free「後編 推しに結婚報告ができました!」

 やったー!おめでとー!どんな人?どんな人??……嬉々として子供みたいに、はしゃいだであろう推しの顔が浮かんだ。……よかった。ホントによかった。私は何もしていないけど、こんなに嬉しい日はそうそうない。

 前編はこちら↓
https://note.com/shizuka_heart/n/n12e321531e8e?sub_rt=share_pw

 推しのイベント開催は13時からなのに、10時に召集した。時間のかかる人なのは前回のインタビューで知っていたし、バタバタしたくなかったから。観光客と親子連れと、オタクの集まる街のカフェ。チェーン店だけど、今日の主役が希望した店だった。
アラサーの保育士、オーバーサーティで5歳児の愛されママ、30歳にはきっとママになっているはずの向日葵。。。すべて私のインタビュー経験者達。あぁ、本当に良い子達が揃う。顔を見ただけで、今日の時間が有意義なことが分かる。
 少し早めに到着して付き添ってくれた向日葵が、ソファ席を確保してくれた。お見合いの仲介人にでもなったような、久しぶりの緊張を感じた。ゆっくりと、これからの不安を口にだしていく保育士。疑問はもちろん、結婚したら推し活がどうなったか、推しには伝えたか、子供には会わせたか。……それにてきぱきと、はっきりと、実生活の話を交えて話す愛されママ。興味深そうに話しに聞き入る向日葵。。。

 一枚の絵画のように、穏やかで温かい空間だった。ダークブラウンを基調とした店内。縦長に作られたカフェの3階は、他の客がおらず貸し切り状態。そこに流れるのは、遠慮なく本音の話ができる時間。ほぼ初対面なのにもかかわらず、私のインタビューイーであるという共通点だけ。それだけで充分だった。愛されママからの言葉は、不安にまとわれていた保育士の心も身体も温めていく。

 ここからは、私がいない方が良いと思った。いや、思っていた。最初から。向日葵を連れて、先に店を出ることは集合する前に決めていた。私がきいてしまったら、すべて書くと話してある。聞かない方がいいこともきっとある。それは私自身がそういう人間だからだ。知らないほうが、良いことが世の中にはある。ここは愛されママに任せることにした。

 1時間後「推しに結婚報告します!決心できました」……と報告してくれた。あぁ、こんないい日がある?あるわけないよ?そうそうあることじゃない、、、あぁ来てよかった。生きててよかった。幸せな報告をされる推しも、きっと嬉しかったよね?ね??

「すっごく喜んでくれました。どんな人?って聞いてくれて、、、

 『大和くんを応援することを応援してくれるとこです』って咄嗟に答えてて

これからもよろしくお願いします、、、って言ってくれました」


 あぁ、書いてるだけで幸せ。どうかどうかこの記事がNGになりませんように。どうかどうか「公開に進む」を押下できますように。そして推しと推しを応援するみんなが幸せになりますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?