後藤師珠馬

1990年生/東海大学海洋学部卒業/静岡県沼津市の古本屋(山仲)/地元ミニコミ誌「月刊…

後藤師珠馬

1990年生/東海大学海洋学部卒業/静岡県沼津市の古本屋(山仲)/地元ミニコミ誌「月刊イヌ時代」に連載/忘れ去られたものが好きです/どうぞよろしくお願いします

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  • 私の感傷的百物語

    昔、自費出版した本を一話ずつリメイクしています。

  • 落語と音曲

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叔父と一緒に「チェコスロバキアって漢字でどう書くんだ」と悩む夢を見た。まんがタイムの日常系4コマにありそうなネタだなあ。で、ネットで調べてみたら「捷克斯拉仏克」。合ってるかどうか確証がない。だが、なんだかお経みたいだ。「夜露死苦」的なアッパー印象はあまりしない。東欧の貫禄か。

    • 【私の感傷的百物語】第三十五話 蛾

      蛾。巨大な「ガ」です。 山間部の町で、時に驚愕する大きさの蛾と出くわすことがあります。僕の記憶に残っているのは岐阜県の郡上八幡と、愛媛県の四国中央市の辺りで見た蛾です。前者はコンビニの壁に張りつき、後者は街灯の周囲を飛び回っていました。いずれも近くで目の当たりにした僕はギョッとしてしまい、しばらくその場から動けませんでした。 僕は昆虫に明るくないので、この世に巨大な蛾がどれ位いるのか分かりませんが、どの蛾にも共通しているのが、あの迫力ある羽と太い胴体です。蝶の飛ぶ(あるい

      • 【私の感傷的百物語】第三十四話 電車怪談考

        電車とは、本来ならば怪談とは縁遠い乗り物ではないでしょうか。もしも自動車ならば、目的のコースから外れて、暗い路地、山奥、墓場などに移動し、怪異に巻き込まれるというパターンがあり得ます。船の場合でも、バミューダトライアングルのような異界と繋がる海域へと迷い込んでしまえば、即座に怪談が成立する訳です。 しかし、電車はというと、路線の上を車両が走るだけで、迷いようがないのです。停車時間も、走る電車の本数もこと細かに決まっており、遅延があればすぐに分かります。さらに、我が国では深夜

        • たまたま仕入れた中にあった本だが、浮島や愛鷹の伝説も載っており、たいへん勉強になった。地方に残る、荒削りだけれど忘れられぬ、喜怒哀楽の物語。 浮島河童の恩返し、かなしい沼のばんばあのお化け、改心した三俣淵の人食い大蛇、川魚や猪肉を横取りする天狗たち、等々……。 心の栄養になった。

        叔父と一緒に「チェコスロバキアって漢字でどう書くんだ」と悩む夢を見た。まんがタイムの日常系4コマにありそうなネタだなあ。で、ネットで調べてみたら「捷克斯拉仏克」。合ってるかどうか確証がない。だが、なんだかお経みたいだ。「夜露死苦」的なアッパー印象はあまりしない。東欧の貫禄か。

        • 【私の感傷的百物語】第三十五話 蛾

        • 【私の感傷的百物語】第三十四話 電車怪談考

        • たまたま仕入れた中にあった本だが、浮島や愛鷹の伝説も載っており、たいへん勉強になった。地方に残る、荒削りだけれど忘れられぬ、喜怒哀楽の物語。 浮島河童の恩返し、かなしい沼のばんばあのお化け、改心した三俣淵の人食い大蛇、川魚や猪肉を横取りする天狗たち、等々……。 心の栄養になった。

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          【私の感傷的百物語】第三十三話 黒瀬

          沼津市を流れる狩野川に、「黒瀬」と呼ばれる場所があります。沼津警察署の前辺りにあって、文字通り真っ黒で急流の瀬が続いています。普通、河川の下流域は川幅が広くなり、こうした場所は少なくなるのですが、狩野川においては、黒瀬の部分だけ例外的に流れが速くなっているのです。なぜ黒く見えるのかはよく分かりません。水深が深いせいかもしれません。一般的な瀬は浅い場所にあり、川の流れが水面近くの岩などのに当たって白く見えるものです。しかし黒瀬は不思議なことに、水深がありそうな黒色の水面に、瀬特

          【私の感傷的百物語】第三十三話 黒瀬

          雨の日に仮復活です。

          雨の日に仮復活です。

          プチ復活。明日6月14日(土)9:30~静岡朝日テレビ「とびっきり!静岡」土曜版にて、私どものお店、山仲が紹介されます。10:30頃に8分ほどのコーナーとのこと。県内在住でお時間のあります方は、ぜひご覧ください。写真は静岡市の古民家古本屋「書肆 猫に縁側」さんが撮ってれました!

          プチ復活。明日6月14日(土)9:30~静岡朝日テレビ「とびっきり!静岡」土曜版にて、私どものお店、山仲が紹介されます。10:30頃に8分ほどのコーナーとのこと。県内在住でお時間のあります方は、ぜひご覧ください。写真は静岡市の古民家古本屋「書肆 猫に縁側」さんが撮ってれました!

          仕事が多忙になってきましたので、当分の間、noteの活動を休止させていただきますです。 古本屋・山仲の活動はインスタグラムにて発信しております! https://instagram.com/yamanaka_books/ いつの日にかまた、お会いしましょう! それでは。 後藤師珠馬

          仕事が多忙になってきましたので、当分の間、noteの活動を休止させていただきますです。 古本屋・山仲の活動はインスタグラムにて発信しております! https://instagram.com/yamanaka_books/ いつの日にかまた、お会いしましょう! それでは。 後藤師珠馬

          深い河【ウクレレ演奏】

          遠藤周作「深い河」を読了した記念に、黒人霊歌「深い河」を演奏してみました。 音楽活動はじめて十余年、好きな曲の根っこ(ルーツ)を掘り続けてきました。この曲がひとつの掘り終えた地点ではないかと思います。 仕事が多忙になってきたこともあり、これにてワタクシの音楽活動は、とりあえず一区切りとしたいと思っております。 みなさま、これまで拙いながらもワタクシの録音・演奏を聴いていただきまして、本当に、ありがとうございました。

          深い河【ウクレレ演奏】

          深い河【ウクレレ演奏】

          新進気鋭のDIY系エモーショナルバンド・DCMのニューシングル「速乾コンプレッション」好評発売中! ……という妄想にふける日曜日。Wordで作ったかのような図形と「反射」の文字入りタグも、なかなか味があって良かった。

          新進気鋭のDIY系エモーショナルバンド・DCMのニューシングル「速乾コンプレッション」好評発売中! ……という妄想にふける日曜日。Wordで作ったかのような図形と「反射」の文字入りタグも、なかなか味があって良かった。

          今週土曜日、古本屋が落語を演ります。どうぞお気軽にお越しください。

          今週土曜日、古本屋が落語を演ります。どうぞお気軽にお越しください。

          遠藤周作 著「深い河」読了。人々の生き様、罪、悲哀、信仰が大きく深い河に抱かれて、混ざり合い流れてゆく。これまでも、そして、これからも。読んでみて良かったと心から感じる物語だった。 『これで……いい。ぼくの人生は……これでいい』 どんな結末でも、自分もこう思える道を歩みたい。

          遠藤周作 著「深い河」読了。人々の生き様、罪、悲哀、信仰が大きく深い河に抱かれて、混ざり合い流れてゆく。これまでも、そして、これからも。読んでみて良かったと心から感じる物語だった。 『これで……いい。ぼくの人生は……これでいい』 どんな結末でも、自分もこう思える道を歩みたい。

          明日20日(土)、沼津市戸田の御浜岬公園にて行われるイベントに、山仲も出店させていただきます。古本・雑誌・パンフレット税込300円均一! 天気も今のところ晴れ予報ですので、皆さまぜひ遊びにきてください。

          明日20日(土)、沼津市戸田の御浜岬公園にて行われるイベントに、山仲も出店させていただきます。古本・雑誌・パンフレット税込300円均一! 天気も今のところ晴れ予報ですので、皆さまぜひ遊びにきてください。

          渥美清も落語が好きだったんだ! さすが寅さん! 古今亭志ん生、志ん朝親子、柳家小さん、笑福亭仁鶴がお気に入り、と。メモメモ……。この短い文章の中に、人柄の良さがにじみ出ているなあ。「男はつらいよ」でずっとコンビ組んでいただけあって、好きな落語も山田洋次監督の創作落語なのネ。

          渥美清も落語が好きだったんだ! さすが寅さん! 古今亭志ん生、志ん朝親子、柳家小さん、笑福亭仁鶴がお気に入り、と。メモメモ……。この短い文章の中に、人柄の良さがにじみ出ているなあ。「男はつらいよ」でずっとコンビ組んでいただけあって、好きな落語も山田洋次監督の創作落語なのネ。

          落語雑誌をペラペラしていて、高橋義孝も落語が好きだったんだと知る。夏目漱石→内田百閒→高橋義孝と続く文士の系譜に、落語がぴったりと貼り付いている。この系譜に自分も連なりたいと、つい考えてしまうが、恐れ多いので木陰から覗いているんだ。黒鉄ヒロシ先生風に言えば「猿に似てますね」。

          落語雑誌をペラペラしていて、高橋義孝も落語が好きだったんだと知る。夏目漱石→内田百閒→高橋義孝と続く文士の系譜に、落語がぴったりと貼り付いている。この系譜に自分も連なりたいと、つい考えてしまうが、恐れ多いので木陰から覗いているんだ。黒鉄ヒロシ先生風に言えば「猿に似てますね」。

          【私の感傷的百物語】第三十二話 蜘蛛の巣天井

          我が実家の隣は、車一台がやっと通れる程度の下り坂になっています。この道に沿って何軒か家が並んでいるのですが、生垣が続いている場所もあります。また、その内の一部は人の背丈より成長した木々で、その後ろから、庭木が通行人の頭上を覆うようなカタチに伸びています。 子供の頃この場所を通る際、僕は嫌な思いがしたものでした。というのも、(まるでちょっとした林の中を抜けているような感覚がする)道沿いの垣根に、何だかよく分からない虫の繭などがついているのが目に入ってしまうからです。普通、生垣

          【私の感傷的百物語】第三十二話 蜘蛛の巣天井