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捨てられないもの

私は物をあまり捨てられない。家がゴミ屋敷になって足の踏み場もない…ほどではないが本棚には読んでない本や今後読むこともなさそうな本が多く並べられており、引き出しの中にはもう使うタイミングが無さそうな文房具が散乱している。

その捨てられない物の一つが前職の名刺だ。前の会社の名刺なんて持っていたって明らかに使うタイミングが無い。そもそも、前の会社に居た時でさえ名刺なんて使った記憶が無い。けどその名刺自分が前の会社に居たことの証明であり、何となくゴミ箱に捨てるのは憚れる。

そこで、その名刺を本の栞にする事を思いついた。

私は本を結構読む。それも通勤の時はこの本、平日の夜はこの本、休日はこの本…と並行して何冊も読んでいるので栞が不足していた。

栞なんて、言ってしまえば別に何だっていい。紙切れでもその役割を果たせてしまう。しかし、ティッシュやメモ帳の端切を栞にするのはあまりにも無粋だ。そこでこの名刺を使う事にした。

栞は自分の記憶を繋ぎ止める物で、前の会社の名刺もまた自分にとってそのような物だ。だからか、名刺が適切な場所にいる様な感じがする。これはとてもいい閃きだった。

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