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【2020年・春節】中国の秀逸なプロモーション映像12選

1月25日は中国の旧正月(春節)であり、中国で最もおめでたい時期とされています。それゆえ毎年、多くの企業が祝賀モードで大々的にプロモーションを展開します。今回の記事では、その中でも特に秀逸だった作品を紹介します。

*事例は一部2020年以前の作品も含んでいます。

アディダス

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日本のバブル期を彷彿とさせるような豪華絢爛なムービー。現在の中国の力強さを感じさせる。セリフは一切なく、演者のパフォーマンスと身体性だけで見せていくスタイルは、スポーツブランドならでは。男性のアクロバティックな動きもかっこいいけど、やっぱり女性の華麗な舞が一番目を引く。中国の舞踏ってほんと綺麗よね。

アップル

母ひとり・娘ひとりで中国の都会を生きる女性の年末年始を描いたショートムービー。全てiPhone11 Proで撮影されているのですが、映像のクオリティが非常に高い。Web・スマホの解像度で見るなら、もう十分iPhoneで事足りるんだなあと。8分程度の動画なので少し長いけど、最後には思わずウルっときちゃう良い話。

Appleでもう一つご紹介。

正月に里帰りした息子が都会に戻る際、田舎の母親がやたらと重いバケツをお土産に渡す。自分の部屋に戻った息子がバケツの中身を開けるとそこには・・・

中国の旧正月の慣習が感じ取れる作品。こちらはiPhoneXSで撮影されており、上述のDaughterと比べると、やや画質が劣る。とはいえ言われないとわかんないかなというレベルで、iPhoneカメラの高性能がよくわかる作品になってます。

JD.com

中国のECサイトJD.com作成のアニメーションムービー。中国にPixarがあったらこんな感じなのかなぁと思わるせるようなレベルの高さ。縁起の良い伝説上の生き物と中国の壮大な大自然が見事に調和され、まさに新年を祝うにふさわしい祝賀感が醸し出されていて個人的にはかなり好き。アニメの分野でも中国の躍進を感じさせる。

ナイキ

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中国ではお正月に、赤い封筒にお金を入れて渡す慣習があるそうです。日本におけるお年玉ですが、その赤い封筒を巡って女の子とおばさんが長きにわたるバトルを繰り広げるというお話。正直、僕の文化理解度が浅いせいでよくわからない展開だったりもするのですが、話の筋とナイキの靴の関連性はすんなり入ってくるあたり、CMとして上手いなと思った。

キャセイパシフィック航空

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香港を拠点とした航空会社・キャセイパシフィック航空が「家族」をテーマに作成したプロモーションムービー。理想の家族像みたいなイメージが造成されていて、世界観がしっかりしている。賑やかなサザエさんという感じか。

プルデンシャル

口数の少ない父親と、父ともっと会話したい娘。ある日から、娘は父親の発する言葉の単語数を数え出す。最初は10から始まり、だんだんと数が減っていき、最後はゼロに。その理由は?

動画の主人公は女の子だけど、CMのターゲットは明らかに父親側。シナリオが巧みでインサイトもうまく捉えられている印象だけど、やや理想の親子関係すぎる感があるのは保険会社だから仕方ないか・・・

エアアジア

全体が赤を基調にしたカラーで統一されている動画。映像においてひとつのキーカラーで世界観を統一するのはなかなか骨の折れる話だと思うけど、そのぶん春節のイメージが良く伝わってくる。

昨年の作品ですが、エアアジアでもう1本。

これぞ中国!という感じのコッテコテなチャイニーズコメディCM。小ネタ満載で見ていて飽きない。あえて少し古くさいテイストを出しながら、でもちゃんと現代でも受け入れられるよう演出をしている名人芸。

サムスン

プレゼントにスマホをもらったおばあちゃん。しかしそのせいで、孫たちは大変なことになってしまう。。。祖母と孫たちの交流を描いたハートフルな一作。押し付けがましいところがなく、素直に感動できる良作。スマホの会社だけに、最新のインターネットのネタをふんだんに盛り込んでいるのが個人的には好き。

ダイキン

わずか6分強の動画だが、まるで1本の映画を観終わったかのような感覚に陥る。わずか数分でここまでしっかりとストーリーを描けている作品はそうそう無い(しかも広告で)。中国クリエイターの底力が垣間見える。

オレオ

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世界広しといえども、赤いオレオが食べられるのは中国のこの時期だけなのかも。お皿に山盛りの赤いオレオはそれなりに画になるというか、映えるなあ。子供の演技も結構キレがあって地味に見応えがある。

テーマは「家族」

全体の傾向としては、「家族」をテーマにしている作品がとても多いですね。そもそもの慣習として、春節は家族一同集まって過ごすので自然な流れではあるのですが、それにしても特に強調している感があります。

中国の方にとって血縁はとても大切なものだということでしょうが、一方でテクノロジーの発達によって急速に昔ながら家族の絆が失われており、だからこそ家族をテーマにしたプロモーションが増えているという構図なのかもと勝手に思ったりしました。

なんにせよ、中国のクリエイティブパワーは格段に進化していますね。日本も負けていられないところです。






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