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長岡のロボットベンチャー経営者の日記 | 2024/02/18 | 色々考えた休日。

最近、長岡はこの季節にしてはとても珍しく、晴れの日が続いている。
とても暖かくて驚いている。
どうしたんだ。。もう春来てる!??

今日はオフィスの掃除をしていたら気づいたら終わった。。
くらいに何も無いような気がする日だった。

補助金準備

相変わらず今日も、迫っている補助金の提出準備をした。

考えたこと2つ

以下のようなことをぼんやり考えていた。
毎日考えてはいるが、時間がとりやすい日ととりづらい日がある。
休日は、色々考えたり、調べたりするチャンスだ。
暖かな昼下がりに散歩しながら、洗濯をしながら、コーヒーを飲みながら、ゆっくり考えることができて良い休日だった。

1.今を変えることにこだわり続けつつ、現状と理想の差分を埋め続ける

今のFieldWorksのロボットについて考えつつ、もっと未来の姿も考えている。
今を現状、未来を理想とすると、「現状と理想の差分を埋めていく」というのを続けるつもりだ。
(これは会社に関わらず人生なんでもそうだと思うけど。)

理想に到達してから市場投入をするつもりは無い。
今を変えられないと意味がない。
開発に10年かかるのは結構。でも、10年後に市場投入します、は絶対やらない。

大きな理由としては2つある。

1.タイムリミットが迫っているから
特に日本農業は、あと5年も持たずに様々な場所で瓦解が起こると考えている。
これは統計上明らかでもあるし、実際、知り合いの農家でも危機感をつのらせている人が多くいる。
また、これは他の業界でも同様の流れだ。
データ・科学に基づいた成功事例をたくさんつくることが重要だ。
↓ これについては、この間書いた内容とリンクしている部分がある。

2.未来に進むにつれて現状も変わり続けるから
進んでいく途中で外部の状況は変わっていくし、進むことで見える事実もある。そのため、今から市場投入し、変え続けることが必要になる。

「今を変える」ロボットも、「未来を変える」ロボットも両方必要だと考えている。

まず、製品を社会実装するためには、2つの要素が必要である。

1.開発面:課題を解決できる筋の良い方法、本当に実現できるか?等
2.ビジネス面:市場に実際に投入する、普及させる等


「今を変える」ロボット
とにかく今すぐに、課題を解決できることにこだわる。
今すぐというのは、この1年(1シーズン)以内に成果に繋がるということだ。
これができると、
・農家も今が改善される→完全ではないが、課題解決になる
・FieldWorksとしても、今を改善した実績ができあがる

だから、これが未来を変えるロボットにも繋がってくる。

「未来を変える」ロボット
本当の理想世界を実現するためにこだわる。
ここでは、現状をもとにしたビジネス面については考えることをやめる。
とにかく、理想を実現することにこだわる。
しくみも含めて、きちんとした連携が実現できていることが条件。
こうして2種を並行して開発していったうえで、将来的には、市場に投入・普及した「今を変える」ロボットの方を、ようやく実現した「未来を変えるロボット」で後から置き換えていくことも可能になる。

2.農業の業態が変わる?

前提

農業は、他の業界とあまりに違う部分が多い。
そもそも、労働方式が他の業界と異なる。

・労働時間:定時、完全週休X日、有給休暇という概念
・労働場所:リモートワーク可
・経営体:超大規模企業(エンタープライズ)が無い→出現の可能性

仮説

そうした中で、農業もやがて、他の産業のような業態に変化していくのだろうか?という可能性に気づいた。
こうした常識や慣行は、生産力や生産方式が変わることで、同時に変化していく可能性がある。

他の産業を見ているとあまりに当たり前すぎてその特殊性を忘れてしまうが、これは人類が比較的後期に実現した努力のたまものの成果なのであると考えている。
以前も、農業の特殊性について、似たようなことについて書いた。

近代工業活動と農業活動の圧倒的な違いは、「環境をコントロールできるか否か」という部分にある。

長岡のロボットベンチャー経営者の日記 | 2024/02/12 事業の方向性の議論/農業の特異性に関する仮説

その際は、「農業にロボットを持っていく難しさ」と、「そうした環境でも役立つロボットとは?」という考察だった。
しかし、考えてみると、「農業自体の構造が変化する」という可能性もある。
他の産業のように、いわゆる「近代工業活動」的になっていく可能性もあるのである。
それは、人々の意図による部分かもしれないし、自然な成り行き(人が少ないからやらざるを得ない、機械化の流れ)なのかもしれない。
いずれにせよ、変化が起こってもおかしくない。

そして、そうした世界になったときのあり方は?
逆に、そうした世界へどう進められるのか?
世界と、そして我々は、こうしたことへも対応していく必要がある。

きっかけ

「農業の業態が変わる?」というお話を思いついたきっかけは、ある経営者のnoteを見ていたことからである。

最近は、色々なスタートアップ企業の経営者の方がnoteを書いてくださっている。
自分は、業種問わずスタートアップや技術に興味があるため色々と拝見している。
よく見ているものの1つが、 LayerX の福島さんのnoteである。

このnoteを見ていたとき、「そういえば多くの分野では、大規模な組織・超大規模な組織って当たり前にあるよな。でも農業ってそういうの無いな??」と気づいた。
※またこのnoteは、LayerXさんの戦略をはじめ、他社の決算資料を多数引用しつつ、FinTech領域のSaaS中心に、toBサービスの業界状況も紹介されていて、大変勉強になります。興味があればぜひ!

このnoteで引用されていた、チームスピリットさんの以下決算資料で示されているように、toB(ビジネス向け)の領域では、よく「エンタープライズ」「ミドル」「スモール」なんて3段階で区分けされることが大半だ。
(当然その中にも区分はあるが)

チームスピリット2024年1Q決算資料 pp.33 より

一方、農業はそうではない。
例えば、人を雇用した農業経営体数と雇用者数の関係を見てみると、新潟(全国)では以下のようになる。

雇い入れた実経営体数 : 919件 (36,563件)
実人数 : 4399人 (156,777人)
→ 平均4.79人/経営体 (4.28人/経営体)

2020年農林業センサス | 44 常雇いの状況

1経営体で、平均して5人弱程度ということになる。
もちろん、経営体の数ごとに雇用者人数も大きくことなるとは思うが、これは他の業種と比べても低い数字になる(と思う)。
(日本の企業全体で、ざっくり労働人口6,902万人、企業367万社とすると、18.6人/経営体になる。かなり平均が違いすぎる。)

正直なところ、現段階で「農業における雇用者数規模ごとの経営体数」をまだ発見・集計できていない。
農業は、農地規模で集計することが多いため、当たり前といえばそうだが、なんとか見つけられないかなと思っている。

この観点は結構興味深い個人的発見だったな、と思った。
引き続き宿題にしたい。

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