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【取材】流れに任せてみる

取材後「失敗したな」と思うときがあります。
それが、自分で舵を取り過ぎたとき。

少し緊張や不安がある取材だと、事前に準備をし過ぎてしまいます。
知識を入れておくのは良いのですが、「この問いにこういう答えが返ってきて…」とシミュレーションしていると、大抵うまくいきません。

そこで最近「流れに任せてみよう」と思うようになりました。
進行はこちらなので、一応舵に手は添えておくけれど、
基本的には相手の話す流れに乗ってみる。
流れに乗っかりながら、どこにたどり着くかを探る感じです。

なぜ舵を取り過ぎてはいけないかというと、
進行方向を定めることに必死になって、目の前の話に深く入り込めないからです。

そういうときの音源を聞き返すと、相槌に心が込もっていなかったり、せっかく話の種が蒔かれているのに、次の話題へ移ったりしています。
つまり、段取り通り進めることに気が取られているのです。

しかもこういうとき、相手から想定外の答えが返ってくると、
大抵頭の中がパニックになります。
「A」が来たら「B」を聞こう、と思っているときに、
突然「C」が返ってくるわけですから。
そうすると余計に、目の前の話の内容に集中できなくなります。

流れに身を任せようと思うと、相手の言葉を待つ余裕が生まれます。
自分が次に何を聞くかは、返ってくる言葉次第。
だから、じっと耳を澄ませて聞いています。
返ってきた言葉の中から、拾い上げる種を探しながら。

段取り通りにこなしたいと思ってしまうのは、
自分をよく見せたいという意識があるからです。
スムーズに質問を繰り出して、時間通りに進行して、
手慣れたインタビュアーで在りたい、と。

でも自分をよく見せようと思うと、大抵取材はうまくいきません。
立ち止まりながら、探りながらでもいいから、
本当に投げかけるべき問いを見過ごさないことが、大切なのだと思います。

流れに任せようと決めると、緊張しすぎることもなくなりました。
ある程度相手を信頼して、委ねてみることも必要なのではと感じています。
その場を一緒につくっていくような気持ちで。

聞くことは本当に奥が深く、まだまだ日々反省しつつ進んでいます。
また気づきがあれば書きたいと思います。


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