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免疫力を上げる講座(5)~免疫力の最前線を支援しよう!


<要約>
胃腸と免疫力は密接な関係にあります。東洋医学には胃腸を整えるツボがあり、このツボを刺激することで、免疫力をUPさせることができます。

1.胃腸と免疫力の関係

人間がウイルスに感染する経路は色々ありますが、口や鼻から体内に入る場合が多々あります。

今回の新型コロナウイルスの問題で、「手洗い」が重要視されているのは、まさに手で触ったものにウイルスが付いていて、それが口や鼻から入ってしまうのを防ぐためです。

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口や鼻から入ったウイルスは、腸を通じて体内に入ってきます。そこで、この腸で外敵が入ってこないように頑張っているのが腸管免疫と呼ばれるものです。

一説では身体の免疫機能の60%は腸に存在するとのことで、生体防御の最前線として腸の免疫が頑張ってくれているのです。

昨今、腸内環境を整えることが、健康に繋がるといわれるのは、これが原因です。

<参考文献>
・「腸管免疫と腸内細菌の密接な関わり合い」,大島茂・渡辺守,『日本内科学会雑誌』104巻1号
・公益財団法人腸内細菌学会HP

2.胃腸を整えて、免疫力をUPさせる2つのツボ

東洋医学では腸を整えるツボが沢山あります。

その中でも胃腸を整えて免疫力をUPさせるツボとして有名なツボが2つあります。

(1)足三里(あしさんり)

足の脛の骨の外側で、膝小僧(膝のお皿)から指4本分下の、押すと気持ちよいところにあります。

脛の骨よりも指2本分ぐらい外側の方にとると良いです。

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このツボは胃腸を整えるツボとしては最も有名なツボで、多くの実験で胃腸への良い効果が立証されているツボです。

このツボはお灸をしても効果がありますし、押すだけでも効果のあるツボです。

押す場合は、5秒押して5秒休む、を10セット、左右の足の両方を行うと良いでしょう。

(2)手三里(てさんり)

このツボは、実は大腸と関係するツボなのですが、喉の痛みなどの鼻から喉にかけての症状、いわゆる粘膜系に効果があるツボで、腸や粘膜に関係するという意味では、感染症対策としてはとても有効なツボと考えています。

このツボは、肘のシワから指3本分、手首側に行ったところにあります。(赤印のところ)

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このツボも足三里と同じで、お灸も押すのも両方効くツボです。

押す場合は、5秒押して5秒休む、を10セット、左右の足の両方を行うと良いでしょう。

3.もちろん胃腸に良い食生活も

胃腸を整える方法は様々な所で説明されていますので、ここでは詳しくは書きませんが、暴飲暴食は控える、規則正しい食習慣、発酵食品を積極的に取るなどは、絶対に気にしておいた方が良いです。

もちろんストレスを溜めないことも、胃腸に良い効果をもたらします。(ストレスと胃腸に関しては、また機会を見つけてまとめたいと思います)

4.まとめ

胃腸には身体の免疫機能の60%が集中していると考えられていて、胃腸を整えることが免疫力を上げることに繋がります。

東洋医学のツボである足三里、手三里は、腸を整えて免疫力を上げてくれる効果があるので、積極的に押したり、お灸をしたりして、ウイルスに負けない身体を作っていきましょう!



<執筆>
表参道鍼灸マッサージ治療室 自然なからだ
院長 手塚 幸忠
《東洋医学とツボの専門家》
 新医協東京支部鍼灸部会 会長/臨床実技講座講師
 東洋医学臨床勉強会 会長
 一般社団法人 経絡リンパマッサージ協会理事
 関東医療学園 関東鍼灸専門学校 講師
 日本伝統鍼灸学会 学術部
 全日本鍼灸学会会員
 健康経営アドバイザー




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