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本と言葉と関係性!!!『図書館の魔女』紹介

はじめまして。
皆様ご存知、書三代ガクトです。

私は30秒小説動画シリーズを出しております。
さくっと見れる反面、がっつり紹介してほしいという声もあり、こうしてnoteを書いております。
ちなみに最初に紹介した書籍は『図書館の魔女』です。

一言でいえば、フェチの塊!!!!!

図書館の魔女は第45回メフィスト賞受賞作

メフィスト賞といえば、講談社さんが主催の公募文学新人賞です。
特徴としては、文字制限がない年中募集している編集者が必ず読むという点があります。
※2014年4月以降、原稿用紙換算で約330〜700枚の規定が追加されたそうです。
ちなみに図書館の魔女が受賞したのは2010年になり、制限がなかった頃です。

なので、他の新人賞では出せないような分量や熱量がある作品出る賞だったりします。
ちなみに、図書館の魔女は原稿用紙換算で約3500枚となっております。
文庫本では全四巻。たじろぎますね。

重厚な世界観のファンタジー作品。けれど読みにくさは決してなく、本や物語での雑学、そして登場人物たちの関係性はむしろサクサクっと読めてしまいます。

ざっくりあらすじ

田舎の村で暮らしていた主人公キリヒトはある日、史上最古の図書館に住むマツリカに使えることになります。古今の書物をたしなみ、言葉一つで国を動かしていくマツリカ。
「高い塔の魔女」と恐れられる彼女は言葉を話せない少女でした。

そんな塔に呼ばれたキリヒトですが、彼は文字が読めませんでした。
たぐいまれな観察眼から仕えることになったキリヒトは文字を教わることから始まるのです。

ガクトの推しポイント1 ふざけんなよっていうぐらい読みやすく、頭に浮かんでくる文章


本作で最初に目を引くのはその描写。もう一文一文が本当にすごすぎる。
キリヒトが旅立つ日の朝から物語は始まります。朝起きて、体をふき、日課の水くみをする。
そんな小さな動きがありありと浮かぶような文章、一気に物語世界に没入してしまいます

波紋を立てないように歩くキリヒト。
最後の一段だけきしませてしまう階段。
それを指摘する先生と、うなだれるキリヒト。
けれど一段だけだったと告げる先生と、顔を上げるキリヒト。

些細な描写が、世界観も人物像も見えない中で差し込まれます。
それなのに、二人がいる住居が、そしてふと関係が浮かんでくるような文章が読者を包むのです。

あ、本作は傑作なんだなと、当たり前のように感じてしまいます。

ガクトの推しポイント2 あー全員好き!!!! 全員好き!!!!

本作はフェチの塊。それは登場人物たち、関係性にもがっつり反映されています。
私は敵国の宰相ミツクビが好きです。
(四巻のガンギマリおじさんとその背景、最高じゃない?)

ですが、わかりやすいのは図書館陣営のマツリカとキリヒト。
マツリカは言葉を多く知りながら言葉を話せず、キリヒトは観察眼がすさまじい。
そんな二人はマツリカが十全に言いたいことを伝えられる、キリヒトなら読み取ってくれる複雑な手話を作ります。
つまり二人は二人だけの言葉を作っていくのです

エモない?

マツリカの言葉を発するキリヒトという関係。それがまた変わっていったりとかもしますし、図書館陣営のユキカゼ、キリンが背負っているものとか、様々な関係が本当にエモいです。

ガクト推しポイント3 本の雑学、たまらんぜよ~

本作は様々な本の話がされています。
分類の話、目録の話、焚書の話など、ストーリーが進む中で様々な本の話がされていきます。
図書館に住む彼女たちの回りには常に書物がありますし、周りからも図書館の魔女として名が通っています。
なので、仲間内で、交渉相手と、様々な本の話をしています。

本好きの方、特にタイトルの図書館に惹かれた方には刺さる会話が多く描かれております。
ぜひともめくるめく本の世界を楽しんでいただきたいです。

そんな感じで、『図書館の魔女』をだらだらと紹介させていただきました。
ちなみに続編である『烏の伝言』ではマツリカもキリヒトもほぼほぼ登場しなかったりします。
是非とも読んでね。

よしなに~。

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