クゥ

ぼくの羽根は 
しろくて ふわふわしているでしょ
まだちいさい翼だけど 
5さいにしては りっぱだねって
みんながほめてくれるんだ

おとうさんの翼は おおきくて
ところどころに くろい羽根
はいいろの羽根 
しろい羽根 ちゃいろの羽根
いろんないろの羽根がまざっているけど
おおきくておおきくて 
かたくて りっぱだから
ぼくも おおきくなったら 
おとうさんの翼みたいに
かっこよくなりたいんだ

そとにでれば みんなの翼がちがうこと
ぼくは しっていたから
おおきい翼も ちいさい翼も 
すきまだらけの翼も
かたほうしかない翼も
みんなにはそれぞれ翼があって
いろも かたちもちがうって
ぼくは しっていたから
ヘンなのなんておもわないんだ
ところどころに くろい羽根があっても
いろんないろの羽根があっても 
それはぜんぶ しろい翼なんだって
おかあさんがいってたんだ
ぼくは そうだなっておもったよ

きみ、ねこなのに
翼があるなんて かっこいいね
ぼくとおなじ しろい翼だね
きみ、ここだけ羽根がないね
まってて、ぼくが なおしてあげる
こうしてやさしくなでて
やさしくやさしくって するんだよ
あったかいきもちになると 
また 羽根がはえてくるんだよ
あったかい？

ぼくも わるいことをしたり
いたずらしたり
かなしくなったり
ココが いたくなったり
さびしくなったり
ないてしまうと
羽根がぬけちゃうんだ
でもね、勇気と やさしいきもちと
あったかいきもちがあると
また羽根は はえてくるんだって
希望っていうものが
いちばんだいじなんだって
おかあさんが おしえてくれたんだ
だから、おかあさんが
わるいことをしたぼくを しかっても
ぎゅってして やさしくやさしくって 
してくれるから ココが あったかくなって
ぼくの翼はまた もとどおりになるんだよ
じかんが かかるときもあるけど
それもだいじなんだって
だからね、ぼく きみの翼も
なおしてあげられるんだ
あったかくなった？


きみ、なまえがないの？
ぼくがつけてあげる

ぼくの なまえはクゥ
クゥは勇気っていういみだよ
おばあちゃんが つけてくれたんだ
クゥは 勇気の天使だよって　
つよくて りっぱなことなんだって

そうだ！きみのなまえはナージャにしよう
すごいでしょ 

ナージャ ナージャ ナージャ

きにいったの？ ナージャ

ナージャ

ナージャってね、
希望っていういみなんだって
いちばん だいじだから 
なんかかっこいいんだ
クゥとナージャのおまじないも かんがえなきゃ
クゥとナージャが いっぱいいっぱい
でてくるじゅもんにしよう

あ、おばあちゃんがよんでるから いかなきゃ
こんどはミルクをもってきてあげる

　　　またね、ナージャ

僕の名前はナージャ
天使見習いのクゥがつけてくれた名前さ

遠い昔、クゥと同じ
僕にナージャと名前をつけてくれた
天使見習いの少女がいたんだ
ラルムという少女
ラルムは白くて美しい大きな翼を持つ
天使見習いだった
だがラルムの白い羽根はどんどん抜け落ち
最後の一枚は自分で抜いてしまったのさ
ラルムはもう死んでしまった
最後は絶望を希望に変えて




僕の名前はナージャ

ナージャ
そう呼ばれると
なんだか うれしくて 悲しくて 苦しくて
　　おかしいな、、、
胸が痛むんだ