マガジンのカバー画像

私の感傷的百物語

50
昔、自費出版した本を一話ずつリメイクしています。
運営しているクリエイター

#百物語

【私の感傷的百物語】第四十三話 ウナギ

以前、何度かウナギ釣りをやったことがあります。一度は釣れたウナギを捌いてみましたが、通常…

後藤師珠馬
2週間前
10

【私の感傷的百物語】第四十二話 学校の怪談

以前、学校の「七不思議」についての記事を書きましたが、今回は「学校の怪談」について考えて…

後藤師珠馬
1か月前
9

【私の感傷的百物語】第四十一話 加害恐怖

僕は二十代の半ば頃まで、他人と関わる際に、多かれ少なかれ、何か危害を加えているのではない…

後藤師珠馬
1か月前
7

【私の感傷的百物語】第四十話 バイクの唸り声

長年努力してはいるのですが、どうも好きになれないものの一つに、バイクの出すエンジン音があ…

後藤師珠馬
1か月前
7

【私の感傷的百物語】第三十九話 バスルーム

恥ずかしい話なのですが、僕は20代の半ばまで、恐怖映像などを見た後にシャンプーをするのが怖…

後藤師珠馬
1か月前
10

【私の感傷的百物語】第三十八話 揺れる木々

大風が吹き、大木の枝が揺れているのを見ていると、それだけでぼんやりとした不安感に襲われま…

後藤師珠馬
1か月前
7

【私の感傷的百物語】第三十七話 夕暮れ

「おうまがどき」「かわたれどき」という言葉があります。それぞれ「逢魔が時」「彼は誰時」と書きます。前者は夕暮れ、後者は薄暗い時間帯全般ですが、主として明け方に使われるそうです。いずれも、言葉の中に怪異の匂いが漂っています。落語家の林家彦六が、生前、お弟子さんに 「お化けというのはデザインが凝っているから、真っ暗闇の中には出ない。明け方の、ちょっと薄暗い時間帯に出る」 といった話をしたそうです。確かに、薄暮の時間帯は、お化けや妖怪変化と最も出会いやすい時だと言えます。 薄

【私の感傷的百物語】第三十六話 ガード下

一時期、週に何度も自転車で町のガード下を通っていました。当時の僕は精神的にかなり不安定な…

後藤師珠馬
3か月前
5

【私の感傷的百物語】第三十五話 蛾

蛾。巨大な「ガ」です。 山間部の町で、時に驚愕する大きさの蛾と出くわすことがあります。僕…

後藤師珠馬
4か月前
7

【私の感傷的百物語】第三十四話 電車怪談考

電車とは、本来ならば怪談とは縁遠い乗り物ではないでしょうか。もしも自動車ならば、目的のコ…

後藤師珠馬
4か月前
5

【私の感傷的百物語】第三十三話 黒瀬

沼津市を流れる狩野川に、「黒瀬」と呼ばれる場所があります。沼津警察署の前辺りにあって、文…

後藤師珠馬
4か月前
6

【私の感傷的百物語】第三十二話 蜘蛛の巣天井

我が実家の隣は、車一台がやっと通れる程度の下り坂になっています。この道に沿って何軒か家が…

後藤師珠馬
6か月前
6

【私の感傷的百物語】第三十一話 開かずの間

「開かずの間」という言葉にそそられます。長い間閉ざされている場所には、果たして何があるか…

後藤師珠馬
9か月前
7

【私の感傷的百物語】第三十話 黒い球体

子供の頃、実家で黒い球体を見たことがありました。ちょうど僕がトイレへ行こうと、一階の畳敷きの部屋に差し掛かった時のことです。突然、野球ボールくらいの大きさをした真っ黒い塊が、視界の上からすごいスピードで現れたのです。いきなりのことに驚いた僕は、必死にその姿を目で追いかけました。球体は自分の周囲をあちこちと飛び回った後、部屋の出入り口へと向かい、そこで障子と障子の隙間にスルリと入り込んで、消えてしまいました。 その後、水木しげるの妖怪図鑑に「黒玉」という妖怪が載っているのを見