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オハジハラスメント(オヤハラ)

 パワハラ、セクハラ、アカハラという言葉は世間に浸透しているが、オヤジハラスメントとう言葉は無い。
 オヤジは加齢ゆえに起こる体の変化をしばしば非難される。体臭、薄毛、フケ、耳毛、凸腹が代表的な自然現象である。普段から清潔に保ち、不摂生な生活をしなければ、ある程度これらの自然現象は防げる。しかし、オヤジは何せ時間に追われている。朝は6時に起床し、朝から晩までは蟻んこのように、かつ様々な理不尽に耐えながら働き、最悪の場合は飲み会に駆り出され、帰宅はしばしば午前様である。土日は家族サービス、生活環境のメンテナンス等でなかなか自分の体を労わる時間がない。耳毛などは数分の処理で解決できるが、体臭や薄毛、フケ、腹の改善にはそれなりの時間と知識、金と努力が必要である。そもそも体質が変わるので、完全には改善できない。それを「汚い」、「くさい」、「うざい」と非難されるのだから居たたまれない。もう、ある程度はそうゆうものだと思って我慢してもらいたい。女性だって体や体質の変化くらいあるであろう。世の中の大抵の男はジェントルだから、女性の前でその変化を非難することはない。男女平等というなら、女性も男性に対してジェントルとなるべきだ。
 女性がオヤジを非難する理由は体の変化だけではない、オヤジになると妙に自信や図太さが磨かれ何事にも動じなくなってくる。一方で様々な経験に基づく理論や仕事のやり方には説得力や合理性がある。ジェントルな男性はそれを表立って主張することはない。しばしば遠まわしに伝えようとする。しかし、薄毛のオヤジ体形がこのような言動をした場合、しばしば若い女性から「うざい」と言われる。磨かれた部分やジェントルな部分が「うざい」と思われるのである。若い男がこれと同じことをした場合は、「イケメン」ともてはやされるだろう。
 オヤジは、所詮、蟻んこのように働き、種を残し、消え、忘れ去られる存在である。しかし一瞬輝く流れ星になることこそ男の本望。オヤハラなどを気にしないで生きたいものである。


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