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【世界初】朝の見え方が生活パターンの影響で大きく異なることを発見。国際高専 大塚 作一教授の研究グループ


さて今日(2024年7月24日)は、勤め先の学校法人金沢工業大学が運営する国際高等専門学校の大塚作一教授の研究グループによる驚くべき発見についてプレスリリースを行った。

私自身は富山の某国立大学の大学院人文科学研究科「中退」。それでも1998年から金沢工業大学という理系の大学で広報をやってこれたのは、「(専門家を除いて)私が他の人に説明できなければ、世の中の人は誰もわからないのでは?」という確信があったからだ。

だが今回の論文はDeepLを使っても極めて難解だった。
大塚教授に何度も何度も丁寧に教えていただいて、やっと「なるほど!」と思った。日頃写真を撮っていると、結果的には実感する話となるのだが、そこは世界初の研究成果。いままで気がついていないのだ。

要点は以下のとおり。

同じ風景でも朝型の人はメリハリのある写真(コントラストを上げ、輝度を下げた写真)を朝と感じるのに対して、夜型の人は全体に明るく白っぽい写真(輝度を上げ、コントラストを下げた写真)を朝だと感じることがわかりました。なお、夜型には早朝に起床してもそのまま室内で過ごす人も含まれます(ご本人は朝型と意識されているがことが多い)。月明かりの夜では、人は身の安全を図るため、暗いところも視認できるよう視覚の感度とダイナミックレンジをともに上げ、コントラストを下げて見ているとされています。夜型の人は夜の状態を残してコントラストを下げたまま午前を迎え、午後はコントラストを少し高めた状態で外界を見るのに対して、朝型の人は朝、日光を浴びることで暗く不必要な情報を目に入いれない、メリハリのある見え方に切り替え、午後になると再び、夜に備えて徐々にコントラストを下げていくことがわかりました。

国際高専プレスリリースより

カルマン渦列など流体力学の分野で名を残したフォン・カルマン は次の言葉を残したという。

Scientists discover the world that exists. Engineers create the world that never was.(科学者は存在する世界を発見する。エンジニアは存在しない世界を創造する)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/peu/21/2/21_KJ00010006585/_pdf

まさに朝型、夜型によって朝の見え方が異なるというのは、「存在する世界の発見」であり、その成果を次世代のディスプレイに応用しようとするのは、「存在しない世界の創造」なのである。

こういう研究は、もしかして、大学受験に日夜励む高校生よりも、「なぜ?なぜ?」と純粋な興味関心で世の中を観る小中学生のほうが関心をもっていただけるのでは、とも思う。

今回の話題でサイエンスと工学への関心が高まり、国際高専への関心へとつながることを願っている。


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