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繋がる

むかし
映画の「バベル」を見た時に
自分では気づくことのできない
自分の一番大事なものに気づかせてくれる
これが神様の愛というものなのか?
と思った

一番大事なものに気づけずに
ないがしろにしていたり
あるいは気づいていても
そこから逃げ続けていると

ある日突然
それはとんでもないことになって
目の前につきつけられる

そう思ったのは
自分が体験したからだ

母が精神状態を崩し
叫んで暴れて
いきなり手の付けられない
モンスターのようになってしまって
途方に暮れることになったのは

母がかかえていたもの

それは
家族全体の問題だったはずだが
誰もきちんと取り合おうとしなくて
ひとりでかかえさせてしまい

そのうち
ちゃんと向き合わないと
行けない日が来るかもしれない
ずっと心の奥の方に
そんな思いがあったけれど

どうにか逃れられるかもしれない
まだ大丈夫かもしれないと
日々の忙しさにかまけて
ずっと後回しにしていて

もう逃げることのできない状況になるまで
向き合うことをしてこなかった

そして
ついに待ったなしの
逃げることのできない状況になり

それを乗り越えるために
やっと否応なしに
家族みなが同じ方向に
向かわされることになった

大人になるにつれて家族とは
必要なこと以外は
あまり会話もしなくなっていた
私にとって

突然の母の非常事態に
久しぶりに家族と向き合い
まじめに話をすることに
少なからず気恥ずかしさを感じたが

本当にしばらくぶりに
家族みなが繋がり
心がひとつになった
と思った

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