名曲「となりのトトロ」 宮崎駿監督は名作詞家である!【とりから見解】
まえがき
学生の頃からバンドを始め、趣味として細切れに音楽を続けていたものの、自分もメンバーも家庭を持ち、子どももいたりして、なかなか好き勝手音楽について語る機会が減って、モヤモヤした日々を過ごしています。
なので、noteをそのような場として使っていきたいな、と思いました。
結論から言いますと、宮崎駿監督、もっと作詞家としてご活躍してもらいたいです。
(活動ペースから見て、これ以降は無いと思いますが)
先日、息子の保育園の発表会がありまして、他のクラスの出し物で、名曲「となりのトトロ」を歌って踊っていたんですね。
自分の子ではないのに、ニコニコにやにやして見てしまいました。
子ども関係のイベントはニコニコが多くて、目尻のシワが増える一方です。それはそれで素晴らしい。
と同時に、耳馴染みのある曲が流れると、どうしても「この曲いいな」とか「ここ、こんな進行だったんだ」と思いを馳せてしまうのが、音楽が趣味の人のサガでもあり。
今更ながら、そこで改めて名曲「となりのトトロ」の良さを再確認したわけです。
映画も、そろそろ息子にも観てほしいなぁ、と思う今日この頃。(『トトロ』と『トイストーリー』は、小さいうちに観せたい、という100%親のエゴです。)
「となりのトトロ」の作詞は宮崎駿監督
「となりのトトロ」は、映画トトロのエンディングですね。オープニングも言わずと知れた「さんぽ」という名曲。
作曲は数々のジブリ映画の音楽を手がける久石譲さん。
そして、作詞は宮崎駿監督。
実は、宮崎駿監督自ら作詞を手掛けていることは知りませんでした。
さて、改めて曲を、歌詞を中心に頭から追いかけてみます。
1番はプロローグ
字面だけ見ると、「きのみ」とも読めるところが「このみ」になっています。
こーみちーにこーのーみ あずーけてー
で、頭韻(最初で韻を踏む)になっており、気持ちのいい響きが続きます。
「ちっさな」がいいですね。
「ちいさな」だとリズムに乗り切れないことからこうしたのでしょうか。
また、後に続く高揚感への布石と言うべきか、「っ」でわくわくが増している感じもでています。
からの、
「秘密の暗号 森へのパスポート」
間違いなく名フレーズなのではないでしょうか。
トトロのストーリーを知ってこその効果ですが、このファンタジー感。
個人的に、
「通常は組み合わさらない言葉同士が、違和感なく結びつく」
構成が大好物です。
「森」と「パスポート」はまさしくこれですよね。森が何かへの入口なのが伝わってきます。
からの、「すてきな冒険はじまるー」のドラムロールで、ここからサビですよ!感抜群の展開。
ご存知のサビです。
3回目〜4回目のトトロになるとき、ディミニッシュコードで上がっていくのも、ドキドキワクワク感がありますね。
からの、Ⅳm6(マイナーシックス)の不安定な響きで、ちょっと雰囲気が変わります。息子の発表会で1番惹かれたのはここで、「こんな進行だったのか」と思わされました。
まさしくトトロの物語の背景を匂わせて、1番が終わります。
そうです。まだ歌の中で、トトロに出会っていないのです。
2番 トトロとの出会い
トトロは、「ズブヌレ オバケ」なんですねw
この形容もなんだか愛らしくて良いです。
今度は、傘をさしてあげることが森へのパスポートであり、魔法の扉なんですね。
ストーリーを追いかけているようにも聴こえるし、「元々そういう言い伝えやおまじないがあった」とも取れるような内容であることに気付きます。
「月夜の晩」って、二度手間ですけど、よくある表現ですよね。
同じ意味の繰り返し=同語反復って、
トートロジー
って言うらしいんですが、これは意図的でしょうか。それとも偶然の奇跡でしょうか。
※実際の「tautology(トートロジー)」の使い方とは少し違います。
もうひとつ、ここでのポイントは、
「あなたにくる「わ」」
だと思うんです。
「わ」で終わるということは、女性目線で書かれているということ。
つまり、サツキとメイのお母さん視点かも、ということが想像できます。
なんとなく、サツキ→メイの目線にしては包容力がありすぎる気がするので。
このあとは、転調して大サビへ。歌詞は1番と同じです。
妄想〜曲が先か、歌詞が先か〜
さてここまで、歌詞を冒頭から追いかけて考えていましたが、
この『となりのトトロ』は、曲=メロディーから先にできたのではないか、と妄想しています。
まず、最も印象的な、サビの「トットロ、トットーロ」の部分。
文字通りの「トトロ」ではなく、「トットロ」という響きであることから、メロディー優先な気がするんですよね。
久石さんがなんとなく奏でたメロディーに、宮崎さんが「それいいじゃん」と乗ってきたんじゃないかと。 (「小さな芽」ではなく「ちっさな芽」であるのも、同じよう背景が想像されます。)
サビが最初にできて、前後のメロが浮かんで、歌詞を当てたのではないかと。
まとめ 『となりのトトロ』は映画+歌で完成形!
まあ、どの作品にも言えることなのですが、
トトロのファンタジーな設定、トトロという存在にワクワクする感じを、少ない言葉で見事にまとめており、
映画のエンディングで流れた時に、「また最初から観たい」と思わせてくれる、そんな歌だと思いました。
とりから
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