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ランドセル


一年生の時、背が1番小さかった。
ランドセルには、砂を入れて通っていた。
正確に言うと、庭の砂をランドセルに入れ
その砂を、学校の砂場に捨て、
帰りは、学校の砂場の砂を、ランドセルに入れて
持ち帰り、家の庭に捨てていた。

チャイムがなると、教室には入らず
校庭の遊具で遊んだ。
お気に入りは登り棒だった。
どんな遊具でも、高い所まで登っていた。
大体、降りれなくなり、先生が駆けつけていた。

自分の靴が覚えられなかった。
お友達の靴を履いて帰っていた。
それから職員用の下駄箱に、 
自分の靴が置かれるようになった。
先生方と同じ下駄箱になってからは
間違えなくなった。

給食は残してはいけません。という学校だった。
掃除の時間も、放課後も、机ごとベランダに出され、食べ続けた。
どうしても食べられない時は、
机にパンを隠した。
時々、わたしと一緒に、ベランダで給食を食べていた、和泉くん。
和泉くんは、小さくはなかったけれど、
鼻水をよく垂らしていた。


二年生になった。背はまだ1番小さかった。
ランドセルには上靴と自由帳と筆箱と箸セットを入れて通った。

お友達と同じ下駄箱になった。
靴を間違えることはなくなった。


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