見出し画像

ハーバード流「No」と言わせない交渉術

少し古いですが、「ハーバード流「No」と言わせない交渉術」を読了。
こちらは、2013年の新卒時代に購入し、一度読了していましたが、最近、改めて手に取りました。
「ハーバード流」の交渉術は、何種類かあるようですが、今回は、こちらです。

「“交渉”とは相手を打ち負かすことではなく、お互いの満足を目指すことだ!」――著者
常に“最高の成果”を上げていく「ハーバード流仕事の哲学」とは何か。
それは、人と人との「交渉」の中にある。ビジネスはすべて「交渉」であり、「心理ゲーム」でもある。
その心理戦をいかに制するか――成功はあなたの手腕にかかっている。

本書のきっかけは、以下の2点。
・2013年の新卒当時、経営者や顧問といった、自らよりも圧倒的な経験とスキルを持った人たちとのコミュニケーションが必須だったため。
・経営者向けのコンサルティング営業ということで、どのようにすれば、相手との「会話」が成立するのか?を学ぶため。

最近改めて読み直しましたが、やはり、変わらず、刺さるポイントもあれば、新たな気づきもあるポイントもありました。

同じ本を繰り返す読む面白さはこういうところにありますよね。

読後の感想としては、

・自分自身を「メタ認知」し続けられるかが鍵。とにかく、客観視し続けること。
・「反応しない」。ぶれない、焦らない、キレない。
・常に複数の選択肢を用意する。つまり、準備が大事。
・交渉は、「勝ち負け」ではない。51対49でお互いが合意できるところで着地する。

メタ認知。反応したら負け。

交渉だけではなく、どんなシチュエーションでもこの「メタ認知」は鉄則。
具体的には、どういうことかというと、この本の中では「反応しない」というのがまず最初のメッセージです。

あらゆる交渉において、我々がとる最も自然な態度は、本能的に反応してしまうことであるが、これが交渉失敗の最大の要因だ。

相手が威圧的にこようが、妨害してこようが、挑発してこようが、とにかく、「反応しない」ということです。
動揺して、譲歩してしまったり、動揺して元々想定していたものとは異なる結論になってしまったり・・・など。

この本の中では、以下の面白い表現がなされています。

「バルコニーへ上がれ」

このように、感情を揺さぶられたり、「うっ」となる場面になった場合は、上記の「バルコニーへ上がれ」とつぶやくように、自らを客観視し、「反応しない」ようにできるマジックワードをもっておくと良いかもしれません。


そのためには、選択肢を複数持っておく。つまり、準備だ

とはいえ、気持ちだけで何とかなる問題でありません。
よく言われるのは、交渉は、交渉前の過ごし方でほぼ決まるということです。

あなたが効果的な選択肢を複数用意しており、相手が全く用意していない場合は、手強い相手との交渉においても圧倒的に有利にことが運べる。その数とレベルが高いほど、 交渉力は強力ななものとなっていくのである。

つまり、相手より多くの選択肢やカードを持っておくかが重要です。
そうすることにより、実際にハードな交渉になっても常に相手よりも多くの選択肢を掲示することができますし、何より、自らの心にも余裕がでます。

なので、結局は、「準備」です。
交渉の場に臨む前に全てが決まっているので、いかに相手を上回る準備ができているか。これが、結局は、結果も◯になる可能性が高まるし、心理的なゆとりもつくります。

51対49で終えれば良し。交渉は「勝ち負け」ではない。

交渉は、お互いが納得した上で「合意」をする場です。
勝った、負けたではありません。
もちろん、自らが元々考えている理想にもっていきたいのは当然ですが、相手があってのことです。

「納得の上で、どう合意してもらうのか?」

という視点であれば、

・相手が何を考えているのか?
・なぜ、そのような態度や言動なのか?
・どうしたいと思っているのか?
・今、どう感じているのか?

など、相手への質問が自然と生まれてきます。
相手から情報を手に入れていき、一つずつのぼっていくと、相手も納得した上での「合意」にたどりつきやすくなります。

フィードバックを求めていることを強調する。交渉中は、折を見て相手の批判を求め、それを大いに受け入れよう。そうすることで相手の考えを理解できるし、自分の考えも建設的に構築できる。

上記のイメージで、臨むと、もはや「交渉」という単語に対して、違和感ですよね。

交渉が終わっても、そこから「スタート」である。

相手が交渉の締めくくりに満足できるかどうかは、あなたの意思次第である。たとえ自分の成功に満足していても、決してはしゃいではいけない。

ここが「勝ち負け」じゃないというところですね。

正直、一発勝負で、二度と会わない、さらに、口コミなどのレピュテーションリスクもない!なら、勝っても良いかもしれません。

しかし、もはや、今の時代、そんなことはありません。

特に、サブスクリプション・SaaSは、営業で完結ではなく、そこからがむしろ本番です。営業時にハードな交渉だったとしても、あくまでも、プロセスであり、むしろスタート地点に立った状態です。

従って、もし、思い通りの交渉結果になったとしても、相手へのリスペクトと感謝を持ち、これから進めていく内容への再スタートを一緒に進めていきましょう。

ハーバード流「No」と言わせない交渉テクニックの例はこちら

本書を読んで、改めて、臨む姿勢と準備の重要性、そして、何より、「自分との戦い」だと実感しました。

特に、「反応しない」というのは、以下の書籍を繰り返し読んでいますが、まだまだ修行が足りないと、日々、感じています。


とはいっても、すぐに使えるものもありがたいですよね?

ということで、最後に、この「ハーバード流「No」と言わせない交渉術」の中で、紹介されていたテクニックの一部をご紹介。
できるところから取り組みをしていきましょう。


・「あなたがおっしゃったことを私が正しく理解できているかどうか、もう一度確認させてください。」といい、反応から逃れる時間をつくる。
・相手が自然に「イエス」と言える質問を増やす。これはまた、相手の心を開かせる魔法の言葉。
・相手の感情に共鳴しよう。交渉相手の感情を無視しないことが大切である。 相手の話を認めてあげる事は、決して「同意」することと同じではない。「おっしゃりたいことはよくわかります」とメッセージを送るだけでいいのだ。
・合意を取り付けるのはとても不可能なことに思えたら、合意内容を何段階かに分けてみる。
・相手が絶対「ノー」と言えなくなる3つの質問。①「もし我々が同意しなかったら、どうなると思いますか?」②「私はいったいどうすればいいと思うか?」 ③「あなたならどうするか?」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?