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【週末燻製日記】 肉!

 日が長くなったのをしみじみと感じる。
 燻製を始めるようになって、日没時間をかなり気にするようになった。
 食べるのは晩酌の時間となるので、日没時間から逆算して何時ごろから始めればよいか、明るいうちからセッティング可能かどうか……もろもろの作業工程を決めるからだ。

 じつは「燻製卵選手権」の裏で、日曜日の夜も燻製をした。

 しかも当日は妻と子どもが外出していて少し帰りが遅いため、晩酌のおつまみだけでなく、夕食も私が作らねばならない。
 そこで、まだランタンライトも持っていないのに、初めて夜に燻製をしてみることにした。

 食材はこちら。

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 晩酌おつまみ用の砂肝、そして夕食用のステーキ肉である。
 砂肝は銀皮を削ぎ切りにし、塩胡椒を揉み込んで1時間程度乾燥させた。
 ステーキ肉は、発泡酒に半日ほど漬け込むと美味しいらしいのだが、まずはストレートに燻製をしてみたいと考え、1時間半程度おいて常温に戻した。ステーキは子どもも食べるので、肉内部の水分を流出させてしまわないためにも、塩胡椒は後がけだ。
 スーパーで安売りされていた2枚で約1,000円のステーキ肉が、燻製でどこまで化けるか。

 ちなみに、料理本や料理サイトを見ても、砂肝の銀皮を削ぐのがなかなかスムーズに行かない。簡単でわかりやすい方法をご存じのかたがいたら、ご教示いただけないものだろうか。

 さて、がっつり肉を燻製するということで、今回から新兵器を投入した。

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 なんのことはない、100円ショップで買ってきた「油引き」だ。
 これで金網にサラダ油を薄く延ばして、燻製する。

 まずは夕方に、晩酌用の砂肝をセット。

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 サクラ10g、ザラメ2gの組み合わせで、中火で10分。
 どうせ食べる直前にフライパンで火を通すので、香りだけつける心づもりだった。
 フライパンで砂肝を炒めるならゴマ油と行きたいところだが、薫香を大事にしたいので極力少量のサラダ油で皮目から焼き色をつける。

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 できあがったのがこちら。
 ビールが進む、とても美味しいおつまみだった。

 そして夕食用に、いよいよステーキ肉。
 やはり、あくまで香りをつけるだけの「スモークステーキ風」だ。

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 F1.8の単焦点レンズ、恐るべし。
 日が落ちきってからでも明るい写真が撮れてしまう。

 夜の燻製も雰囲気があっていいものだ。
 蓋をする前、立ち上がりの煙が見えないのが難点ではあるが、視覚の情報量が減るぶん、嗅覚に芳ばしい薫香が際立って、食欲をそそる。
 5分経ったら裏返し、さらに5分。

 スーパーで牛脂をもらってくるのを忘れてしまったので、燻製後はフライパンに少量のサラダ油を敷いて、両面を焼いた。バターは使わない。

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 燻製が終わった段階から最高傑作になる予感はしていたが、いやはや。

 1,000円の肉とは思えないほど軟らかく、そして美味しかった。
 おかげで家族からも絶賛をもらう。
 通常はバターが香るところを、薫香がしっかり補っているような印象だ。

 あとから調べたところによると、肉を常温に戻したことと、水分が出てしまわないよう塩胡椒を後がけにしたこと、そしてだらだら弱火で燻ってからフライパンでは短時間で仕上げたことから、たんぱく質が急激に縮むという65℃を超える時間が短くて済んだことが、軟らかく仕上がった要因だったらしい。
 ただ筋切りはしなかったので、次にスモークステーキ(風)を作るときには、発泡酒の下ごしらえとともに試してみたい。


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