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つれづれなるままに呟く

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ひとりごちるは藍の夜
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#エッセイ

洗っても洗っても、書いても書いても。

洗濯、をしていると、私はいま、ちゃんとできている、と感じる。汚れた服を、あるいは、汚れた…

夜の徘徊

最近しあわせなことが多かったから、と構えてはいたものの、とんでもないダメージを、それも、…

『傷つけ合うのは当たり前だよ、僕らは不完全な多数なんだ』

人として人と生きている以上、傷つけ合うことからは逃れられない。 私がひとりで傷ついている…

つよく

解約したい契約先に電話をかけては、先方の口調の強さに泣き寝入りすることを、もう3回も繰り…

月という名を持つ罪

名前に「月」がつくひとは残酷だと思う。 一度出会った人に、月を見る度その名前を思い出させ…

美しい水槽の記憶

学生時代、私は人文学部だった。 そこには、『言葉にせずともわかりあえるものが沢山ある、け…

Tully'sの女の子の話

「私ね、彼から連絡が来るのをずっと待ってるの」 Tully'sで偶然隣り合った女の子が、連れの女の子にそう話していた。 「もうどれくらい連絡来てないの」 「2週間」 彼女の目の前のチーズケーキは手つかずだった。 「寂しくないの?」 友人がフォークでケーキを切り崩しながら言う。 「寂しいよ。心がねじ切れるくらい寂しい」 彼女は薄く微笑みながら答えた。 「じゃあ自分から連絡すればいいじゃない」 「しないよ」 「どうして」 「彼から連絡がないってことは、今私