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この家どうするの?(53)葬儀屋さん今昔・29「同行のこころは」

「男の人は、女の人にくらべて戸籍が動いたりしません。そんなに、ややこしくはないですよ。」
A葬祭・社長さんにいわれたものの、父は相当に引っ越ししていた。区役所で、ふと気がついた。
つらくなるかたは、お読みにならないでください。
(1651文字)


大阪特有の貸家

大正・昭和の戦前。大阪では平屋とよばれる家・すまいが、とてもおおかった。商家は町家。屋根がひとつづきの、ちいさな家が細長く連なっているさまは、黒い羊羹ようかんのようでした。


「むこう三軒両さんげんりょうとなり」
みんな知ってる。
なんでも、つつぬけ。


そんな平屋の借家ずまい。庶民は、これがふつうでした。いまでいう賃貸物件なので、出たり入ったり。
ひとところに定住することはなく、祖母や父も大阪市内をあちこち引っ越していました。


食堂や飲み屋を出していたとか祖母がいっていましたが、写真があるわけでもない。
たぶん雇われの身。借りぐらしは気がねなく都合よし。きっと転々、コロコロとくらしを変えていたとおもいます。
貧乏ひまなし。




手書きの戸籍


生まれてから死ぬまでの履歴。
ぜんぶが必要。今後の手つづきに。
父が死んで取り寄せた紙切れ。
区役所でもらった「改製原戸籍」を見る。出生は大阪市。


あれっ、見ていくと他府県の文字。父から、他府県にいたとかそんなことは聞いていない。会話のない親と娘だったので。無視の知らせか、虫の知らせか。


前回にも書きました。A葬祭さんの社長さんのガイドで郵便で請求したこと。助かりました。補足をします。
[一通750円の手数料・定額為替・切手を貼った返信用封筒を同封]


その場で、親の居住の履歴を要チェック。これ、だいじです。二度手間になりかねません。
ふつうの親子だとお話してるとは思いますが。


後日「二通ありますので、再度750円の定額小為替を送ってください」と他府県の戸籍の担当さんから電話が。2回、転居してるのね。
なんだか、わからないまま追加して送ってもらいました。(そんなこともあります)


やっぱり女の人のほうが、戸籍はややこしいのかしら。そんな気もする。
それより、引っ越しが趣味の人は、お子さまが面倒に思うかも……。
(コンビニで取れる書類があるので大丈夫です)


むかしの戸籍は手書きです。
旧字で達筆すぎて。スマホなど、平たい文字に慣れてしまったのかしら。もはや手書きが読めなくなってきています。
そんなこと、ないですか?
「昭和 参拾八年」……こんな字も独特ですね。




葬儀屋屋さんが同行するのは

区役所に同行し諸手続きをお手伝い。
むかしの葬儀屋さんは、そんなことしなかったはず。

近年、
・親の生活保護を子どもが……
・親は生存と見せかけ年金を……
・妹(家族)になりすまし……
・多額の生命保険金を……
など不正ニュースを見聞きします。


もしかしたら、
まちの葬儀屋さんと、役所・年金関係の事務所がタッグを組んで防止に乗りだしているのかも。
喪主を間髪いれず役所に連れて行く


葬儀屋さんは、喪主の名前や親族の顔も知っている。
わたしが区役所に行ったとき、葬儀屋さんと戸籍の窓口のひとが顔見知り。申請や受け取りの連携ができてると感じました。


大都市になると、となりの住人が誰かわからない。
独居老人、孤独死。
家族葬・直葬も多い時代。
うすい顔とうすい関係、なのに
遺産相続は複雑化。


わたしからすると
「葬儀屋さん、ほんとうにありがたい」のひとことだが、やましいひとは葬儀屋さんに顔を見られるのもイヤだろう。

火葬当日、急に親族が遺体安置場所にやってくるのを、ふつうに受け入れていたのもうなずける。
なにかあったときの証言になる。


わたしの妄想かもしれないが
なにかの抑止力になる。



[葬儀屋さんの役所手続き同行]

たまたま、わたしがお世話になった「町内の葬儀屋さん」(大阪)だけかもしれません。個人の体験です。ご了承ください。
(葬儀屋さんも大変ですね。こんなことまで。ありがとうございました)


(つづきます)
毎週金曜日は
「親の持ち家」の日

いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに


さいごまでお読みくださり
ありがとうございます。

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