桜花(さくらばな)

絶世の美の桜花、それはあまりにも美しい一本の木を後世に残す為に交配出来ぬ定めを接木として増やしたクローンだから。
故に同時に咲きて同時に散る美をも纏う唯一の存在となった、見渡す限りの桜花。
どんなに沢山咲いていても永遠に孤独な理由に、人は悲しみをも感じるのだろうか。
そして私は何処かで最初の一本が、まだ密かに咲いてる夢を見る。
美しくとも受粉で繋げぬ定めでも、また桜花は咲き刹那に散る。

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