クリスマス・キャロル
昨年から続けている「千静のうた絵巻」シリーズ。
5回目のタイトルは「クリスマス・キャロル」。
チャールズ・ディケンズの小説から採ったタイトルです。
ケチで人間嫌いの老人スクルージは、クリスマスが大嫌い。
クリスマスイブの日
自宅でのパーティに誘いに来た甥のフレッドを冷たくあしらい
寄付を求めてきた二人組もけんもほろろに追い返し
事務所の書記の休暇願いにも厭な顔。
そうして帰宅したスクルージのもとに
7年前に死んだ相棒のマーレイの幽霊が現れます。
長い鎖をひきずった幽霊は、これから3人のクリスマスの精霊が訪ねてくると告げます。
最初にやってきたのは、過去のクリスマスの精霊。
精霊に連れられてスクルージは、自分の子どもの頃のクリスマスを見ます。
そこには、まだ幼かった妹の姿もあります。彼女がフレッドの母親です。
成長してからの奉公先での楽しいクリスマスの夜、そして恋人と別れた日、
別れた恋人がやがて別の人と築いた幸せな家庭のクリスマス・・・
次にやってきたのは、現在のクリスマスの精霊。
賑わう町を通って、書記のクラチットの家を訪ねます。
家族が集まり、つつましいけれどあたたかい家庭、
その真ん中に末っ子のタイニー・ティムがいます。
スクルージの心に、病気の彼が長生きできることを願う気持ちが生まれます。
次に訪れたのは、甥のフレッドの家。
スクルージは彼らとともにゲームに興じます。
なんと楽しいクリスマスでしょう。
けれど、町には貧しい子どもたちも沢山いるのです。
最後にやってきたのは、未来のクリスマスの精霊。
町の人々は、死んだ誰かの話をしていますが、
誰もその人のことを好意的には話題にしていません。
そればかりか、死者の家から家財道具を持ち出し、
そのベッドのカーテンや着ていたシャツまでを
金に換えようとしている連中もいます。
一方、書記のクラチットの家は悲しみに包まれていました。
あの末っ子のティムが死んでしまったのです。
精霊は最後にスクルージを墓場に連れてきました。
示された墓碑に刻まれていたのは、スクルージの名。
さっき、町の人々が話していた死者は彼のことだったのです。
スクルージが目を覚ますと、それはクリスマスの朝でした。
彼はすっかり生まれ変わった気持ちで
昨日追い返した二人組にこれまでの分も合わせて寄付の申し出をし
書記のクラチットに昇給を申し渡し
甥のフレッドのパーティに顔を出します。
それからは、スクルージは世界で一番クリスマスの楽しみ方を知る人になったのでした。
さて
この物語を
今回は地歌《鉄輪》をメインとしたプログラムでアレンジをします。
どうぞお楽しみに🎄
2024.12.17.Tue.
千静のうた絵巻 vol.5 クリスマス・キャロル
@道頓堀ミュージアム並木座
14時半開演 入場料2000円
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