インタビュアーは、驕ってはいけない。
インタビューをするときに、横柄な態度で臨む人はまずいないと思います。
ただ、無意識のうちに「こういう話を聞きたい」と思ってしまうことはあるのではないでしょうか。
先日、ある会社の社長インタビューで、こんなやり取りがありました。
仕事についてお聞きしたくて、「一番、求められる力は何ですか?」と質問したんです。社長は「一番?」と聞き返されました。
ちょっと考えて「そうですね」とお応えしたのですが、「考えたことなかったけど…色々あるから一番は無いな」との答え。
振り返ってみると、一番を決めろというのは随分勝手な話だなと、反省しました。私としては、色々ある中での「これぞ!」を聞きたいと思ったわけですが、それは完全にこちらの都合であって。インタビューする側の驕りであったなと思います。物事に優先順位を付けられない場面が多々あるのは、当然です。自分だって「今までで一番の思い出は?」なんて聞かれたら、やっぱり困ってしまうでしょう。
熱意があって、一生懸命聞きたいと思うからこそ、つい「この話をぜひ!」と前のめりになってしまう。でも本当は、相手から出てくるものをしっかり受け取る姿勢の方がずっと大切なのだと、肝に銘じたいです。
話の舵取りはしつつも、「何を話すか」を決めるのはインタビューを受ける側。そこは指定しないように、「出てきたものを受けとめる」スタンスでいようと思いました。もちろん、言葉が出てこないときにはアシストする必要もあるし、その加減が本当に難しいのですが…。
ただ、特に社長さんなど、自分の話したい内容がわりとはっきり決まっている方に対しては、本当にあまり制限を設けず自由に話していただいて、間に少し質問を挟むくらいでいいのかなと、思います。質問の幅をこちらの価値観で狭めない。これも意識したいです。
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