「面白い」を理由にゲームを買う人はいない
こんにちは!
「仕様です。」(@shiyoumasayume)という名前でSNSをやっているゲームプランナーです。
普段は都内の会社でコンシューマー向けのゲームを開発しており、ディレクターやプロデューサーのふわっとしたイメージを具体的なゲームデザインにおこす仕事なんかをやっています。
今日は「人は何を動機にゲームを買うのか?」という話を書いてみたいと思います!
人がゲームを買う動機
先日、ゲーム業界ではたらく方々とラジオ風味に座談会をさせてもらう機会があったのですが、リスナーの方からこんな質問をいただきました。
「自称面白いゲーム(流行らなかった)とならないためには、どういった点に気をつけてますか?」
面白いものをつくったつもりでも、いざリリースしてみるとそれほど人に遊んでもらうことができなかった…というのはよくあること。
それを回避するためには、一人よがりだったり身内ネタに寄り過ぎない、客観的な面白さをつくる必要があります。しっかりターゲットを意識して、そこに向けてゲームデザインをブラッシュアップするとか。
ただ、そういった面白いものをつくることは前提で、僕はその上で届ける工夫もした方が良いのではと思っています。
「本当に面白いものをつくれば結果はついてくる(自然と良さが広まって売れる)」
こんな考えもあるかと思いますが、個人的には、それが行き過ぎてしまうと実際の環境のことを無視してしまう気がしているんです。
なぜなら、(これはパッケージ販売されたゲームの例ですが)人は「面白い」という理由でゲームを買うことはできないからです。
面白いと判断するにはそのゲームを遊ぶ必要がありますが、遊ぶ前にまずお金を払う必要のあるパッケージタイトルにおいて、面白いかどうかを事前に確かめるのは構造的に不可能なんです。(既に遊んだことのあるゲームの再購入は除く)
正確に言うならば、「面白そう」という理由でゲームを買っているんですね。
このあたりは映画館で映画を観る構造とまったく一緒だと思っていただければ、わかりやすいと思います。
存在を知らないゲームは買えない
というわけで人は「面白そう」という理由でゲームを買っています。
なので、作ったものが客観的にみて面白いゲームだったとしても、「面白そう」のところを満たすことができなければ全く売れない、なんてことも。
遊びの印象が難解すぎるとか、デザインが魅力的でないとか。
ただしこれらは「面白くなさそう」という既にゲームを認識した段階でのマイナス評価で、それより以前に「そのゲームを知らない」なんてこともあります。
・知らないから、面白そうと思えない
・面白そうと思えないから、買わない(買えない)。
こんな具合に。
面白そう、面白くなさそう、の話ではなくて、こんな具合に評価の土俵にすら上がることができていないというものです。
すごく当たり前なことを言いますが、人って、
存在を認識していないものは買えないんですよね。
「面白そう」の判断基準って
というわけで、「自称面白いゲーム(流行らなかった)」とならないためには、こちらから情報発信をして面白そうかどうかの判断をしてもらいに行くことが重要だったりします。
・どんなゲームか
・誰が作ったゲームか
・誰が遊んでるゲームか
人が「面白そう」と判断する基準はだいたいこの3つだと僕は考えていて、自分の作ったゲームをしっかり届けたい人はこの要件を満たせる情報を発信していくのが良いと思います。
① どんなゲームか
・SNS上で作品を告知する
・ゲームの楽しみどころがひと目で分かるスクリーンショットを発信する。
・プレイ動画を用意して発信する。
・ゲームのメイキングを発信する。
→ゲームの存在を認知させ、遊ぶ前からゲーム体験を予想させる。
② 誰が作ったゲームか
・SNS上でゲーム開発者として発信し、フォロワーを増やす。
・ゲームのメイキングを発信する。
・他のゲーム開発者を応援し、自分のクラスタを形成する
・人のゲームを遊び、応援する
→遊ぶ前から「この人が作ったんだからきっと面白い」と予想させる。
③ 誰が遊ぶゲームか
・作品に対するレビューやコメントを依頼する。
・「〇〇向けに作りました」とターゲットを明確に発信する。
・遊んでくれた人数や評価数など数値を発信する。
→遊ぶ前から「この人(たち)が楽しむならきっと面白い」と予想させる。
③はいわゆる口コミにあたるもので、遊んでくれる人がいる前提です。
自分の代わりに宣伝をしてくれる人がいるか、というのはそれなりにハードルが高いため、個人開発を始めたばかりの人や知名度のないチームは①と②を中心に取り組んでみると良いのではないかと思います。
特に他のゲーム開発者の方を応援することで同じような人が周囲に集まり、いざ自分がゲームを開発してリリースする際も人の目につきやすくなります。(そして③につながっていく)
届け方の評価とゲームの評価は別
人から「面白そう」と思われるためにはまず、届ける事が必要です。
リリース後のDL数や閲覧数を見て
「全然人に遊ばれなかった、だからこのゲームは面白くないんだ」
という解釈をしてしまう人もいるのですが、DL数や販売本数、閲覧数はあくまでゲームの届け方に対する評価です。
遊ぶ人が少なくても、それは作ったゲームの面白さに対する評価ではありません。
作って、届ける。世にモノを送り出す場合はこの2つをセットで考えていた方がいいんじゃないかなと思います。
というわけで
「面白い」を理由にゲームを買う人はいないという話でした。
「本当に面白いゲームなら自然と広まっていく」という言葉を紐解いていくなら、「本当に面白いゲームだったらそれを遊んだ人の口コミでどんどん広まっていくよね、宣伝とかしなくても」ということだと思います。
しかしゲームをリリースするだけで「面白そう」と思ってもらえる難易度はこの時代すごく高いんですよね。
気づいてもらうためのハードルが現実的に存在するので、自分から人に届けるということも考えたほうがいいんじゃないかなあ、ということを書いてみました。
宣伝にかけるべき労力というのは自分のリリースしたものを人が認知するための導線がどれだけ存在しているかを考えてみればなんとなくわかると思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
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