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"Cool Factory" 新社屋移転プロジェクト - 大阪八尾のかっこいい工場

はじめに

こんにちは、チトセ工業の中西 (@shnakan1sh1) です。
2022年ももう暮れようというところですが、当社は今年で創業60年を迎えた大阪の町工場です。
プレス加工、ろう付け加工といった受託加工と自社開発の無線機器の販売などを手掛けています。

去る2019年末、当社はそれまで50年以上に渡り稼働してきた旧工場から新工場へ全面移転を果たしました。
創業の地・東大阪を離れ、新天地での第一歩を踏み出したところです。 
今回はその新社屋 "Cool Factory" についてご紹介しようと思います。

チトセ工業株式会社 社屋外観
2019年竣工の新社屋 "Cool Factory"


Cool Factoryとは

そもそもCool Factoryってなんやねん? というところですが、これはそのままの意味で「かっこいい工場」です。
工場らしくない、町工場の既存のイメージを覆すようなかっこいい工場を作ろう。
そんな想いで建てました。

Cool Factoryとは?という内容は動画でもお話ししていますので、そちらもご覧ください。

作業現場は明るく開放的な雰囲気で、ところどころにコーポレートカラーのオレンジをあしらっています。
社内のお知らせ事項や情報共有はグループウェアやデジタルサイネージを活用しているため、紙の掲示物はありません。

プレス加工工場
プレス加工工場

力を入れたのは現場だけではありません。
事務所や会議室などの間接部門エリアも、快適に仕事ができる環境を目指して設計しました。

会議室
会議室
展示エリア
展示エリア

そして、移転にあたりひと際力を入れた場所のひとつが社員食堂です。
僕たちはサロンと呼んでいます。

毎日都給食さんに定食を作っていただいております。
メニュー豊富で栄養バランスもバッチリ。
味も美味しく社員にも好評です。
また、食後には午後の仕事に備えて休息を取れるようリラックススペースも設けています。

サロン (社員食堂)
サロン (社員食堂)


移転のきっかけ

旧社屋は事業の拡大に伴うスペースの不足や、老朽化によるBCPの観点での不安などの問題があり、数年前から移転を計画していました。
ですが、なかなかまとまった土地がすぐ見つかるものでもありません。
数年の期間を経て、ご縁あって今の土地が見つかり移転を決めました。

東大阪市横小路の旧社屋
東大阪市横小路の旧社屋

ちなみに、東大阪から八尾に移転したと書きましたが実際のところ直線距離でいうとたったの400m移動しただけ。
住所は変わりましたが、社員の通勤にはそう大きく影響はありませんでした。
というのも、実は少し離れた工業団地も移転先の候補ではあったのですが、やはり社員の皆さんにとって通いづらくなってしまうのは避けたかった。 (単純に予算の問題もありましたが…)

ともあれせっかく1から新築で工場を建てるのだから、これまでの問題を解決すると同時にできる限りみんなの希望を詰め込んだ社屋にしよう!ということで新社屋建設を一大プロジェクトとして設定しました。

しかし、皆がそれぞれに希望だけを出してもまとまらないので、まずはどんな工場を建てるのか、そのコンセプトを決めました。
その際に掲げた新社屋のコンセプトが "Cool Factory" 「かっこいい工場」でした。

Cool Factoryのコンセプト

かくして "Cool Factory" 「かっこいい工場」を作ろうと決まった訳ですが、じゃあ具体的にかっこいい工場ってどんな工場なのか?それをもう少しかみ砕いた内容として次の3つがあります。

  • 儲かる工場

  • IT, IoT 先進工場

  • 従業員に優しい工場

Cool Factory 三つの柱
Cool Factory 三つの柱

もう少し詳しく書きます。

儲かる工場

まずは儲かる工場。
当たり前の話ですが、工場の生産効率を最大化して安定した収益を確保できる工場にしようということです。

以前の社屋は度重なる増改築で別々の棟に設備が分散していたことで製品の運搬効率が悪くなっていたり、社屋自体の老朽化によって品質の管理が難しくなっていました。
新社屋では、これまでバラバラだった生産設備を1つの建屋に集め、動線 (人や製品の動きの流れ) も最適化しました。

これにより社内での製品運搬の効率は飛躍的に向上し、生産性の向上に寄与しています。
また、社内は生産現場はもちろん製品を保管する倉庫に至るまで空調設備を完備し、徹底した環境管理で製品の品質管理能力も向上しました。

現在当社ではEVをはじめとする次世代自動車に搭載される部品を数多く生産しております。
これからの時代、モビリティの電動化の流れは避けられません。
当社は生産性を高めることにより全体としてのキャパシティーも向上させることができ、今後さらに拡大が見込まれる需要にも対応が可能となりました。

当社で手掛けるEV用部品
当社で手掛けるEV用部品

IT, IoT先進工場

次に二つ目のIT, IoTを活用した先進工場について。
当社では自社開発製品であるワイヤレスデータロガー "Logbee" を活用した環境管理と、デジタルサイネージと連携した生産設備の稼働を見える化するシステムで工場内のあらゆるデータを管理しています。

防水ワイヤレス温度・湿度・照度データロガー Logbee (chitose-kk.co.jp)

当社では銅の製品を数多く取り扱っておりますが、銅といえば皆さまご存じの通り非常に酸化しやすい金属です。
そこで先ほどお話しした通り社内の倉庫にも空調設備を完備しており、Logbeeを使って温度・湿度を管理することによって変色の発生を未然に防いでいます。

それ以外にも加熱炉の近くで作業するブレージング加工現場の熱中症指数測定、外観検査室の照度測定など、品質保持・作業環境の管理に役立てています。
また、事務所や会議室にはCO2センサを搭載したモデルを設置しており、換気の状況を可視化しています。
このコロナ禍では事務所で勤務する社員や、来社されるお客様の安心感につながっています。

さらにプレス加工の現場では加工数量を自動的に計測するショットセンサを導入し、生産性をリアルタイムで見える化しています。
集められたデータは自動的にサーバへ送られ、管理者がいつでも確認することができ不測の事態にもすぐに対応が可能となりました。
こちらもLogbeeの無線技術を応用した自社開発製です。

創業から50年以上、蓄積し磨いてきた加工技術と新しい無線通信技術の融合ですね。

従業員に優しい工場

そして最後、従業員に優しい工場。

社会人にとって、起きている時間の大半を過ごす場所はどこでしょう?
仮に1日24時間のうち8時間寝るとします。
残りの16時間のうち、確実に8時間は会社にいることでしょう。

つまり、起きている時間の半分以上は会社で過ごすんですよね。
では、その会社が安心・安全で快適に過ごせる空間でなくては!
当社はそう考えています。

だから新社屋では工場としての機能はもちろんながら、それ以外の部分にも隅々まで力を入れて作りました。
もちろん、ただの工場を建てるよりもコストは跳ね上がります。
では、なぜそんなことをしたのか?

それは当社で働くことを選んでくれた社員の皆に今後も変わらず、選び続けてもらいたいからです。
当社には勤続10年を越える社員が約3割おり、勤続20年、30年を越える社員もいます。
かねてより働く環境の整備には力を入れてきましたが、新社屋への移転でそれはさらに加速したと感じています。


少し長くなりましたが、この3つを満たす工場が "Cool Factory"「かっこいい工場」なんじゃないか、と僕たちは考えています。

おわりに

以上、当社の新工場 "Cool Factory" についてお話しさせていただきました。
移転の様子は下記の動画にもまとめてあります。
是非ご覧ください。

新社屋移転にはじまり、当社は今大きな変革の流れの中にいます。
周辺環境も目まぐるしく変化する中、 生き抜いていくため常にチャレンジしていかなくては、と改めて思います。

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。


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