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読書ログ 「どう生きるかつらかったときの話をしよう」

どんな本?

 著者は宇宙飛行士の野口聡一さん。華々しいキャリアに思えるが、他の宇宙飛行士との評価の差や宇宙飛行後の人生の意義に悩み、何に対してもやる気が出ず鬱のようになってしまった時期があるそう。スケールは違えど今の自分にかなり似ていて共感できた。また、自分が野口さんに対して「いやいやあなたは十分成果を残しているじゃない、自分へのハードル上げすぎなだけの贅沢な悩みだよ」って思ってるのと同じように、自分も贅沢に悩んでるだけなんじゃないか、と著者を通じて自分を客観視できた気がする。

学びメモ

著者が気づいた3つの原則

  • 他者の価値観や評価を軸に、「自分はどういう人間なのか」というアイデンティティを築いたり、他者と自分を比べて一喜一憂したり、他者から与えられた目標ばかり追いかけたりしているうちは、人は本当の意味で幸せにはなれない

  • 自分らしい、充足した人生を送るためには、自分としっかり向き合い、自分一人でアイデンティティを築き、どう生きるかの方向性や目標、果たすべきミッションを自分で決めなければならない
    ★他人の物差しから独立して自分ファーストで生きることは、やってみるとわかるが自由とともに責任を感じる。その生き方をする代わりに周りの評価が下がっても自分の足で生きていくんだぞ、みたいな。でもその覚悟がないと今のドアを閉じて次のドアを開けない。覚悟と勇気を持って自分の道を歩くこと。

  • 自分がどう生きれば幸せでいられるか、その答えは自分の中にあり、自分の足の向く方へ歩いていけばいい

他人の軸で動くことで自信を失った

  • 他者の快挙を突きつけられては自分と他者を比較し、自分を否定するようになり、自信を失っていった

  • 自分にしかない良さがあると頭では分かっていても、自分の優れているポイントは大したことないと感じ、自分の方が劣っているポイントは、頭の中で大きくクローズアップされてしまう

  • 当時はまだ、やりがいが感じられることに取り組んだり、周囲から賞賛されたり、必要とされることによって自分が自分たりうるという自信を抱いていた

  • しかし、他者との関係性・評価、他者の価値観に基づくアイデンティティは脆い。追いかけるべき人参は自分で作る必要がある

  • 他者から与えられた目標をこなしているときは、仕事や競技そのものが好きという気持ちのほかに、「他者から評価されたい」という欲望があるはず。他者評価という人参だけを追い求めていると、他者評価や関係性が失われた瞬間に大きな喪失感を覚えることになる

自分を棚卸しして、自分として生きることを肯定する

  • 自分を棚卸することは、自分の弱さを受け入れ、あるがままの自分を肯定することにもつながる

  • 弱さを見せることは、社会における自分の価値を下げたり、存在意義を失わせる原因になると考えてしまうが、弱さを受け入れて開示できれば、他者の価値観や評価、与えられた役割から自由になることにつながる

  • 自然と向き合うことで、生きることをより意識するようになる。結果として自分と深く向き合ったり、生きることへの欲求が高まる。生きる欲望が湧くと、自信も湧いてくる。自分は唯一無二の存在だとか、自分の命にも共に生きている命にも価値がある、とか。

  • これは根源的な自信であり、他人軸の自信と違ってぶれない。サッカーの岡田監督は、「生死の境を体感すると“DNAに喝が入る“」と言った

  • 自分は自分、他人は他人という「個」を意識することで、自分の価値観で生きられるようになる

「勝ち負け」「上下」に対する怖さへの対処法

  • 「怖さ」を感じないことはできないが、「怖さ」に負けて動けなくなることがないよう、訓練することはできる
    ・怖さの正体を徹底的に突き止める
    ・怖さを乗り越えた時に得られるものを見通す
    ・目の前のことに集中し、少しずつでも前進する

  • 自己実現を目指せば、上下も勝ち負けもなくなる
    ★勝ち負け思考からの脱却は常にテーマだった。そういえば「こんなの分析してみたよ、みてみて!」状態になれてれば自分は強いと思ったことがあるが、それは「人を喜ばせたい!」という根源的な欲求があるのかもしれない。(人に好かれたい、評価されたい、ではなく) 仕事を通じて人を喜ばせる、というのは自己実現なのかもしれない。(でも、喜ぶということを人に委ねている時点で他人の物差しに合わせている気もする。まあでも喜ばせるのは好きなのだから、勝手にやればいいと思う)

前向きさを保つコツ

  • 生きている目標はただ一つで、「幸せになる」こと。社会やみんなが「絶対だ」と思っていることの大半は、他者から知らず知らずのうちに押し付けられた価値観、もしくは自分が狭い世界の中だけで決めつけていることにすぎない

「人生というのは新しい部屋に入るためには、今いる部屋を一旦出ないといけない。今いる部屋のドアを閉める勇気がなければ、新しい部屋には入れない」

  • 自己評価の基準・軸を自ら不必要に高くしすぎていないか?自ら不必要な軸を作っていないか?を疑ってみよう

  • 自分の評価軸を他者に任せない。自分の価値は自分で決める、という気持ちを持つことが、人生の本当の幸せを手に入れる鍵である

  • 夢を持って、優先的に取り組んで、「本当になりたい自分に近づけている」「本当にやるべきミッションに取り組んでいる」という幸福感を持てるようになろう

Next Steps

  • この前見つけた自分の幸せの物差しを最優先で生きる

  • そうして幸福感を保ちながら、自分が伸ばしていきたいことをコツコツ地道に頑張る。自分の場合は英語とファイナンス

  • 自分の道を独立して歩くこと(もはやそれが「独立自尊」では?)に不安を覚えたとしても、勇気と覚悟を持って乗り切る。それが幸せを作る

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