【私の感傷的百物語】第三十九話 バスルーム
恥ずかしい話なのですが、僕は20代の半ばまで、恐怖映像などを見た後にシャンプーをするのが怖かったのです。原因を考えてみますと、シャンプーの最中は(用を足している時と同じで)自分が無防備になる、という点が考えられます。そう、無防備という点で言えば、風呂場は家の中において最も「危険な」場所なのです。
入浴中は当然のことながら裸ですし、まして洗髪中ともなれば、手は頭の上に置かれています。よくテレビドラマで警官が「動くな」と言いながら、犯人にとらせるポーズです。こんな状況下で背後か