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東京タワー

まだ一度も東京タワーを見ていない。
あなたを好きになるのが怖かった。

恋に落ちてしまったら
日々は美しい地獄だよ。

ガラスの花が咲き乱れる丘、
声と温度で色づいた空。

無傷で歩くことはできない花園。


いま日本で暴動が起きたら、
真っ先に死ぬのはあなただろうね。


私はあなたを守れない。
あなたも私に気づかない。

背丈150センチメートル弱の私と
背丈333メートルのあなたじゃ

視界と、酸素濃度と
センチメンタルの度合いが違うんだ。

別に恋人にならなくていいよ、
でもただ見ていてほしかった。

あなたに、あなただけに、
芝公園に捨てられたゴミのような
私を、

そのつまらなそうな瞳で
眺めていてほしかったの。

でももう
時間切れだね。

深夜2時、
あなたは夜を憂う若者に
あっけなく殺されるよ。

私はあなたを守れない。
あなたも私に気づかない。

じゃあね、愛してたよ。


ばーん。

眠れない夜のための詩を、そっとつくります。