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この家どうするの?(24)空き家になると

親が買った家。昭和のオヤジ、一世一代のお買い物・マイホーム。聞こえはいいが、現実は。
これは、エピソード・時系列バラバラの「親の持ち家」の思い出しエッセイてす。



チラシ発見

 実家の片づけ。じつは、まだ終わらない。わたしに文句をいう者、急かすものはいないからです。
すでに大型のものは、早くに有料回収に。

紙もの・書類が出てくると最後。
見てしまう、日が終わるの繰り返しです。
昭和の紙ものが、おもしろくて。


会話のない父と娘だったから、紙のおしゃべりに耳をすます。

チラシが出てきました。

チラシ

父は学童疎開での集団生活のおかげか、妙なキレイ好き。
毎日、衛生掃除と称して室内の床をホウキで掃き、わたしに片づけろと文句をいっていました。
余計なものを持たず買わず。新聞も読んだらすぐ捨てる。ほこり、紙クズが大嫌い。嫁も捨てた。
昭和のミニマリストでした。

戸棚の引き出しに紙が入っていた。よっぽど嬉しかったのか。捨てるのを忘れたのか。
当時の家の広告チラシ
色褪せた一戸建て。てろてろヨレヨレ。

「総額1750万より」
準工業地域なので安い
現在も3000万ほどが相場
(大阪市北区で中古は倍の6000万~)


ふつうの家

一戸建て・建て売り。父の死後、とりあえず近所の人にあいさつをしてまわった。
この家をどうするかは、決めあぐねていた。


近所の人は、きまってこの問いだった。
この家どうするの?

注文住宅とか、間取りや素材のこだわりもなく「家」を買った父。頭金やら支払いやらは祖母が負担したのであろう家。

「ローン 昭和55年」とある
(西暦1980年・保証人不要)
大阪市は三和さんわ銀行を
指定金融機関にしていた
(いまの三菱UFJ)


後継ぎの息子がいるとか、次世代に残すとか、なにかの思惑が感じられない家。

ごくごく、ふつうの家。育ててくれた親に家を買ったりする孝行でもなし。じぶんが住むだけの家、父はそれでよかったのだ。


空き家にしないで

近所の人は、みんないう。
空き家にしないで
空き家に人が入るので物騒。
動物だけではなく勝手に人が住みつく。


たぶん、これから親の持ち家があるかたは、空き家問題がついてまわります。


じぶんが家を買っても、じぶんの死後のことまで考えて買ってください。子どもがいる場合・いない場合、どちらもです。

おなじことを言われます。
それだけ空き家が多いのです。
これからも増えるのです確実に。


家の権利書

とりあえず探しに探しました。
どれだけ探しても家の権利書は……
ないのです。


皆さま、親御さんが生きておられるうちに、どこにしまってあるか聞いてといてくださいね。
いや、わたしだけですよね、知らないの。


もしかして……
叔父や叔母が持っているかもしれない。ひそかに再婚して、妻や子どもがいるのでは。
相続が、ややこしくなるかも。
書類ひとつでゾワゾワしてました。

むかしの家は
紙ものが多すぎるし読めない

父が死んだとき、まっさきに見知らぬ家族がいないかチェックした。
諸届けで、産まれてから死ぬまでの戸籍が要るのだ。
父は母と離婚後、戸籍上は何もなかった。

父は独居老人で、友人もいない。
父と娘、仲良くない最後がコレなのです。


誰の家か、わからん。
本当に親の持ち家か?


この家どうするの、どうなるの?



毎週金曜日は
「親の持ち家」の日


いつも こころに うるおいを 水分補給も わすれずに。

さいごまでお読みくださり、
ありがとうございます。


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