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湯気の向こう側

蒸籠が好きです。

蒸してる間のコトコトした音や竹の甘い匂い。
できあがって蓋を開けた瞬間の玉手箱の煙かと思うぐらいの湯気。
湯気の向こう側にいる食卓を囲む家族。

蒸籠のころんとしたフォルムと
調理して食卓に載せたプロセスが愛おしい。

市販の肉まんはひとつしか入らない小さな蒸籠ですが
サイズ感ともども気に入って
2度の引越しを経ても手放せないもののひとつです。

月に一度も出番がないこともあるのですが
それでも断捨離対象にならないのは
片づけコンサルタントの近藤麻理恵さんの言う
「ときめくもの」に該当するからなのだと思います。

「家をスッキリした空間にする」という目標を立てたとして
「普段使っている道具以外を捨てる」という選択肢をとるのか。

もちろん、その選択肢を取っても良いのだけれど

そもそも「スッキリした空間」のは何のためなのか。

なにを叶えるための目標だったのか、が大事なことで
仮に、快適に過ごすために
→目標「家をスッキリした空間にする」ならば
私にとっての快適はものがないことなのか、気に入ったものに囲まれているものなのか。
個人の価値観で選択肢が異なります。
ミニマリストにも憧れるし
あれこれ捨てられない自分に対して断捨離の必要性を感じてはいるけれど
出番の少ない蒸籠に対し
それでも、台所にあってほしいと思う。
その気持ちにわたしの価値観が潜んでいるように思います。

なぜ、蒸籠を手放せないのか
湯気の向こう側の幸せ、があるからなのではないでしょうか。


あなたが手放せないものはなにですか?

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