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六月の薔薇



家を囲むように咲かせた薔薇を
いつも羨ましく眺めていた。


様々な種類と色とりどりの花弁。
一朝一夕では完成できない
人の手間暇の要る生命の饗宴。

その過程までもが羨ましく思えていた。



いつの頃からか目で楽しませてもらってきた薔薇を
香りと共に手に取ることができるようになった。

心優しいお姉さまのお陰である。


貰ってくれてありがとう。


彼女はいつもそう言って大切に育てた薔薇を
手折って渡してくれる。


その素直な美しい心持ちを
つくづく見習いたいと思う今日この頃。



お姉さまは今日から入院して
手術を受けるのだという。


どうか無事に終えることができますよう
痛みが軽く済みますよう
密かにお祈りしています。





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