおさまってきています。痛みもまだありますが、睡眠を妨害するほどではありません。あれほど苦しんだかゆみもなくなっています。倦怠感と睡眠不足は継続中ですが、とにかくひたすら、この週末は体を休めようと何もしていません。何もしない努力をしています。

何もしないように、何もしないように、と唱えながら今はこの文章をしたためています。どうも文章を書くこと自体は、何もしていないのと同じような感覚なんでしょうね。そうでもなければ150日近く毎日書き続けることはできないでしょう。

早くに薬を処方できたこと、患部に触れないこと、心頭滅却して痛みとかゆみを耐え抜いたお陰で、痛みランキング上位のような痛みに嘖まれることなくここまで来れた自分に感謝しています。

この平日は休息は時間が多くとれず、寝てしまってはヤバかったので、いわゆるマインドフルネスで事無きを得ました。心頭滅却とは瞑想やマインドフルネスで得られます。苦しい時こそ精神を穏やかに過ごしましょう。

そして、まずは帯状疱疹になるほどの、過労とストレスをためない人生を。

#創作大賞2023 #エッセイ部門

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