【質問箱】疲れた日の仕事は
こんにちは。皐月です。
今日は一日打ち合わせもなく、原稿を書いて髪を切って原稿を書いて本を読んで原稿を書いてお料理をしていたら真夜中になっていました。こういう日もある。
毎週水曜日の19時に伊瀬ハヤテと一緒に傷だらけのラジオ、というのをstand.fm でやっているのですが、私がバタバタしていて3週間ぶりの配信になりました。テーマは読書。嬉しいことに今日はお便りを2通もいただいていたので、自分たちの本の紹介もしつつ、他の人たちの読書に対するお話も聞けて充実していました。
ラジオの中で、最近傷ラジがないから、私と伊瀬が仲が悪くなったのではと言われている、という話題が持ち上がっていてウケました。心配してくださって嬉しい。ラジオでも言いましたが、私たちは大抵のことでは仲が悪くなることはない気がします。
何でかって言うと難しいんだけど、難しいからこそ「友だち」なんじゃないかなと思う。理由もなく延々と二人で喋っていられる仲の良さというか。
伊瀬がいるから今日までやってこれたな~とよく思うし、私も伊瀬にそう思われていたら嬉しいです。
さて、このnoteは、質問箱に送ってもらった質問やお題、テーマに合わせて私がつらつらと物を語る場所です。夜中眠れなかったり、Twitterを見すぎちゃってダメな時に開く場所なので、不定期更新ではありますが、お付き合いください。
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ということで、今日頂いたお便りは
「バイトの後(夜)にコンクールのためのシナリオを書くのですが全然はかどりません……泣 皐月さんは疲れてる時に執筆する際、何か意識していることはありますか?」
とのこと。
昨年末まで週5でバイト生活をしていたので、バイト後疲れちゃう気持ちは分かります。なので私はバイトの始まる10分前まで、バイト先の喫茶店などでガガっと原稿をやることが多かったです。
帰ってからも、バイトでアドレナリンが出てしまって寝れないので、結局朝まで原稿をやっているときもありました。
先ほど話題にあげた伊瀬によく言われるのですが、私は「忙しくないと将来が怖くなって目の前が真っ白になってしまう」、いわゆる最近流行りの空白恐怖症というやつなのだと思います。
だから、疲れていたり忙しすぎるくらいで、ようやくいろいろなことへのやる気が出てくる状態です。なので、原稿の仕事がない時には、去年のように週5でバイトを入れることで、「忙しさ」で心の安定を図っている……。まったく不健康な状態だとはわかっているのですが、心はとても安らぐので仕方がない。
質問してくださった方は、シナリオコンクールに応募されているということで、おそらく明確な締め切りがあるのに書けないことに焦りを覚えているのだと思います。
しかし同時に、シナリオコンクールに出していないからと言って、収入が無くなったりするわけではない。仕事ではなく、あくまでチャンスをつかむための機会だから。
こうなると、普段の生活をきちんと成り立たせる方がもちろん最優先だから、シナリオを書く気になれないのでしょう。その気持ち、めちゃくちゃ分かります。仕方のないことだと思います。それを「覚悟がない」と批判する人がもしいたら、ちょっとブラック気質すぎると思うし。引いちゃうかも。
質問者さんは、「マズローの欲求五段階説」というものをご存じでしょうか。(この記事の一番上に画像を載せました)
人間の欲求というものは、大きく分けて5つの階層に分かれ、1段階目を充足すればようやく2段階目を、それも満たして次の段階へ……と進むと言われています。というよりは、そうしていかないと、人生のバランス自体が揺らいでしまうので、参考にしましょう、と言う程度の認識で大丈夫だと思います。
その、マズローの欲求五段階説には、下記の通りの段階があります。
・生理的欲求(ご飯を食べるとか、生きるために最低限必要な事)
・安全欲求(住居確保など自分の生命を脅かされない環境にある事)
・社会的欲求(仕事や人間関係などの、外部とのつながりを持つ事)
・承認欲求(誰かに認められたいと願い、称えられる事)
・自己実現欲求(自分らしさを追求し、人生において実践する事)
原始的な欲求である「生理的欲求」を一番下の段として、ピラミッドのようにこの欲求段階を示す図を見たことがあるでしょうか。
このピラミッドがこのような形として表されるのは、「より原始的な欲求を満たしていない状況において、それ以上の欲求を叶えることはできないから」ではないかと思っています。
まず、飢えていては、住居確保などに至るための発想に至らないし、命の危険がある中で、誰かとの人間関係を円滑に……なんて余裕はない、というように、次の欲求段階を叶えるために必要な要素が、下に示されている。
質問者さんは、現在シナリオコンクールに応募されている、ということで、この「シナリオを書く」という要件は、「承認欲求」「自己実現欲求」に値するのではないかと考えられます。
それに対して、アルバイトは「生活をするため」の下段3つを満たしているもの。
となると、現在その下段3つで疲れている状態の中で、「自己承認欲求」を満たすには、相当の苦労が必要なことが分かります。
※私の場合は、現在これでご飯を食べているので、「生理的欲求」から「自己実現欲求」までにシナリオ執筆業務が関わっていることになるでしょうか。
つまり、働くことで疲れているのに、無理にシナリオを執筆してしまうと、下の3段を破壊することになりかねない危険がある、ということです。無理に疲れた体に鞭を打ってシナリオを徹夜で書ききったとして、次の日の仕事でミスをして信頼を失ったり、ひどければ仕事を失ったりしては、意味がない。
あくまで自己承認欲求とは、「生理的欲求」から「社会的欲求」の土台を、しっかりと立てた上で満たすべきものとなります。
さて、しかし質問者さんは「それでもシナリオを書きたいんだ」「脚本家になりたいんだ」と思われることでしょう。そうなると見直すべきは「現在のアルバイト」なのではないかと考えます。
シナリオを執筆する、というライフワークをこなすためには、現在のアルバイトの業務内容の負担が重すぎる、という可能性です。これは人によって、力仕事が苦手だったり、頭脳労働であったり、人間関係だったり、疲れる要素は様々ですが、「両立」させるための片翼が、シナリオとつりあっていないのではないでしょうか。
「プライベートで脚本を書く時間を割く」ために、必要な仕事の条件は、なんでしょうか。
生活をするための賃金。シフトの融通。心を守るための人間関係のクリアさ。色々ありますよね。それを改めて整理し、質問者さんが最も働きやすい環境について、まずシナリオを書く前に考えるのが私はいいと思います。
※これはあくまでも、質問者さんがアルバイトをされている方だからです。会社員をされている方なら、私はまた別のアドバイスをすると思います。
アルバイトをして生活することはとても苦労しますが、一方でアルバイトには「いつ何時でも、自分がやりたい仕事をするために、職場を変えることができる」というメリットがある、と考えています。(これは両親からの教えの影響が強いです)
夢を本気で実現したいのなら、私だったらきっと、今の仕事、今の状況を変えるために何ができるかを考えるかも……。
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さて、次に私が疲れている時にどんな対策を講じるかですが、私は「完全に書くことをやめる(1日または3日ほど)」ようにしています。
私は、生活をするために脚本家をしています。脚本家をするために、体調を崩したり、寿命を縮めたりするのは本末転倒。なので、心身が参っているなら、その回復に努めます。
締め切りがキツい時はそれでも仕事をする場合がありますが、どうしても苦しい時は、一度友人に電話をさせてもらって、関係ない話をして元気をチャージします。気分転換ですね。
私は「仕事=社会とつながるためのツール」だと思っているので、「仕事をしていない状態=孤独死」みたいな、極端なことをすぐ考えてしまう性格です。だからこそ、仕事がうまくいかなくても、ちゃんと心配してくれたり、仕事が無くなっても友だちでいてくれる人の存在を確認することで「私は大丈夫」と自分の機嫌を取ることができる。
そうやってご機嫌になると、さあ、仕事をするぞとまたエンジンをかけることができます。
毎週やっているラジオも、その元気のチャージ場所としてとても重要な役割を担っています。
別に、趣味をするとかでもいいんです。とにかく、「やるぞ」と気持ちをアゲることが最優先。そうならない時に書いても「どうして自分はこんなにできないんだ」と自己嫌悪に陥るのに忙しくなって、文章なんて書けないと思うから。
一番大事なのは、自分だと思います。
自分を愛して、可愛がって、世界をキラキラと輝かせてくれる人の書いた物語を、私は観客として切望します。
シナリオコンクールがすべてでもありません。私は大学3年生からコンクールには出していないし、賞も一つも持っていませんが、今脚本家をしています。本当に、今自分が知っているルートだけが、夢を叶えるルートなのか。今の生活のままで、本当に夢は実現できるのか。
シナリオを書く前に必要なのは「生きること」です。生きることについてきちんと考えたうえで、もし、将来本当に脚本家になれた時、きっと質問者さんの土台は、どんなに高い塔を建てても揺らがない素敵なものになっていると思います。
ということで、今日はここまで。
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