【滋賀県】余呉湖一周サイクリング(2024/05/29)
琵琶湖周辺を訪れたとき、いつも気になっていたけど立ち寄る機会がなかった余呉湖。今年こそはと行ってきました!
賤ヶ岳合戦古戦場に近く、有名な天女の羽衣伝説、菊石姫伝説、さらに菅原道真誕生伝説まで?! なかなか奥深いことになりました。
地図を眺めていて、ふと「余呉湖を一周する道路は、大型キャンピングカーには狭いんじゃないか?」と思い立った。
ならば歩いたらどれくらいかな?と調べたら、一周3時間くらいかかりそう。今日は、そんな時間はない。
すると、余呉駅にレンタサイクルがあるという情報を発見。
周辺の駐車場を調べて、『余呉駅・観光用駐車場』へ。停められるかな〜という心配は杞憂でした。誰もいない。
駐車場の看板、「無料」までしか読まなかったけど、今(執筆中)気づいた。「次のような場合は駐車をお断りします」の中に「中型・大型車両(ダンプ・トラック等)」の文字が。
今日は誰もいないし…大丈夫だよね。
余呉駅まで歩いて行ってみると… とても小さな駅です。まさか無人じゃないよね?
不安になりつつ待合室に入ると、これまた誰もいない。窓口で「すみませーん」と声をかけると女性が現れました。電車と関係ない時間に訪ねてくる人は珍しいのでしょう、向こうもビックリしたみたい。
一応、先程の駐車場にクルマを停めたことを報告。ぜんぜんオッケーでした。むしろ一人でキャンピングカーで来た方に驚かれました。
「レンタサイクルお願いします」
「あっ、はい自転車ですね! 電動アシスト付き自転車は1日 1,000円、普通の自転車は500円、どっちにしますか?」
「そんなにアップダウンが激しそうには見えないんですけど、どうでしょうか?」
「そうですね、そんなに勾配はないですよ」
「じゃあ、普通ので」
借りる際に書類に住所氏名電話番号などを記入するのですが…
「熊本?! そんな遠いところから、ようこそ!!」
とっても明るい女性で、「熊本には大昔に修学旅行で行ったんですよ〜」などとお話してくれました。
レンタサイクルは余呉駅の他にも長浜駅、虎姫駅など複数箇所にあり、他駅で乗り捨ても可能です。追加料金は800円でした。
構内においてあった『余呉駅 駅からまっぷ(長浜観光協会 発行)』をいただく。3ツ折りで、中は手描きの可愛らしいイラストマップです。余呉湖と、その周辺の見どころがたくさん紹介されていました。
さぁ、余呉湖一周サイクリングへ出発!
自転車に乗るのは久しぶりです。
撮ったはずの『余呉湖 観光館』の写真が消えてた…。
最近、スマホカメラの調子がおかしい時があって「カシャッ」て鳴らなかったり画像が保存されてなかったりするので、気をつけてるんだけど忘れることも多くて。
この導水路の左側にあります。クルマが停まってるのは、その駐車場。
ぱっと見、閉館してるんじゃないかと思ったくらい閑散としています。
職員さんらしき人は数名いたけど「いらっしゃいませ」もなく、商品などもありません。観光案内所という感じでもないし…?
トイレだけお借りしました。
11〜3月末あたりまで、ワカサギ釣りが楽しめます。2ヶ所ほど釣り場が設置されていました。
湖畔は綺麗に整備されていて、ところどころ椅子も置いてあったりします。
賤ヶ岳の戦い〜賤ヶ岳古戦場跡
羽柴秀吉と柴田勝家が、織田信長の後継を争った激戦地。周辺には陣場や砦の跡、また墓なども残っています。
左の茶色い看板
『岩崎山・大岩山戦跡めぐり』
岩崎山まで 約0.9km
大岩山まで 約1.3km
賤ヶ岳まで 約3.6km
右側の黒い旗印みたいな看板には、以下のような解説が明記されています。岩崎山砦跡
高山友重右近大夫の砦跡であるが高山右近は戦わずして木之本に退いた所。
今は砦跡らしいものは何も残っていないが岩崎山の大岩くぬぎの森として残されている。
看板には「高山友重右近大夫」って書いてあるけど高山重友の間違い。
中部北陸自然歩道の道標
←国民宿舎・余呉湖荘|山本山賤ヶ岳登山道入口 2.4km
JR余呉駅 0.9km→
↓賤ヶ岳岩崎山登り口
また1kmも進んでない(笑)
岩崎山の大岩
岩崎山は湖岸に大岩が突出し、賤ヶ岳合戦には高山重友の砦があった。
古代には近くに智者寺・蓮法寺があり、これと並び岩崎の大岩として人々から崇敬されていたが道路拡張で取り除かれた。
この岩は当時を偲ぶなごりである。
尾野呂浜 駐車場。トイレもあります。
サワオグルマ群生地
「サワオグルマ」はキク科の植物で、日当たりの良い湿地、田の畦などに群生する多年生の日本特産種です。
桜の季節が過ぎ、緑の季節を迎える頃に(5〜6月)、スクッと茎を立てた黄色い花を咲かせます。
と、説明板には書いてありますが咲いてません。季節のめぐりがどんどん早くなってるとは感じますが、1本もないとは?
もしかして、もっと奥まで歩いて行かないと見れないのかなと思ったけど、GoogleMAPにはこの場所に咲いてる写真が投稿されてた。
まだギリギリ5月なのに。看板、書き変えた方がいいかも。
山の方から道路をくぐり、余呉湖へと流れる水路がいくつも掘ってあります。風にそよぐ木々のざわめき、水のせせらぎ、とても心地よいです。
すらりと伸びた大樹の伐採が行われていました。国民宿舎 余呉湖荘の跡地です。
この跡地にグランピング施設と公園ができるらしい。すでに真新しい黒い建物ができていました。
位置関係は、余呉湖の北に余呉駅、ここは南端あたりになります。
ようやく半分。
余呉湖荘跡地を過ぎてすぐのところにも賤ヶ岳登山口がありました。
飯浦越切通し
余呉湖より飯浦(はんのうら)港へ出るため切り開かれた道である。
賤ヶ岳合戦当時、激しく戦われた所で、中でも福島正則ら賤ヶ岳七本槍の戦功は有名である。
“賤ヶ岳七本槍”といえば熊本県民としては加藤清正公が真っ先に思い浮かぶ。
戦国時代はファンも多いので訪れる人がけっこういるのでしょう、案内板が要所要所に立っています。
登山アプリ『YAMAP』にもレポートがいくつか載ってました。
「槍の名手・青木新兵衛が、相手方の敵・阿閉掃部を前にして悠々と血のついた槍を洗って戦った」という『槍洗いの池』は、藤棚のあるあたりだったのではないかと云われているそうです。
(すみません、藤棚の写真は撮ってません。)
周辺の湖畔には紫陽花が植えられて「あじさい園」になっています。
平日だというのもあるでしょうが、ほんとうに静かでゆったりとした気持ちになります。木陰でお昼寝したい。
湖畔に佇む樹の枝先が水面に垂れて、漣(さざなみ)が太陽を反射してキラキラと木の葉を照らしているのが素晴らしく美しかった。
国民宿舎跡地あたりから道路が狭くなり、普通車同士がすれ違うのも困難なほどの道幅に。キャンピングカーで来なくて大正解。
木にくくりつけられている注意書きは「この先スズメバチの巣あり」!
土の中にも巣を作るから厄介です。
新羅崎の森壕
いろいろの伝説を秘めた新羅崎神社の跡地であるが、賤ヶ岳合戦当時は昼でも暗く樹木が生い茂り湖中に浮き出ていた。そのため伏兵達の格好の隠れ場であった。
“いろいろの伝説を秘めた”と前置きしておきながら新羅崎神社についての解説がない、このモヤモヤよ。
しかし、いかに神社好きとはいえ古戦場跡地に一人で立ち入りたくない。ので、執筆中の今になって調べてみました。
このあたり一帯は「白木の森」と呼ばれているそうで、新羅(しらぎ)からきているようです。
新羅崎神社の御祭神は天日槍(アメノヒボコ=天之日矛)。
記紀にも登場する新羅の皇子で、古代に日本へ渡来してきたと伝えられています。
余呉町中之郷には「日槍塚」「鉛錬(えれ)古墳」、また「鉛錬比古(えれひこ)神社」があり、渡来人の足跡を垣間見ることができます。
鉛錬比古神社の主祭神は大山咋神(おおやまくいのかみ)で、天日槍命を配祀となっていますが、歴史を紐解くと延暦寺領となった際に同寺の鎮守であった日吉山王権現(大山咋神)を勧請、合祀したとあるので、元々は天日槍命のみを祀っていたはず。
鉛を錬成すると書いて鉛錬。金属の精錬加工技術を持った集団だったのでしょうね。
今回、わたしが最も気になったのは菊石姫伝説です。余呉湖を訪れる目的の第1位。
でも相変わらず下調べはしていません。とにかく此処(ここ)に足を運び、ただ身を置くだけ。何か感じるとか、そういう霊感もないです。
なので、これを書いている今、非常に難儀しております。余呉湖に、こんなに色んな歴史があるとは思ってもみなかった。
先程の新羅崎神社〜鉛練比古神社だけでもお腹いっぱいだというのに。
菊石姫と蛇の目玉石
仁明天皇(808-850)の頃、この地の領主・桐畑太夫に菊石姫という娘がいました。
姫はある年、干ばつに苦しむ村人を救わんと、余呉湖に身を投じ蛇身となって雨を降らせました。
もう人間に戻れぬ姫は、長年世話になった乳母へ、疫病の薬にと目玉を抜き取り、湖中から投げ与えました。
目玉は石の上に落ち、その跡を残したので、以来この石を「蛇の目玉石」といいます。また姫が枕にしてしばしば休んだと云われる「蛇の枕石」は南側にある椎の老木の下の湖中にあり、干ばつの年、この枕石を地上にあげ雨乞いすると不思議に雨が降ると伝えられています。
石碑にはこのように書かれていますが、ネットで探してみると付随したエピソードや天女の羽衣伝説とも繋がってたりとか、諸説まとまっていません。
公式なもの、県とか観光協会とか教育委員会とかが公開している文書も見当たらないし(上の石碑は余呉湖観光協会が建てたものですが)。
自分でどうにか拾い集めてまとめようとチャレンジしたのですが、これ、読みたいですか?
すっごく長くなりそうなんで途中で挫折しました。今日中に終わらん。
余呉湖の「天女伝説」は三大天女伝説の一つ(ほかは京都・丹後の天女伝説と、静岡・三保の天女伝説)で、最も古いとされています。
仁明天皇は在位833〜850年だから、平安時代初期には伝説として語り継がれていた事になります。
余呉の羽衣伝説は2つあって、どちらも「その末裔は○○」となっているので権威付けに利用したと考えるのが妥当なのかな。
「その末裔」の一人に、あの菅原道真が挙げられています。その説でいくと、こちらの菊石姫は菅原道真公と“きょうだい”ということになります。
それはともかくとして、事実を踏まえたうえで脚色して「物語」になっていると思うので、菊石姫は実在したんだろうな。
戦没英霊の塔。いつの世も、争いの種は尽きない。
お魚さんの慰霊塔。漁業関係者だけでなく、趣味で釣りをしている方も、お魚を食べるのが好きな方も。
クルマだったら左の道に行くところですが、せっかくなので湖に近い方の右へと進みます。
余呉湖の西側は平地が広がっていて田畑も多いです。
桐畑太夫の屋敷があったとされる、川並地区。昔から、この周辺だけ集落があったようです。
湖岸を一周する道路が完成したのは昭和35年(1960)だとか。それまでは、舟で往き来していたそうです。
手前の看板には、こう書かれています「濁水を流しません」。
環境こだわり農産物栽培ほ場
農薬・化学肥料を通常の5割以下に減らし、さらに琵琶湖・周辺環境への負荷を減らして栽培しています。
釣り人がいました。今の時期は何が釣れるんだろう?
ちょうど、正午になりました。集落の中にお食事処とかないかな?とスマホのGoogleMAPで探してみたら、2軒ありました。
ですが、ひとつは高級すぎてムリ。というか予約制のようです。
もうひとつはカフェっぽい。
う〜む、駅前も何もなかったし、今日はランチを諦めないといけないのか?
『余呉湖ビジターセンター』、ワカサギ釣りの川並釣桟橋がありました。
でも、ビジターセンターにレストランはないよね?
※隣に『食事処 舟戸』がありました。
振り返ると、そこには『レストラン余呉湖』の看板が!
どうしよう、せっかくだし入ってみようかな?
ちょうど12時を過ぎたばかりの、まさにお昼時だというのに貸切状態。これは緊張する。
上品そうな物腰の柔らかい男性が一人で切り盛りしているようでした。今、知ったけど隣接の『民宿旅館文右エ門』と経営は同じなんですね。
そして、その民宿、柴田勝家が建てた茶店を移築したものなんですってね! おそるべし余呉湖。色んなものがある。
うなぎも美味しそうだったけど、予算的にちょっとお高い。そこで、近江牛の肉丼にしました。お値段、1,000円。
丼の上に沢庵のってるパターンは初めてだ。
ぱっかーん♪ わ〜お、お肉の色がきれい! ツヤツヤしてます。
ご飯にもタレがかかってて、でも濃すぎず甘みがあって美味しい。玉ねぎもシャキシャキです。
近江牛をこんなに使って1,000円ならお得ですね。
ご馳走様でした♪
お腹も満たされ、あとは自転車を返しに駅まで一直線〜♪
と、ペダルを漕いでいて思い出した。「天女の衣掛柳」を見てない。確か、地図ではこのへんのはずなんだけどな〜と自転車を走らせながら注視してみたけど、看板らしきものはあれど巨木が見当たらない。
「ま、いっか」と菊石姫だけで満足していたので、そのまま帰りました。
今、調べていて分かりました。
天女の衣掛柳のマルバヤナギは、平成30年(2018)9月4日の台風21号により倒れてしまったそうです。
しかしその後、切り株から新しい枝が生えてきてます。生命力が強い木なんですね。
この日の、わたしにとっての一番の名木は、こちらです。
余談ですが、余呉湖の北東に位置する余呉町上丹生地区では『茶わん祭』という例大祭が(おおよそ)5年に一度、行われているそうです。
山車飾りの接合方法は門外不出だとか!
しかも地名が「丹生」。やばい、また調べ物が増えてしまいそう。
ここらで退散します。
GoogleMAP
ご意見、ご質問などありましたら、こちらのメールフォームをご利用くださいませ。
【Small Office, Transfer Office|メールフォーム】
(通常、3日以内に返信致します。もし返信がない場合はメールアドレスに間違いがないかご確認ください。)
気に入っていただけたら「サポート」宜しくお願いします🍀
SNSもチェックお願いします♡
Small Office, Transfer Office 公式サイト
http://soto.sakura.ne.jp/
Facebook
https://www.facebook.com/shiu.soto/
https://www.facebook.com/soto.Rocky21/
Instagram
https://www.instagram.com/shiu.soto/
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?