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自分にない世界を、他人が持っている

誰もが、自分の世界を持っている。
見ている景色、普段考えていること、これまでの記憶。
その世界は、唯一無二のものだ。
自分にはない世界を、他人は持っている。

その世界を少し、垣間見させてもらえるのがインタビューだ。
私はそこに広がる新しい世界に驚き、感動する。
こんな世界があったんだ。すごい、すごい。

どんな人でも、他人があっと驚くような世界を、きっと持っている。
その人にしか語れない言葉があるはず。
そこに触れたとき、あぁよかった、と思う。

普段の何気ない日常会話では、なかなかその感動まで達することは難しい。
それはたぶん、会話というのはキャッチボールのように、互いの思いを何となく投げたり受け取ったりするものだから。

一方インタビューは、真剣に相手に向かい合う。
インタビュイーの言葉をすべて受けとめようと、耳を澄ませる。
受けとめるために、質問を投げかける。
そのうちに、答えが深いところへ入っていく。そこからぽろりと出てくる一言が、その人にしか語れない世界なのだと思う。

私はその言葉をメモして、線を引く。線を引かれた言葉が、その人の持つ世界だ。そこを、もっと聞きたい、と思う。

インタビューは何度やっても緊張する。正直、気が重いくらい。それでも終わると、聞けてよかったと思う。立ち会えてよかった、と。今の私の世界は、あらゆる人に見せてもらった世界で彩られている。こういう瞬間をできるだけたくさん、積み重ねていかなければ。

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