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瞑想の種類と効果 その3「観察瞑想」

何を求めて瞑想をするのか。

求めるものにより、取り組むべき瞑想法は変わります。

大きく3分類できる瞑想の種類のうち、

今回は観察瞑想について少し掘り下げます。

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Ⅱ.観察瞑想(ヴィパッサナー瞑想)

自分の内側を観察し、ありのままを受け入れる

例:原始仏教の瞑想法、マインドフルネス療法、ボディスキャンなど

効果:自己肯定感の向上、客観性・俯瞰力がつく、決めつけが減る、ストレスが減る、機嫌良く過ごせる時間が増える

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どのような瞑想なのか

観察瞑想とは、

・自分の内側を観察

・批判や評価をせず、ただありのままを受け入れる

さらには、

・評価している自分でさえも受け入れる

ものです。

集中瞑想では、1点に集中し、気が散ったら集中を戻しますが、観察瞑想では、呼吸や体、気が散っていること、全てを「観察」します。

気が散ったりいわゆる雑念や出てきたり、痛みや痒みなどを感じても、ただそういうものがあることを認めるだけで、良し悪しの「評価」を下しません。


「観察」と「評価」

子供の頃、アサガオなどを育てて日記をつけた経験はありませんか。芽が出て伸びて、葉が育ち、つぼみができ、花が咲く。育っていく様子を毎日確認していったことでしょう。

これが「観察」です。

また、観察日記をつけながら、途中しおれてきたら水を与え、茎が伸びてきたら支柱を立てるといった世話をした記憶もあるでしょう。

これらは「枯れそうでは?」「そろそろ支柱を立て方がいいかな?」と都度状態を「評価」して世話をするという、栽培行為です。「観察」と並行して行っていたことですが、別の行為として区別できます。


私たちを苦しめている「評価癖」を手放す

私たちは「観察」より「評価」が大好きな生き物です。

「評価」は、その人の価値観から生まれます。

「〇〇ができないといけない」「○○すべき」「〇〇が正しい」といった価値観(信念)があると、それらを基準として設定し、「悪い」「良い」「愚かだ」「素晴らしい」「好き」「嫌い」などと「評価」しているのです。

もちろん、生きていくのに、必要な判断基準というのもあります。ただ、私たちは日頃、周りの人や出来事に対して過剰に「評価」する癖があるのです。

この癖のせいで、起こりすぎてしまったり、不機嫌なままだったり、ひどくなると人間関係を拗らせてしまったり。

さらにやっかいなことに「評価癖」は自分にも向かいます。人によっては、自分への「評価癖」の方が厳しい場合もあります。そうなると、毎日ダメ出しをしてくる上司や親が自分の中にいるようなものです。苦痛を感じていることでしょう。

観察瞑想では、「評価」している自分に気がついて、「評価」することが好きな自分をいったん受け入れます。

もちろん「『評価』してしまう私ってダメだ!」とさらに「評価」をする必要もありません。自覚をすれば「評価癖」はいつかやめられるもの、手放せるものなのです。もしかしたら評価を続けていること自体に、いつか飽きがくるかもしれません。

要するに観察瞑想は、「評価癖」を放棄するものでもあるのです。


観察瞑想により「得られるもの」

観察瞑想最大の長所は、瞑想以外の日常にも学びが現れてくること。思考の癖を認めて、解いていくトレーニングにより、思考パターンそのものが変化してくるのです。

「まあそんな癖があるのが自分だ」と認めて、「価値観が違う人もいる」と多様性を受け入れられるようになっていきます。

例えば、あなたが嫌いな音楽を、大好きだという友達がいます。「趣味の違いがある」「こういう曲が好きな人もいるんだな」というだけで十分なことなのに、自分の価値観が絶対正しいと思い込む「評価」モードのスイッチが入っていると、

「あんなうるさい音楽のどこがいいの? 趣味悪い」

などと、つい言う必要のないことが口からこぼれてしまいます。

これは、招かれてもいない人の家に上がり込んで、勝手にインテリアを批評するようなものです。誰も望んでいない、誰にも嬉しくない、まさに余計なお世話です。

逆を考えてみましょう。あなたの好きな音楽を大嫌いという友達に「趣味悪っ!」と言われるのは嫌な物です。「自分には分からないけど、あなたはこういう音楽が好きなんだね」と言われる方がよくないでしょうか。

つまり、観察瞑想で積んだトレーニングが日常で生きてくるので、思考パターン、性格、言動が変わってくるのです。

それによって

・自己肯定感の向上

・客観性と俯瞰力がつく

・思い込みが減る

・ストレスが減る

・機嫌良く過ごせる時間が増える

などの効果が得られます。


観察瞑想により「失う可能性のあるもの」

得るものが表情に多く、デメリットは少ない観察瞑想ですが、初心者が1人で行うと、自己嫌悪に陥り、逆効果になる可能性もあります。

瞑想へ誘導してくれる存在(師や講師など)が、効果を左右するといっても過言ではありません。


観察瞑想の例

集中瞑想はマインドフルネスの講座などでも大まかな体験はできます。

ですが、個人的にはヴィパッサナー瞑想の看板を掲げている団体をおすすめします(宗教としてではなく哲学として仏教を学び実践している指導者がいる所などは、たいてい信仰の宗派を問わずに受け入れてくれます)。

特にメンタル不調を抱えている方は、医師に瞑想をしていいかの相談した方がいいかと思います(心配なら、体を軽く動かすヨガから入るといいです)。


観察瞑想まとめ

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○重要点

・自分の内側を観察

・批判や評価をせず、ただありのままを受け入れる

・評価している自分でさえも受け入れる


○得られるもの(あくまでも自分比)

・自己肯定感の向上

・客観性と俯瞰力がつく

・思い込みが減る

・ストレスが減る

・機嫌良く過ごせる時間が増える


○注意点

・観察瞑想は得るものが大きい

・誘導が効果を左右するので、指導について行うことがおすすめ

・今メンタルに不安のある方は、医師に相談してから始める

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以上に注意して、観察瞑想に取り組んでみてください。

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