【私の感傷的百物語】第三十一話 開かずの間
「開かずの間」という言葉にそそられます。長い間閉ざされている場所には、果たして何があるか。開けてはいけないはずなのですが、どうしても開けてみたい。我が国における神代の物語の中にすら「してはいけない」と言われたことを我慢できず、結局、禁を破ってしまうシーンがあるのですから、まして神の身にあらざる人間は、その禁忌を破るという誘惑に(実行する、しないは別として)常に苛(さいな)まれているのではないでしょうか。
実は我が家にも、開かずの間のような場所が存在していました。それは、もと