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「マイクロツーリズム」で新たな発見

是非行ってほしい宿がある。

福井の永平寺の門前にある「柏樹関」である。
https://www.hakujukan-eiheiji.jp/

今夏に行った宿。
地方に住んでいるとなかなか地元の宿に泊まることはないのだが、
コロナ禍で近場に旅行するという、「マイクロツーリズム」がささやかれはじめ、自分も新たな発見をするいい機会だと思い行く気になったのだが、出張以外でしかも近場の高級宿に泊まるのは新鮮であった。
夏季休暇の真っ只中で予約はなかなかとれずに、キャンセル待ちでようやく予約がとれた。

柏樹関とは
大本山永平寺の入り口近く、隣接している永平寺のオフィシャルの宿泊施設でディズニーランドでいうところのホテルミラコスタ的なお宿である。
2019年に開業しとても新しく、館内にはエレベータもあり、階段も緩やかでホスピタリティも行き届いている。
当たり前だが部屋にはトイレもシャワー室もあるし、洗面台は広く使い勝手がいい。
ベッドも大きく、部屋の半分は和室の作りで畳が敷かれ、越前の山の中にあるとは思えない、シティホテル並みの上品さを感じる。
館内には露天ぶろ付きの大浴場があって、
夜も朝もゆったりと浸かれるお風呂になっている。
朝夕の食事は1階の広い食堂で行う。個室も完備されており、子どもやお年寄りに配慮されていると感じた。


関の意味

柏樹館と書きそうになるが
柏樹関である。(前回の投稿で早速間違えた)
館と関にはなんの違いがあるか気になったので自分なりの解釈で考えてみた。

柏樹関の名前の由来は、もともと柏樹庵という尼僧さんの宿泊場所が永平寺の一院として存在しており、その院の隣りに建てた宿ということから来ている。
(今も柏樹関の真横には柏樹庵があるので是非そこにも参拝してほしい。)
柏樹関自体も永平寺が建てた宿で、位置的には永平寺→柏樹庵→柏樹関→敷地外となる。
このことから
雲水さんの修行において柏樹関を隔てて、俗世と永平寺門内との境目というふうにも捉えることができる。

その境目で「関」なのかもしれない。


柏樹関に泊まる最大の楽しみが3つある

➀座禅体験 ②精進料理 ③永平寺の朝課に参加
泊まった時系列で書いたが
なんといっても朝課の雲水さんが見られるのが一番の醍醐味だと思う。

➀座禅体験
座禅は自由に、そして好きな時間にやればいいのだが
さあ、いざやろうと思うと気が重くなり、
うーん。。、誰かに教えてほしい。ってなるものだ。
座禅の蘊蓄をホテル内にいる禅コンシェルジュに教わることができる。
禅コンシェルジュって、。思ったのだが「永平寺認定」となると
ちゃんとしているコンシェルジュだ。

座禅の基礎を習うことができた。
座布の使い方、座り方、
前回のnoteで書いたので、是非読んでほしい

➁精進料理

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折角来たのだから精進料理!という考えは私だけで、家族は肉料理を選んだ。
精進料理とは質素なイメージもあるが、提供されてくるもの一品ずつ丁寧に食べるとお腹いっぱいになるものである。
3枚目の写真は精進料理なのにお刺身か!と思ったけど実は蒟蒻。
徹底して出される丁寧なつくりの料理は幸福な時間をもたらしてくれる。

③朝課
朝課とは永平寺雲水さんの「朝のお勤め」に参加することで、
何百年も連綿と受け繋がれてきたであろうお勤めに参加することができる。
前日に精進料理とはいえ、ビール片手に味わったので
次の日の朝4時45分ロビー集合は正直俗民にはきつい。
またこんな滅多にないチャンスを寝坊で逃すわけにはいかない、とか
遅れてしまうことで雲水さんに迷惑がかかるのではないか(そんなことはないのだが)という思考が堂々巡りしてしまい、早起きのプレッシャー。
朝課は体調を整えてお酒も控えて臨まれることをお勧めする。

尼僧さんに案内されて一列になって永平寺の本堂に向かう。
私語厳禁とのお話もいただき、柏樹関の玄関を出て神妙な面持ちで薄暗い外を歩く。
永平寺に向かう参道の横には永平寺川の流れ。
せせらぎというより流れが急で絶え間なく流れる、大きく聞こえる川の音。

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薄暗い中の永平寺。
未だ参拝者もいなくて先取りした優越感と、
宿泊者しか見れない光景を目に焼き付けたいと思った。

雲水さんは写真を撮ってはいけないルールなので、朝課の写真はないのだが
本当にこのお参りを毎日、永平寺自体では何百年もの間続いてきているのかと思うと感慨深いものを目にしていると感じる。
畳の広間に対面で大声でお経を読んだり、
畳に平伏して祈るような仕草はこれぞ永平寺という凄みを感じる。
今思いだしても鳥肌が立つほどの神々しさがある。

最後の方に自分たちも一人ずつお堂の中央まで歩き
手を合わせるのだが半端ない緊張感に襲われる。
しっかりと心の準備をしておくといいだろう。

30分ほどで体験が終了し、
一緒に同行してくださった尼僧さんから永平寺の案内を受けることができる。
なかなか知らないこともたくさん聞ける。
観光ツアーのアテンドのように大声では話してくれないので
すごく近くにいて一挙手一投足、見守るように話を伺うのがいいだろう。

一緒に同行した人とも仲良くなれる(修羅場を味わった戦友のような感じ)のですごくいい体験でありつつ、満足度も高い。
今回は夏場だったので、次回は冬の寒い時期にも行ってみたいと思っている。

またコロナが終息した際には今回のような「マイクロツーリズム」を積極的に体験したいと思う。


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