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こんな猫、初めて(笑)。。。絵本『おなかのかわ』

『おなかのかわ』福音館書店

瀬田 貞二 再話 / 村山 知義 絵

この表紙で、このタイトル。よく見たら、猫のおなかから兵隊さんが出てきている!?一体どんなお話なんだろう??

今回ご紹介する絵本は、インパクトがある表紙に惹きつけられて選んだ、この一冊。

40年以上も愛されている作品

今回紹介する絵本『おなかのかわ』、私は初めて読んだのですが、実は1975年に「こどものとも年中版」で発行され、特製版の初版は1977年とのこと。40年以上も愛され、読みつがれてきた絵本なのですね。

長く愛されている絵本には長く愛される理由があるもの。これは読んでみなくてはわかりません!

ナンセンスなのがいい

では、どんなお話なのか。

これが、なんとも言えない不思議なお話なのです。簡単にストーリーを説明しますと・・・

ずるがしこい猫が友達のオウムをだまして食べ、そのあと、おばさん、ロバと馬方、王様とお妃様、兵隊たちと象の群れを次々に平らげてしまう。しかし、最後に食べたカニたちが猫のお腹のかわをハサミで切って、みんな無事にお腹から出てくる。めでたしめでたし・・・!?

おもしろいし、なんだかとっても変わってますよね!

爽やかな読後感

ストーリーが変わっているだけでなく、お説教のような教えがないのがこの絵本のいいところ。それどころか誰も猫を罰することもなく、猫が報いを受けることもありません。もちろん、猫に騙されたオウムや小言の多いおばさんは文句を言いますが、それ以上のことは何もせず、それぞれがいつもの日常へ戻ります。ただ、それだけ。

強いて言うなら、猫が自分のおなかのかわを縫いつけるのに一日かかって大変だったというだけで、淡々とクールに終わるので、読後感はたいへん爽やか。そして何より、子供たちへの教訓のようなものがないので、とても軽く、面白く、でも心に残る絵本です。

読み聞かせのポイント

・読み聞かせ時間は、約8分半
・絵が鮮やかで大きいので、小学校のクラスなど、30人程度の読み聞かせでも大丈夫そう。
・ストーリーが単純で、猫がどんどん食べていく面白さがあるので、年少児でも十分ついてこられる
・集中力を保ちつつ、子どもたちの気分転換にも使えそう。

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