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9月を生きのびるために





今年の夏休みは短い。

何故なら、1か月の教育実習を挟んでいるから。

あと1週間で黒板を背にして、たくさんの子どもの前で授業をする。10人の前でやる模擬授業でさえ緊張して泣いたこのわたしに、果たして45分の授業ができるのだろうか。


教師にならないわたしが「先生」と呼ばれる最初で最後の1ヶ月が始まる。


担任するクラスは1年生。

事前見学に行った時、腰にも満たない身長のきらきらしたたくさんの目が「せんせい?」と寄ってきて、あっという間に身動きがとれなくなって、
その尊さに心が変な音を立てながら捻れた。1年生って、こんなに小さかったっけ。こんなに純粋だったっけ。

1年生の担任になったよ、と友人に言うと、みんな口をそろえて
「詩雨にぴったりやな~、よかったなぁ」と言ってくれた。
そして、「きっと楽しいよ、大丈夫だよ」と。

実習のことを考えるたびに不安でいっぱいになって浅い呼吸を繰り返していたけれど、その言葉でほんの少し息がしやすくなった気がする。


そして、実習を乗り越えるために、わたしはたくさんの計画を立てた。

まず、一週目の土曜日に母が料理を作りに来てくれる。
忙しいと食が疎かになりがちなわたしを心配してくれているのだ。
ずっとわだかまりがあったけれど、少しずつ、時間をかけて親子に戻れてきている気がするよ。ありがとう。

二週目。先に実習を終えている友人が家に泊まりに来てくれる。
友人が実習中にご飯を作ってあげたお礼に、お菓子パーティーをして話を聞いてくれるというのだ。

そして三週目。一緒に実習に行く友人とご飯に行く。
愚痴をたくさん言い合おうね、朝までかかるよきっと。
そう言って笑いあって、頑張ろうねと頷き合った。

四週目、実習終わりの日。
同時期に実習に行くみんなとお疲れ様会を開く。
この時、達成感いっぱいでいられたらいいな。

そして実習が終わったら、だいすきな親友と旅行に行く。
猫カフェにも行くし、いつものトリキで同期飲み会もする。
10月もたくさんの楽しみな予定がぎっしり。


ここまで来たら、あとはもうやり切るだけ。
泣いても笑っても、きっと教壇に立つのは最後。

…気が変わって教師になりたいと思ったりするかもしれないけれど。

まぁ、その時はその時考えることにする。
そう思えるくらい楽しめたなら、それが一番。

自分を信じて、と言えるほど自分に自信はないけれど、
自分らしく、笑顔で子どもたちに関わっていけますように。
そして一人一人にまっすぐに向き合っていけますように。


がむしゃらでもなんでも、なんとか9月を生きのびてやるぞー!!

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