lyrical school / The Light ~ <光>を受け取ること ~ あとがき

リリスクの新曲がとても良かったので、以下の記事を書いたが、その後、4/20リリース予定のニューアルバム「L.S.」を引っ提げたツアーのファイナルの場所は、かねてより目標の場として挙げていた日比谷野音とのことで、この曲は、より一層特別な光を発し出している。

書きたいことは他にもたくさんあったのだが、あまりに雑多になりすぎるので、上の記事は「利他」「受け取ること」というキーワードに絞って書いてみたが、このあとがきでは、備忘がてら、自由気ままに思ったことを書き連ねていきたい。


まずは改めて曲全体についてだが、今のリリスクチームの最高打点だなというのは最初にライブで聴いたときから変わらない。しかし、音源を聴いて、その打点の位置が想像から少しズレていたというのが、非常に興味深かった。もうちょっと(sic)boyみ強く、ロックに攻めていく曲なのかと思ったら、上の記事に書いた通りそうではなく。
この絶妙なモードは2022年のシーンの話題作とも共鳴している気がする。


次は、リリック。KM・Lil' Leise But Goldコンビによる前作「TIME MACHINE」は、難しすぎて、メンバーのパート割が相当に難航したと聞いたが、今作は当て書きされたのかなと思うほど、メンバーの個性が前面に出されて、役割もはっきりしているように思う。hinakoは抜群の愛嬌を、hime・risnoはバチバチにカッコ良いラップを、yuu・minanは綺麗なメロディを魅せてくれる。

個人別に書いていけば、まずはhinako。正直らしさが出しづらい曲だと思うが、頭からチャレンジングなフロウを聞かせてくれる。それでも真骨頂はMVかなと思うので、後述。
himeは安定のカッコ良いラップだが、新機軸のフロウだ。バチバチのラップを聴かせるというよりも、若干の遊びのある余裕に頼もしさを感じる。
minanのボーカルの安心感は言わずもがな。プレフックで曲が抜群に引き締まる。
yuuは最後のブリッジが素晴らしかった。minanに負けず劣らずのボーカルで、この曲の終着地点を鮮やかに描き出している。
そしてrisano。この曲のMVPはrisanoだろう。このフロウは制作陣のディレクションの結果なのだろうか、ノリノリでパワフルな、らしさ満点のラップは曲の空気をガラッと変える。risanoパートにはエネルギーが溢れんばかりだ。


続いてMV。MVでの白の衣装が、光のモチーフと重なり合っているように感じられて、最初はそういう話も書いてみようかと思ったりもした。それは行き詰って諦めたのだが、いずれにせよ、あえてメンバーカラーの印象薄目の構成には、何かしら作為的なものを感じなくもない。

そういえば、下から人を移す映像って、あまり見る機会ないような気がする。メンバー皆普段とは少し違った見え方がして、とても興味深かった。(個人的にはyuuに凛々しさを感じて、ドキッとした。)

今回に限らず、映像作品ではいつも思うのは、himeの所作や身体感覚について。リズムの取り方だったり、曲への乗り方が、とても良いし、動きの一つひとつがどれも綺麗だなと思っている。もしかしたら、単に自分と似た感覚を持っているというだけなのかもしれないのだが、例えばフックでの乗り方など、ここではこう動きたくなるよね!っていう動きを魅せてくれて、個人的に嬉しい限り。

こういった見どころもありつつも、最も印象的なのは、minanの運転のもと、メンバーがオープンカーに乗って都心を駆けるシーンだろう。minan・himeの前方陣のクールさと、risano・hinako・yuuの後方陣のわちゃわちゃ感というコントラスト。これが何とも言えない加減で混ざり合っているのが、リリスクの一つの到達点であり、曲にもそれが十二分に表れている。
抜群の愛嬌を届けてくれるhinakoがMVのMVPだろう。


最後に、スペースシャワーTVとのコラボにて作成され、期間限定でYoutubeにアップされている動画について。
3/14までなのでもうすぐ見れなくなってしまうのが悲しい限りだが、みなとみらいの夜景がバックというだけでも抜群の映像作品になっているのだが、がっつり生歌でのパフォーマンスにグループの矜持を感じる。音源との音程の違いも、音量の変化も、あまりにもリアルな手触りが溢れていて、聴く度にビックリする。

ハイライトは、間違いなくminan。髪型も衣装もバチバチに決まっていて、その佇まいの一瞬一瞬に見惚れるのだが、何と言っても、1:35頃の<so とどけたい Give you my heart>。ここに全てが詰まっている。


リリスクは、7/24(日)FINAL東京公演の日比谷野音に向けて、これから5か月ほどの長いリリイベ&ツアー期間に入る。果たしてそこで、そしてその先で何を魅せてくれるのか。楽しみにしたい。


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