今更聞けない?インフルエンサーとKOLの違いを解説!
皆さんは「KOL」というワードを聞いたことはありますでしょうか?
多くの人が聞き馴染みのない言葉なのではないでしょうか。
では「インフルエンサー」はどうでしょう?
こちらは聞いたことがあったり、好きなインフルエンサーがいるなんて人も多いと思います。
実は近年インフルエンサーマーケティングの手法が大きく変わってきています。
特にWeb3やFintech企業でタイアップにインフルエンサーを起用するのをやめ、代わりにKOLを起用し始めています。
なぜマーケティングにインフルエンサーは起用されなくなってきているのでしょうか?
今回はKOLとインフルエンサーの具体的な違いについて、なぜ今KOLマーケティングに注力すべきかをお伝えできればと思います。
KOLとは?
KOLは「Key Opinion Leader(キー・オピニオン・リーダー)」の略称
KOLとは「Key Opinion Leader(キー・オピニオン・リーダー)」の略で消費者の意思決定に大きな影響を与える人を意味します。
特に中国を中心に社会に浸透するKOLですが、元々は製薬会社の販売促進に影響力を持つ医師や専門家などを指していました。
KOLとインフルエンサーの違いとは?
KOLの強みは「専門性」
KOLの強みと言えるのはその専門性です。
インフルエンサーはいい意味で、単なる「人気者」です。
莫大なフォロワーを持ちながら、そのフォロワーの興味・属性は様々です。
一方のKOLはある専門分野に特化しています。
必然的にそのフォロワーは専門分野に興味のあるユーザーが集まることになり、商品訴求効果が高まるということです。
YouTuberを例にインフルエンサーとKOLに分類してみる
インフルエンサーの例
インフルエンサーは皆さんご存知の通り、以下のような方が当てはまります。
コムドットさん
はじめしゃちょーさん
HIKAKINさん
KOLの例
一方でKOLの特徴である、専門性を持ったYouTuberを見てみましょう。
バフェット太郎さん - 投資
ななこさん - 美容
ワンソクTubeさん - 車
ご覧の通り、それぞれ全く異なるジャンルの専門性を持ったコンテンツを投稿しています。
インフルエンサーとKOLのメリットとデメリット
インフルエンサーの場合
インフルエンサーの場合、プロダクトの潜在ユーザーにリーチすることができ認知度向上を図ることができます。
その一方で、まず認知度拡大を目指すアーリーステージのプロジェクトにとってはコストが高く、成果も目に見えにくいといった欠点も持っており、インフルエンサーはTVCMと似た特徴を持つことがわかります。
KOLの場合
KOLの場合、ターゲットを絞り込めるためインフルエンサーを起用するより基本的にはコストパフォーマンスは高くなる傾向にあります。
また、固定報酬よりも成果報酬型の案件が多く、成果以上にコストがかかってしまう状況を防ぐことができます。
フォロワー数千人のマイクロKOLを複数人起用するなどして、インフルエンサーより初動コストを抑えてPDCAを回すことも可能です。
その一方で、トップKOLになると成果が出るたびに報酬が上がるためコストが高くなる、PR感(THE広告という感じ)を抑えられるがステルスマーケティングと捉えられる可能性があるという点にも注意が必要です。
なぜKOLマーケティングが重要視されるのか?
サーチからレコメンドへのトレンドの変化
私は1番の大きな要因にサーチからレコメンドへトレンドが変化していることが挙げられるのではないかと考えています。
2017年にTikTokが上陸し、翌年には世界で5億人のアクティブユーザーを突破しました。今では世界で最も大きなソーシャルメディアの1つとなっています。
TikTokがもたらした1番大きな影響は、ユーザーが自分で検索をして好きなコンテンツを見るという手法から、ユーザーの好みを分析して自動的にコンテンツを表示するというトレンドの変化を生み出したことです。
これによりユーザーに考える暇を与えず、無限にユーザーの好みのコンテンツを見させることができるようになったのです。
私はユーザーに決定権を握らせないことはマーケティングにおいてかなり重要だと思っています。
これはアルゴリズムは従来の概念を大きく覆し、YouTube、Instagram、Xなどのビッグテックがこぞってレコメンド機能を追加しており、トラディショナルなSEOでの対策も役に立たなくなりつつあります。
アルゴリズムトレンドの変化がインフルエンサーに与える影響
このようなサーチエンジン・ソーシャルメディアのアルゴリズムトレンドの変化はインフルエンサーにどんな変化を与えるでしょうか?
レコメンドアルゴリズムはユーザーの好みを分析し、よりユーザーにマッチしたコンテンツを選定します。
同時に投稿主の視聴層がどの分野に興味を持っているのかも分析しています。
一般的なインフルエンサーは幅広い分野の動画を投稿し視聴者の興味もバラバラなので、例え金融の動画を上げたとしても視聴者層にマッチせず、相対的に高品質なコンテンツではないと判断され表示されにくくなります。
一方の金融KOLの動画は、投稿主の発信内容と視聴者の興味がマッチしているため、アルゴリズムは「同じ興味を持ったユーザーが視聴している動画だから視聴してもらえるだろう」という判断を下し、レコメンドされやすくなるでしょう。
このようなWebサービス全体のアルゴリズムトレンドの変化が専門性のないインフルエンサーの訴求効果に大きな影響を与えています。
レコメンドトレンドにおいてのマーケティングはいかに発信者とそのコミュニティの興味関心が一致しているかということが重要であると言えます。
最後に
はじめにKOLは中国社会を中心に浸透しているとお伝えしましたが、中国には「圏子(チェンツ)」と呼ばれる文化が存在するそうです。
「圏子(チェンツ)」とは、同じ地域やライフスタイルや趣味などを共有する人々から構成されるコミュニティを指す言葉で、主に農村社会などで重要視され、国家発の情報よりも「圏子(チェンツ)」内の情報が信用されてきました。
同じコミュニティ内の仲間が発信する信頼性の高い情報はやがて「口コミ」に変わって共有され拡散されてきたのですね。
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