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この家どうするの?(52)葬儀屋さん今昔・28「生きた証明」
区役所でA葬祭・社長さんと、まちあわせ。手続きのあれこれのサポートをしてくれる。ありがたいことです。最近の葬儀屋さんはタイヘンですね、こんなことまで……。
(1215文字)
父の生まれてから死ぬまで
「生まれてから死ぬまで」戸籍がいるなんて、まったくわからない。
ひとが死ぬと、こんなことを明るみにするとは。証明みたいなものかしら。生きていたことの。
きのう、前日確認の電話がA葬祭・社長さんからあり。わたしの戸籍は取れましたかと。
細かい配慮だ、葬儀は終わっているのに。
秘書のようだと感心しきり。
![](https://assets.st-note.com/img/1717162180096-UPDKgTcxKh.jpg?width=1200)
社長さんのいわれるまま区役所内の窓口へ。
「この書類です」
「ここに記入するのは……。」
「ハンコはいりません」
てきぱき。窓口の担当者さんに、サッと書類提出。
窓口のひとと、みんな知りあいのような雰囲気。いつも同行しているのがうかがえる。ありがたいことだ。
じつは、わたしには
ひとつ不安なことがある……。
父が生まれてから死ぬまで。
もしも
父が、こっそり再婚してたら?
見知らぬきょうだいが、
いるかもしれない
弟とか、妹とか。
父が離婚してからの戸籍。
なにか書き加えがあるかもしれない。
それだけが面倒で、こわかった。
![](https://assets.st-note.com/img/1717161559694-XEOQWTlBhj.jpg?width=1200)
再婚はしていない
戸籍の除票。
とくに再婚したとかはナシ。
無罪だった。うたがって悪かった。
内縁のナントカ、子どもがナントカ、世の中の裏側。いろいろあって、あたりまえ。何もなくてよかった!
胸のつかえが取れた。
父は、ずっと大阪市民と思っていた。
じつは大阪市から転出して他府県に住んでいる期間があった。2年ののち、また大阪に転入。そして死ぬまで大阪市民。
その間の戸籍は?
![](https://assets.st-note.com/img/1717161634464-dL1IIo0WJI.jpg?width=1200)
空白は追跡する
「この県の市役所から取り寄せます」
A葬祭・社長さんはバッグから【全国・県庁所在地・住所録】と、茶封筒を取り出した。
パラパラ、ページをめくりササッと封筒に県庁の住所を記入。
つぎは、返信用の茶封筒だというやいなや、オモテにわたしの住所を記入していた。
「申請のための、住民票コピーと郵便局で為替・代金分700円を買って、封筒に入れればいいです」
「あ、切手もいりますね」
わたしは、なにもしていないのだが、ドンドン手続きはすんだ。
いつのまにか、死亡見舞金 (自治体により火葬手当金など名称はちがう) の支給・振り込みも申請ズミに。
「あとは【年金事務所】です。待ち時間に予約を入れてます。
年金事務所へは車で移動します。どうぞこちら。」
えっ、いつのまに?
とにかく早い。わけがわからない。
あれよあれよと、申請がすむ。
駐車場には父が最後に乗った黒い車があった。また乗せてもらった。
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つぎは、年金事務所。
わたしやオットが死んだら、娘の仕事が増える……こうなるんだ。
これは面倒くさいかも。
あとにのこる者は、
なにもわからない。
これが、いつやってくるかさえ。
(つづきます)
![](https://assets.st-note.com/img/1717161926360-TqSrSbX8DE.jpg?width=1200)
「親の持ち家」の日
いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに
さいごまでお読みくださり
ありがとうございます。
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