見出し画像

遊びみたいな勉強

前回の記事で、動物の耳作りのことが載っていましたが、その耳を使って、次のテーマは「演劇」にしよう!ということになり。子どもたち、あれからずっと劇を作っています。

はじめ、劇のあらすじを決めました。みんなでやってみたいお話を挙げていきます。ころあい自然楽校では、ひとりひとりを大切にするため、多数決は行いません。丁寧に意見を聞き合い、オオカミと七ひきのこやぎをやりたい人と、どうしても薬屋の話をやりたい人が残りました。

その後紆余曲折ありながら、結局、「4匹の子猫たちが冒険に出て、宝を見つけ、その宝を元手にして、薬屋さんを開業する話」ができあがっていました。

演じたい人が「役者・台本作りチーム」演じたくない人は「大道具・小道具チーム」に分かれます。

ゲラゲラと笑いころげながら、台本を作っていく台本チーム。創造が膨らみ、お話もどんどん膨らんでいきます。

そうだ!冒険の前に遊園地も行こうよ!帰りにカフェも寄ろう!

なかなか冒険に出発できません。

(でもいいのです。劇を完成させることが大切なわけではありません。その過程が大切なのです。結果、子どもが納得のものができるなら「冒険に出ようとする話」で終わってもいいわけです!)

家は、ちゃんと壁を段ボールで天井までつなげてね!廊下もいるよ!洞窟の入り口は本格的にしてね!と、大道具チームへのオーダーも増えてきました。

元演劇部の方が、演劇指導に来てくれました。「道具は、一つもなくても演技でカバーできるんやで。」コップを使って演技をした後に、コップなしで同じ演技をしてみて、ほんまや!と驚く子どもたち。

大道具チームは、部屋の壁はあきらめて、窓だけ作ることにしました。

夜と朝で、ちゃんと景色が変わるようにしてほしい!と台本チーム。

知恵をひねった大道具チームは、窓とカーテンを作ることにしました。カーテンを開けると、朝の景色が広がります。

わぁ!すごい!と喜ぶ台本チームたち。

ころあい自然楽校の学びは、こんな様子です。

え?学び?遊んでるだけでしょ!と一見思われるかもしれません。しかし​

・台本を書く
・台本を推敲する
・台本のために漢字を調べる
・読み手を意識して、速さを考える
・読み手を意識して、声の大きさを考える
・台本を覚える(音読)
・台本をきちんと覚えているかチェックしあう(黙読・聞き取り)
・カーテンを縫う(なみ縫い・玉結び・玉止め)
・大きな模造紙に景色の絵を描く
・宝物を作るために、正八面体を作る
・宝の地図を作るために、昔の地図について資料集で調べる
・宝の地図らしくするために、紙を茶色く染める方法を研究する

などなど、その中には実に様々な学習が隠れています。

ころあい自然楽校では、学習指導要領をリストにしたものを一人一冊持っているので、自分が学習したことは、あとでそのリストにチェックを入れていきます。

めちゃくちゃ楽しく遊んでいるようにみえるけれども、こどもたちはしっかりと勉強をしているのです!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?