とんかつDJアゲ太郎を観た

映画の感想、ネタバレある。

とにかくドラマパートが無理太郎だった。
キャストも、キャラデザの原作再現度も、
音楽もアゲ(とんかつおよびフロア)のシーンも、
とてもとても好きなのに、
ドラマパートがきつかった。
全てが無理な映画を観たときよりも苦しい。
枕を濡らします。

たのむ。
主人公の調子が上がりだしたところで、派手に失敗させて恥をかかせて共感性羞恥を煽るのをやめろ。
失意の主人公の前に現れた憧れの人が「私も最初は失敗ばかりだったよ」などと語り、主人公が立ち直る流れを、やめろ。
「私も最初は……」って台詞で語らせるな、せめてストーリーで語ってくれ。

「ギャグ漫画を一本の映画にするためにとりあえず起承転結をつけました」感がすごいんだよ。
「原作ままだとイマイチ映画的に盛り上がりに欠けますよね〜まあギャグ漫画ですもんね!よし、ここで一旦派手に失敗させて意気消沈させて諦めさせましょう。そこから憧れの人と仲間に元気付けられて、ラストの盛り上がりに向けてドーーン!サゲてアゲる!わかりやすい!これでよし!」感。
原作に忠実にやれって言ってるわけじゃないよ。映画なら映画に映えるよう脚色してほしいって思ってる派です。
でもせっかく原作に良いストーリー(わかりやすい起承転結じゃなくても)があるのに、雰囲気も残さず、映画の枠に納まりの良いつまんねぇ〜起承転結にはめ込むのはさぁ〜〜
やる気感じないよなぁ〜〜。
どうしても映画的に転?障壁?アゲに向けたサゲ場面?を作りたいなら、屋敷君というライバルとの対峙!でいいじゃん。
あんなハイパー共感性羞恥演出しなくても。
しかもあれ、オイリーさんが言うような「初舞台の魔物」にやられたわけじゃなくて、普通に「アゲ太郎の実力不足、周りの見えてなさ」の失敗だから、なんか嫌〜〜な感じになる。
嫌〜〜な感じになった。

加えて、原作のアゲ太郎なら壁にぶつかった時、
とんかつとDJとの共通点(!)をみつけて、ヒントを得て、揚げの音に雨の音を重ねるとか、ポンチャックつかうとか、キャベツや漬物も大事なんだ!とか、
そういうゴキゲンな発見と機転で課題を乗り越えていくわけですよ。
それで「とんかつもDJも最高!」ってなるのが楽しいのに、
なぜ
「憧れの人たちだって、最初は失敗したし怖かった」
とかいう
つまんね〜〜アゲ太郎である意味もね〜〜話でまとめるのか。
なぜ……。

あと、キャストがせっかくとても良いのに、
ストーリーのせいでキャラが嫌な感じ〜になってて嫌だった!
初舞台の失敗の仕方もそうだし。
特に、苑子ちゃんに対してのキモい距離の詰めかたが嫌でした。初っ端、双眼鏡で覗いてるとこから引く。

もうひとつ!
決め台詞を最後まで言わせない演出が嫌!

アゲ太郎「そうか!とんかつとDJは……とんかつをアゲることと、フロアをアゲることは……!!」
(わくわく)
場面が変わる
アゲ太郎じゃない人「とんかつとDJが同じだってぇ?」
(いやアゲ太郎が言わんのかい!!!!!!)

ってやつ!なんで?
そこサビじゃん。
「とんかつとDJは……同じなんだ!」の
「同じなんだ!」って
EDMでいうところの、
ドゥン、ドゥン、デンデン、デデデデデデデデテテテテテテテテ………バッ!バーーーン!!
の、バーーン!!じゃん。
ブチアゲポイントじゃん。
なぜ……。
なぜ!?
アゲさせてくれよ!?

は〜〜
あ〜〜
自分が気に入らなかった映画の文句言うのたのしい〜〜

文句おわり

映画ブチアゲポイント
キャストがめちゃくちゃ良い。
原作そのままかつ実写で違和感ないキャラデザ(衣装とか)がとても好き。
しぶかつシーンと、フロアをアゲるシーンが良かった。とんかつアンセムすき。
音楽が好き。サントラと劇中歌ずっと聴いてる。
親父と旅館屋の親父が飲んでるシーンかなり好き。

キャストが本当によかった。
2を!アゲ太郎2を待ってる。
今回のキャストで、ブチアゲシーンをメインで続編つくってほしい!
流亭いん喜さん、実写で観たい。

おわり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?