静かの海

人生と生活に、静寂な時間を。 心の扱い方を教えたり、教えてもらったり。 ヨガ、瞑想、…

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人生と生活に、静寂な時間を。 心の扱い方を教えたり、教えてもらったり。 ヨガ、瞑想、言葉の仕事をしています。 無宗教。 ヨガ、仏教は実用哲学だと考えています。

マガジン

  • こころの取扱説明書

  • アサナからその先へ 〜ヨガ実用哲学入門

  • 瞑想を始めたいあなたへ ー静けさは自分の中にある

    瞑想法の種類、効果などを、筆者の経験を元にニュートラルな立場から論じます。

最近の記事

心を整えるために見落としがちなもの2

実体のないものが消耗するのはなぜ?私たちは時々「心が疲れた」などといいます。しかし私たちの体内に心という臓器はありません。実体のないものが消耗するとはどういうことでしょう?  心とは現象です。あえてドライに記すと、脳が伝達された情報を処理することで生じるものです(心が実体のない現象であるというのは、ヨガや仏教といった哲学の世界でも大きく矛盾はしていません)。 脳も体の一部です。他のパーツ同様、スタミナ切れや不調が起こります。しかも脳はエネルギーを非常に多く必要とします。重

    • 心を整えるために見落としがちなもの1

      瞑想やヨガに取り組んでもうつになる人もいれば、イライラしがちな人もいます。これは環境や染み込んでしまった思考のクセやホルモンバランスが影響していますが、土台である肉体も大きく関係していると私は考えます。 気の持ちよう、体の持ちよう よく「気の持ちよう」と言いますが、「体の持ちよう」も重要です。「気の持ちよう」は心構えや考え方次第という意味ですが、体については、私の造語です。 「体の持ちよう」、それは簡単に言うと体力と体調です。 体力がなかったり、体調がよくなければ、何を

      • 正しく諦める、正しく怖れる

        想定外の不安や先の読めない事態に遭遇しても、 必要以上に恐れたり、悲観したりしない ニュートラルな心を。 誕生以来、人類という種は何度も存亡の危機に襲われながらも、 なんとか生き抜いてきました。 人類は少し学習能力があり、 おまけに意思をもち、コミュニケーションができる生き物です。 自分のために、社会のために、正しく諦め、正しく怖れましょう。 元々、諦めることは、「あきらかにみること」。 認めて受け入れることでした。 事態から目をそむけて投げやりになること

        • 私たちには評価アプリが入っている

          過剰に反応してしまうとき、怒りすぎたり、ナーバスになるすぎるとき。 脳内で評価アプリが起動しているとイメージしてみてください。 例えば、同じ出来事に遭遇しても、Aさんには問題がなくても、 Bさんにはそれが大変な問題に思えていることがあります。 これはふたりに入っている評価アプリ=認知が異なるためです。 認知は、今までの人生によりプログラムされたものですが、 時に、人は見たい世界を維持するために、 自分で認知を選んでいるところがあります。 つまり、認知は、まさに

        心を整えるために見落としがちなもの2

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        • こころの取扱説明書
          20本
        • アサナからその先へ 〜ヨガ実用哲学入門
          5本
        • 瞑想を始めたいあなたへ ー静けさは自分の中にある
          19本

        記事

          山に籠もらなくてもできる修行 その2

          2.ニヤマ(勧戒)=従うこと5つの定めがあります。 ・サウチャ・・・心と体の純潔 ・サントーシャ・・・満足、足ることを知る ・タパス・・・厳格さ、厳しい修練 ・スワディヤーヤ・・聖典の学習、自己成長のための学び ・イシュワラプラニダーナ・・・エゴの放棄、神への祈り ニヤマは、高い精神性へと成長する準備です。 日常でも実践できるのですが、大きな変化を突きつけられます。 ヤマは、モラル的で「良い人」の体現でした。 しかし、ニヤマを実践しようとすると 一般的な「良い

          山に籠もらなくてもできる修行 その2

          山に籠もらなくてもできる修行 その1

          ヨガのゴールは瞑想(サマーディ )に達すること。 その修行は8段階あり、社会生活の中でこそ学べ、生きるものがあります。 ヨガの八支則1.ヤマ(禁戒) 2.ニヤマ(勧戒) 3.アーサナ(坐法) 4.プラーナーヤーマ (調気) 5.プラティヤハーラ(制感) 6.ダーラナ(凝念) 7.ディヤーナ(静慮) 8.サマーディ(三昧) ーーーーーーーーーーーー 1.ヤマ(禁戒)=自制すべきこと 5つの定めがあります。 ・アムヒサ・・・非暴力、傷つけないこと ・サッティア・・・正

          山に籠もらなくてもできる修行 その1

          スッキリできる、朝のワンアクション

          朝は活動モードの交感神経が働き、 夜ぐっすり眠るにはリラックスモードの副交感神経が働く。 私たちの体はこの2つの自律神経を切り替えることで、 必要なときにキビキビ動け、休むときにはしっかり休むように プログラムされています。 ところが、 メリハリなく一日だらだら過ごしたり、 太陽の光も浴びず部屋に篭っていたり、 夜更かしを繰り返したり・・・ 生活のリズムが崩れてしまうと 自律神経の切り替えがうまくいかなくなります。 週明けに仕事や学校に行くのがだるいというときは、 本

          スッキリできる、朝のワンアクション

          非日常が続くときこそ、自分をアップデートする

          いつものように行動できない日々は、 生活リズムや時間の使い方が今まで微妙に変わってきます。 どうせ変化を強いられるのなら、 後回しにしていたこと、やってみたかったことを 生活に組み込んでしまいましょう。 よく「習慣化するためには21日間続けること」といわれますが、 面白いもので、人はある程度の期間同じ行動を続けていくと 「やらないと落ち着かない」ようになります。 続けていくポイントは、ちょうどよい難易度の課題にすること。 ハードルは低めに。 いきなり大きな課題を強いるの

          非日常が続くときこそ、自分をアップデートする

          慈悲の瞑想(メッタ) その3

          生きとし生けるものの悩みがなくなりますように 私の悩みがなくなりますように あの人の悩みがなくなりますように 私の嫌いなあの人の悩みがなくなりますように 私を嫌っているあの人の悩みがなくなりますように 生きとし生けるものの悩みがなくなりますように

          慈悲の瞑想(メッタ) その3

          楽観しすぎず、悲観しすぎず

          人は問題を前にしたとき、 どうしたら解決できるかを熱心に模索するときもあれば、 被害者意識を持って傷ついてしまうこともあります。 また、自分には関係ない、信じたくないと 問題の存在に目を閉じてしまうこともあるでしょう。 自分と他者の関係、社会の問題に対し、 正しい距離感を保つのはとても難しいものです。 まずは、目を開きましょう。 「そういう問題が存在している」 「このようなことが起こった原因は何だろう」 「では私はできることをしよう」 悲観的にも、楽観的にもならず、

          楽観しすぎず、悲観しすぎず

          「呼吸」に「呼ぶ」という字を使う理由

          「呼吸」という字は、なぜ「吐吸」ではなく 「呼ぶ」という字を使うのでしょう? 吐く息は「呼気」と、吸う息は「吸気」といいます。 そして「呼気」と「吸気」の1セットで、「ひと呼吸」です。 深呼吸をするとき、吸うことから始めると あまりたくさんの気は入ってきません。 先に吐いてからの方が、無理せずたくさん吸えます。 ためしてみてください。 吐くことで、新しい気が入る余白が生まれます。 逆に、古い気を出さないと、新しい気は入ってこないのです。 これは、執着と似ています。

          「呼吸」に「呼ぶ」という字を使う理由

          慈悲の瞑想(メッタ) その2

          生きとし生けるものの苦しみがなくなりますように 私の苦しみがなくなりますように あの人の苦しみがなくなりますように 私の嫌いなあの人の苦しみがなくなりますように 私を嫌っているあの人の苦しみがなくなりますように 生きとし生けるものの苦しみがなくなりますように

          慈悲の瞑想(メッタ) その2

          執着と「いい加減」につきあう

          不安や悩みを、箇条書きレベルで書き出して眺めてみます。 すると面白いもので、さっきまで自分の中で 重い負担になっていたことが 文字になると、急によそよそしく見えてきます。 おまけに、まるで文字が気持ちの重さも引き取ってくれたかのように、 少し心が軽くなりませんか? 私たちの心は、すぐいろいろなものを抱え込みたがるもの。 執着というやつです。 執着の対象は、自覚できる物事だけでありません。 不安や苦しみ、怒り、悲しみ・・・ 感情の背景にも執着は隠れています。 例えば、

          執着と「いい加減」につきあう

          心に支配されそうなときの脱出法

          何もしたくないとき、イライラするとき、不安な気分のときに。 瞑想やヨガや心理療法というほどでもなく、 すぐその場でできる小さなアクションです。 ①カタチを数える今見える範囲で、長方形のものを10個探し出してください。 例えば、スマホ、電気のスイッチ、テーブル、窓、窓の格子模様・・・ 今いる場所にとどまったまま、 頭と目の向きだけ動かして探すのがポイントです。 意外なところに隠れているもの。 一生懸命探してみてください。 1つ2つ3つ…と探していくうちに、夢中になって

          心に支配されそうなときの脱出法

          ヨガのゴールは「瞑想」 その3

          ヨガの八支則 『ヨーガ・スートラ』というヨガの聖典には 瞑想=サマーディ到達までの8つのステップ・修行が示されています。 いわゆるヨガの八支則と呼ばれるものです。 これを見ていくと、ヨガがアサナをしたり、 書籍を学んだりするだけはない、 「実践哲学」であることをよく分かります。 ヨガの八支則 ①ヤマ(禁戒) ②ニヤマ(勧戒) ③アーサナ(坐法) ④プラーナーヤーマ (調気) ⑤プラティヤハーラ(制感) ⑥ダーラナ(凝念) ⑦ディヤーナ(静慮) ⑧サマーディ(三昧)

          ヨガのゴールは「瞑想」 その3

          ヨガのゴールは「瞑想」 その2

          サマーディ 〜一瞬と永遠ヨガは、「瞑想」という「状態」になるために行うもの。 では、ヨガの目指す「瞑想」とは、一体何なのでしょう? どういう状態なのでしょうか? ヨガで得られる「瞑想」の状態を、「サマーディ(三昧)」といいます。 集中を超えて、自分も他人もない、肉体も自我もない、 全てが一つに溶け合った状態です。 なんの境目もなく、平和で幸福感に包まれます。 ヨガの言葉でいうと、 アートマン(真我)=(宇宙の根源であり自分の本質)との出会いです。 ヨガの世界では、私た

          ヨガのゴールは「瞑想」 その2