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在宅から老健にショートステイ。ショートステイ利用時、嚥下評価を依頼された時の対応 ーショートステイ利用後に在宅に戻る場合ー


1.ショートステイとは・・

ショートステイとは、短期的に施設に入所し介護・支援が受けられるサービスです。

在宅で介護を続けてると、

・冠婚葬祭などで自宅を数日間空けなければならない

・出張が入る予定がある

・介護者が体調を崩した

など、一時的に在宅介護が難しくなる場合に受けられる時等にご利用されています。

介護者のレスパイト(休息・休憩)目的で使われる事があります。

また、次のような事情でショートステイを受けられる場合もあります。

・病院から退院を迫られているも、次に入る施設がまだ決まらない

・特養の入居待ちをしている

・今後長期的な施設入居を考えており、施設に慣れておきたい

・退院直後、身体が回復するまで施設に入りたい


2.嚥下評価をお願いされた時に感じた事

病院で勤務していた頃にはショートステイの方を受け持った事が無かった為、老健に勤務をして初めてこのサービスを知りました。


老健に勤めてからショートステイの方の嚥下評価をフロアや相談員さんから数件お願いされる事がありました。

明らかにその人の嚥下機能に合ってない食事形態や食事摂取方法、水分のトロミの量の調整、姿勢、食器等の食事の設定で食べられている方がいました。

また、自宅では自分で食事を食べているとお話を受けるも、疑問を感じる程可動域制限や明らかな拘縮がある、手が止まってしまいほぼ介助を要する状態、声掛けや食事動作の介助を促しても食事に集中出来ない、1食あたりの食事量が少なく、3食経口摂取レベルとは言い難い、1日に十分な食事量は確保出来ていない、退院されてから肺炎になる事は無かっただろうか、と思う案件もありました。

私が1年間病院に居た時に、リスク面を第一優先に食事形態の設定を行っていました。

退院前にリスク面も考慮しながら食事の再評価を行った上で担当の患者さんをご自宅に戻す努力をしようとよく指導を受けていました。

退院後も必要なサービスを受けられていないから?それともSTに限らず、退院前の設定の見直しがされないままご自宅に戻っているのか?退院後の事を考えたご家族への指導が出来ていないのか・・と衝撃を受けました。

これが生活期というなのかと、評価をお願いされる度に考えさせられました。

3.嚥下評価をした後に具体的にどんな対応するのか?

2に感じた話は私がまだ若手で経験不足なのもあり、当時は評価した後の対応方法が右も左も分かりませんでした。

教科書通りの対応しか知らない私は誤嚥させてはいけないんだ、とエゴに駆られていました。

当時は、知識と臨床が繋がらず、先輩の言っていた言葉が響かず、いつも頭の上には?マークでした。本当に恥ずかしい話です・・。

先輩の指導も受けて、転職してから数年後に先輩の言っていた言葉の意味に気付きました。


すぐ退所されてすぐに、セラピストが評価した設定通りに変えて頂くのは、簡単な事では無いという事を学びました。

介護者に必要な物品を購入頂く、必要なサービスを受ける事で金銭面の負担、介護者に食事介助をお願いする、利用者さんに合った食事形態のご飯を作る事で身体的負担と言った負担を増やす可能性もあるのです。また、食事形態が変わる事で食事量の低下に繋がり、体重やADL、QOLの低下に繋がる可能性も考えられます。


初めて評価をされる方は、きっと私のようにセラピストのエゴに走りたくなると思います。

エゴに走らず進めていきましょう。

ご自宅やの利用者さんの自宅での食事の設定に合わせて対応しましょう。

ショートステイ中もご自宅で食べている食事形態や水分のトロミの量にし、誤嚥が肺炎にならない程度で、ある程度の誤嚥であれば許容範囲にしようと考えるようにしましょう。

食事形態や水分のトロミの量はご自宅の設定で変更せず、ご自宅では自力摂取で、実際に利用した際にご自分で難しい場合はショートステイ時のみ一部介助から全介助で設定をするようにしました。また、トロミなしでのまれていて、明らかな嚥下機能の低下がある場合にはとろみなしで飲める方法を探し、ストロー(または誤嚥予防コップ)、頷き嚥下、スプーンから摂取、等代償方法を用いた対応でお願いする事があります。

誤嚥を完全に防ぐ事は難しく、先ほどお伝えした通り設定を大きく変える事は容易ではないとお伝えしました。今の状態から出来るだけ誤嚥が肺炎に繋がらない程度にサポートは出来ると思います。

退所時に報告書をお渡しする際に、今回の評価でご家族に現在のご本人の状態を説明しましょう。

大概は相談員さんを通して電話か、送迎の際にご家族に説明をして頂く事が多いかと思います。その上でご家庭でも出来る対応方法を提案しましょう。(食事の時間に見守りや介助が出来るご家庭であれば、食事の時に見守りや介助、食器がすくえないのであれば、家にある食器ですくう事が出来る食器(スプーンまたはフォーク)、食事形態の調整が可能であれば、その方に合う食形態(購入出来るご家庭であれば市販で購入出来る商品を紹介)、明らかなムセを認め、水分にトロミ トロミ剤の紹介)


提案をしたからといって、その通りになるとは限りません。

ご家族やご本人の強い思いがあります。無理に突き通すものではありません。

しかし、出来るだけ設定は大きく変えないままで誤嚥が肺炎に繋がらない程度に出来る事を伝えたり、注意点をお伝えして注意喚起出来る事はあります。伝えた後に、次回も利用して下さり、伝えた事を気に掛けて下さるようになったと話して下さったり、ご家族から相談を受ける事が増えました

利用して下さるご家族が次も使いたいと思って下さる橋渡りになる可能性もあると思って、小さな所から種まきしていきましょう。


本日も読んで頂きどうもありがとうございます。









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