免疫力を上げる講座(9)~呼吸が浅いと感じる人は要注意!
<要約>
呼吸が浅い、なんだか息苦しいという人が増えています。これは自律神経の乱れからくる呼吸異常です。呼吸の異常は免疫力とも関係してきます。呼吸を調えるツボとマッサージをやって、呼吸を調えましょう!
(1)呼吸が浅い人が増えています
近年、治療をしていて、患者さんの呼吸が浅いと感じることが多いです。特にコロナの問題が発生してからは、呼吸が浅い人、息苦しく感じている人が目立つようになりました。
呼吸をすることは、身体の機能としては自律神経が関わっています。この自律神経が乱れる原因の一つが、ストレスです。ストレスが多かったり、心配事があったり、大きな悩みがあったりすると自律神経に影響して、呼吸が乱れます。
コロナの問題は、日々の生活に大きな不安を残し、先の見えないストレスが私たちの身体に少しずつ悪い影響を与えているのです。
※もちろん呼吸困難などの症状はコロナ等の呼吸器の病気の可能性がありますので専門医にご相談下さい。このブログで対象とするのは、呼吸が浅い、いつもよりなんだか息苦しく感じるという軽い症状を指します。
(2)気の流れと呼吸
東洋医学では私たちの身体は「気」でできていると考えています。
そしてこの気は身体の中をたえずめぐっていて、スムーズに流れていることが健康の秘訣です。
この気をめぐらす原動力の一つが呼吸です。
呼吸をすることで、気が身体の中を少しずつ流れ、良い呼吸をすることで、気は全身をくまなくめぐり続けます。
気の流れは、西洋医学でいう血流とも密接な関係があります。
以前のブログでもお伝えしたように、免疫力を高めるには、免疫細胞が血流に乗って身体の隅々まで早く行きわたることが大切です。
呼吸をしっかりして、めぐりの良い身体をつくることが、免疫力を上げるにはとても大事なのです。
逆に言うと、呼吸が浅いと、酸素が十分に入って来ないので、頭がぼーっとしたり、集中できなかったすると共に、身体のめぐりも悪くなるので、元気も無くなり、免疫力も下がってしまいます。
東洋医学では気のめぐりが良い事と感情面も密接に関係していると考えているので、めぐりが悪いと、気分が滅入ったり、ウツウツとしたり、逆にイライラしたりもします。
このように、呼吸は全身のめぐりに大きな影響を与えるのです。
(3)呼吸を調えるツボマッサージ
呼吸を調えるツボはいくつかありますが、今回は中府(ちゅうふ)というツボとデコルテマッサージをご紹介します。
中府はデコルテ部分の鎖骨の下で、肩の前あたりにある凹んだエリアにあります。(下図の赤丸の部分)
この中府というツボに親指以外の4本の指を当て、5回ゆっくり押しながら回します。そして5秒休み、また5回ゆっくり押しながら回して5秒休みます。これを5回繰り返して下さい。グリグリと痛い部分があると思うので、その部分は特に重点的にやってみて下さい。
その後、中府から少しずつ位置を身体の中心に移動しながら、グリグリと回しながら押して行ってみてください。(下図の赤い楕円のエリア)
この、中府のマッサージから、鎖骨の下を中心に向かってマッサージしていくと、呼吸を妨げていたコリが取れ、呼吸が吸いやすくなります。
(4)まとめ
呼吸は酸素を吸うという意味だけでなく、身体のめぐりとも大きな関係があります。呼吸を調えることで、身体のめぐりも良くなり、気持ちも明るくなるので、ぜひ中府のマッサージとデコルテマッサージをやって、めぐりの良い身体を作りましょう!
※セルフケアセミナーの動画!
呼吸が浅い、息苦しい人のために、セルフケアセミナーの動画を作りました。このブログの中府とデコルテマッサージだけでは症状が治らない人、また呼吸を調える方法をもっと色々と知りたい人は、ぜひご覧ください。