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アルティメットジャンケンの番外編からこの漫画を好きになれ


アルティメットジャンケンの番外編、筋肉神無双がついに公開された!仕上がってるよ!



少し前にネームだけは作者様のツイッターにて公開されておりましたが、その時点でこの番外編の戦闘力の高さは伝わっておりました。もうデカい!

内容は文字通り、無双です。アルティメットジャンケン作中最強格の神、筋肉神のあまりにも強くキレてる筋肉によって、原作のトーナメントを戦い抜いたジャンケン戦士たちはなす術なく敗北していく……というもの。シンプルに筋肉神の圧倒的強さが描かれます。
それと同時に、筋肉神に敗北する選手たちの心の強さもまた描かれます。異なる対戦相手、異なる結末は登場人物たちに、本編とは全く異なる影響を与えました。単なるIFストーリーで終わらない魅力がそこにあります。

番外編の中でも印象に残った場面、台詞をピックアップし、筋肉神無双をほんのりと総括しつつ、この漫画の何処が好きかを色々と刻んでいきたいと思っております。よければお付き合い下さい。
当然ネタバレしてますが……まだアルティメットジャンケン読んでない人おる?

読んでないなら読んでしまえばいい


全話無料公開は4月20日まで!まだまだ間に合う!昨今の情勢で引きこもりがちな貴方へ!

リメイク前のweb版はこちらから!こっちも文句なしの面白さ!


「全20話!?長い!昨今の情勢においても中々休めない私には読めないわ!」

そういう方に逆転の発想を伝えます。この番外編から読んでしまえばいい。
アルティメットジャンケン本編に関わるネタバレについては、実はかなり最小限なんです。筋肉神という今回の主人公と、その対戦相手以外の描写をほぼカットしているのが理由ですね。
ここからアルティメットジャンケンを知ったとしても、本編の面白さが損なわれる事は、決してありません。IFストーリーなので、本編と全く違う物語となっております。全43ページ!30分から効果が出ます!今すぐ筋肉神!



「筋肉神無双を読んで腹筋が割れました!(30代男性)」

(ピックアップ台詞前にページ番号を載せております)


p2 「ここは大宮のもとから筋肉神が消えてなかったもしもの世界」

本編中随一の存在感を誇る大宮さんも、今回の番外編では出番はほぼありません。大宮さんの師にして、信仰にして、憧れにして、越えるべき目標である筋肉神。彼こそが主役。

この世界線の大宮さん、恐らく本編の大宮さんよりも強いかもしれません。己の筋肉に自惚れず、厳粛に筋トレに励み続けて早50歳を迎えた大宮さんwith筋肉神。彼がトーナメント参戦したとしても、歴史は変わっていたのかもしれないですね。

p4 「黄金の肉体…!?一体いくらの価値が…」

物理的に黄金色なのかな、筋肉神のボディ……。

本編において大宮さんwith筋肉神が渾身のポーズを取れば、イナズマでさえ目を逸らせないほどの注目を集められます。だが筋肉神の圧倒的筋肉は、ポーズを取らずとも周囲の目を引き付けてやみません。参加選手の大半が筋肉神の存在に釘付け。
その中で四葉とタダシくんの二人が、筋肉神を向いていないのも細かい。超がつくほどの自分本位娘たる四葉と、神の子タダシくんの精神力を察することが出来ます。

p5 「パワーがあってもジャンケンには関係ないぞ!」

この番外編ではおろか、本編中でさえ「ジャンケンをパワーで制する」という無法を味わわされた御手洗である。筋肉神が大宮さんと同じ戦法を取らなくてよかったね……。

p6 「私の心の筋肉が視線を感じました」

心筋が並みじゃないよ!

p6 「見られることには慣れています」

肩メロン!

p7 「あなたにそれを止められますか?」

肩にちっちゃいジープ乗せてんのかい!


p9 「ふ…風圧でオレの手をパーに…!」

あまりに圧勝すぎて笑ってしまった、VS御手洗戦。
筋肉でジャンケンに圧勝する漫画、は過去にも幾つか見た事がありますが(浦安鉄筋家族とか)、地震や風を巻き起こす筋肉なんて今まで俺知らなかった……。アングドラと四葉にはこの戦法を使ってはいけません。服がめくれるどころか脱げて吹っ飛びます。放送不可です。
さらっと描かれる筋肉神の広背筋が凄い。背中に羽根が生えている!
一緒に描かれる御手洗のプリケツも見ておきましょう。おしりムー大陸!

p10 「……久しぶりに感じたな…。この…『くやしい』って感情…!」

負けた者にも物語があるのが、このアルティメットジャンケンの見どころの一つ。番外編とてそれは何も変わりません。完敗を喫したからこそ、御手洗は新たに気づけた事、見えたものがあります。敗北を経験した者は強くなる。

p11 「筋肉とは違う方向でよく鍛えられていますね」

筋肉以外の強さに対してもしっかり敬意を払う筋肉神が好きです。
筋肉の神に対しても全く気圧されず立ち向かう戸津根さんもまたかっこいい。みんな違ってみんなかっこいい。

p12 「一回戦での作戦は私には通じない!この固定された左腕がある」

この番外編は筋肉神無双ですが、無双される側の選手とて真剣です。勝つ為に己の能力を駆使し、一回戦での負傷をも利用して勝機を見出していく。無双する側の筋肉神もまた、ワンパターンの戦法では勝てない事がよくわかります。考えなければ勝てない!

p14 「大 膨 張  筋 肉 の 壁 !!!」

デカいよ!(文字通り)
あまりにも何でもありすぎて笑ってしまったこのシーン。
筋肉神の前では「巨大化は負けフラグ」などという惰弱な言葉遊びは通用しません。

p15 「鍛えたもの同士は一瞬で心を通い合わせられる」

バトル漫画における「この短い戦闘シーンの間にこいつらどんだけ喋ってんだよ」問題はこれによって解決します。

p16 「もっと身体を大切にしなさい。ボロボロの状態で誰の役に立とうというのですか」

人々の為ならば自分を犠牲に出来る戸津根さん。その心の強さ、そこまで絞るには眠れない夜もあったろう。無茶しがちな戸津根さんを引き止めるに相応しい筋肉神の台詞だと思います。

p17 「戸津根、敗北――しかし彼は最強の後ろ盾を得る事が出来たのだった」

戸津根さんも、一回戦で負けた御手洗も、彼らが弱かったから負けたわけじゃないんですよ。御手洗は今まで負けなしの強者だった。戸津根さんは誰が相手でも全力を尽くそうとした。それでも勝てなかったのは、単純に筋肉神が圧倒的に強かったから。それだけです。
そして筋肉神は、鍛えている者への助力は惜しまない方です。筋肉という分野以外で彼にここまで敬意を抱かせた戸津根さん。その精神力はやはり図抜けています。完敗を喫しても、その格は決して落ちない。
筋肉神無双の番外編においても、他の登場人物たちは端役として蹴散らされるだけで終わりません。

p19 「一歩及ばずイナズマは敗北」

この後のページで運命神も「惜しくも届かなかった」と言ってたところから、筋肉神の加護なしでもイナズマはかなり頑張ったのかなと思っています。
運命が起こした地震によりイナズマの策は崩れるも、アングドラの集めた群衆による運の強化がギリギリ間に合ったので何とか応戦可能に。だが最後の最後で運命を捻じ曲げるほどの運が足りず……といったところでしょうか。イナズマは敗北しました。だが筋肉神は鍛えたものの意思を無駄にはしない。

p21 「ここを通りたきゃ、オレたちを倒していけーっ!」

多種多様なコスプレに身を包んだ子供たちかわいいね!
屈強な兵隊ではどうにもならないのだから別の人員を雇う。無茶な命令を下して部下を使い潰さない。アングドラのこういう合理的なところが好きです。

p22 「なかなかいい作戦ですが、私に小細工は通用しませんよ」

ジャンケン神「神はどこにでも瞬間移動出来るんだよ」

瞬間移動(筋肉)
読んでて特に爆笑したシーンです。

p25 「苦労などないほうがいいのかもしれない……が、人生は長い……いつかもし運の限界がきてしまったら……!」

本編中のタダシくんはイナズマに敗北しましたが、そこにくやしさを感じてはいませんでした。彼は大会優勝で叶えたい願いも無く、特別勝ちたいと思っていなかったから。好きな子の誕生パーティーに参加出来て、むしろ負けて幸せになったくらい。それがタダシくんです。

その後の長い人生においても同じでしょう。運だけでは乗り越えられぬ壁を前にしたら、惜しまず素直に引き返せばいい。例え遠回りしようともタダシくんは強運です。遠回りした道の先でより幸せになるだけでしょう。そこに苦労など、必要ない。
だから本編でのタダシくんなら、準決勝までのタダシくんであれば、筋肉神との対決はそもそも"勝負"として成立しません。負けても別にいいと考える者は、勝負に勝つ必要すらない。ですが、これは番外編。本編では起こりえぬ事が幾つも起こる世界線。

p26 「決勝まで進んだタダシは優勝したいという気持ちが高まったぞ!つまり幸運パワーも高まった!」

「優勝したい」という思いが芽生えたタダシくんは、準決勝までのタダシくんより更に強いでしょう。タダシくんを優勝させる為に、強運がその運命を全力で引き寄せます。
こうしてこの決勝戦は、最強の筋肉神が運命という「壁」を打ち破る為の戦いにして、強運のタダシくんが筋肉神という「壁」を乗り越える為の戦いへと変わりました。

どちらもが挑戦者にして、越えるべき壁である対決!最強対決の名に相応しい決勝戦!

p27 「足元にアリさんの親子が!」

地震を起こすくらいの全力の震脚をギリギリで静止出来るのもまた、鍛えられた筋肉の証ですね。脚がゴリラ!

p29 「あたしゃの操る最強の霊に拘束されたら、物理的な力じゃあはがせないよ!」

日本一の霊能者さんが日本一すぎる。彼女がジャンケン大会に出てたらどうなっていたか……。出ていたもかもしれませんが、運悪く相性の悪い相手と当たったか、アングドラに買収されていたかのどちらかでしょう。

地味に敵忍者の皆さんも有能です。反射の術・隠れ身の術・変化の術・金縛りの術……何と彼ら4つも術を使える!イナズマより多い!だが使える術の数だけが実力に繋がらないのは、本編中でのイナズマが証明してくれています。
自己暗示で術が解ける金縛りはともかく、霊拘束ですら筋肉神に通用しないのはもはや何も言うまい。筋肉は全てを凌駕する……!

p31 「いいでしょう。この筋肉、存分にお魅せします」

背中に鬼神が宿ってる!
運命神の敗因は筋肉マニアの嗜好について勉強不足だったから……?

p32 「完璧に鍛え抜かれた筋肉は、360度どこから見ても美しいのです」

全くの余談ですが、自分はボディビルのポーズでは背中を向けて肩を斜め45度に傾けたものが好きです(フリーポーズでやるやつ)。

p33「しかしそんな闇も、輝く筋肉は打ち消していく!!」

何でもありすぎて笑ってしまったこのシーンその②
筋肉神なのでどんな状況でも他人に筋肉を魅せる必要がある。だから光る。何も間違っていない!

p34「…いや…「なす術」など最初から持ち合わせていないのが恐るべき『強運』の力!」

ある意味筋肉神以上の何でもアリな存在それがタダシくん。人体の神秘すら思いのまま。調べたら、日本人だと4人に1人がこの光くしゃみ反射の体質持ちみたいです。タダシくんなら余裕で当選出来る体質ですね。果たしてそれはいいことなのか。

p35 「『起こりうることが100パーセント起こる』のが強運。それにより筋肉神は自らの筋肉の力で負けてしまうのだった」

アリさん親子、アングドラの支援、筋肉マニア、停電……周囲の状況は利用し尽くしましたが、それでも筋肉神は止まらない。ですが、もうこれ以上運命による援護は望めないでしょう。

本編でのタダシくんVSイナズマ戦の幸運ラッシュ。
あの試合中にイナズマを襲撃した敵忍者、地底人、ドラゴンは、すべてイナズマの因縁から導き出されるものを「たまたま準決勝中にイナズマへと仕返しに来た」という運命によって引き寄せたものと推測出来ます。
ここで注目したいのが、あの時最もイナズマ妨害に積極的な四葉が、準決勝中ついに戻る事が出来なかった点。「四葉が霊能者によって引っぺがされた一葉姉さんを呼び戻し、再びイナズマを妨害する」という可能性が、完全に潰えてたという事でしょう。タダシくんの強運は1%を100%にする事は出来ても、0%を1%には変えられない。
だから周囲の状況から強運を導き出せなくなれば、最後はタダシくん自身と、対する筋肉神その人から、強運で"何か"を引き出す他ない。その為の光くしゃみ反射であり、筋肉神が発する強い光。どれだけ回り道しようとも最終的にタダシくんの勝利という強運へと繋がる。
イナズマが、筋肉神の支援なしでは一歩及ばなかったというのも理解出来ます。本当に恐るべき力です。

p36 「運命が捻じ曲がったのだ!」

ならばその運命を変えてしまえばいい。筋肉で。

p37 「理解出来なくても無理はない。これは科学的根拠など一切ない領域の話」

全ての屁理屈を捻じ伏せる渾身の解説が最高に好きです。

p38 「『起こりえない常識の扉をこじ開ける』のが、無限の可能性を秘めた筋肉の力だからだ!」

作中最強の存在が対戦相手の全力を引き出し、その全てを上回り、捻じ伏せ、圧勝する。爽快感の極み!ノーベル筋肉賞!

p39 「筋肉神は第2ラウンドも勝利。あぶなげなく優勝をおさめたのだった――」

本編中では「勝負は2本先取である」というルールも非常に重要でした。決勝トーナメントが一回勝負であったならば、里中や大宮さんの試合結果もまた違ったものになっていたでしょう。
今回の番外編においては、2本先取の駆け引きは一切描写されませんでした。それ自体が、筋肉神と他の対戦相手との格の違いを表しています。最初の負けから戦法を立て直して再度挑む――そういうレベルの相手ではない。それが筋肉神。

p40 「——この試合は、タダシくんに初めて「くやしい」という感情を芽生えさせた」

本編中のタダシくんには無かった感情が生まれました。彼に完敗を実感させた"筋肉神の圧"とは文字通り「運だけでは乗り越えられぬ壁」でしょう。ジャンケンは運の勝負、と認識しているタダシくんが「ああ運が悪かったね」では割り切れない完敗。ここからタダシくんは更に強くなる事でしょう。

p42 「オレの策と、イナズマの対応力、そしてタダシくんの最強の支援力!この3人で挑もう!最強の存在に!」

「くやしい」という感情が引き寄せた3人コンビ!
読んでて本当に胸が熱くあるラスト2ページです。3人全員が、本編中に芽生えなかった思いを抱いているのが素晴らしい。本編中で起こりえなかった事が起これば、登場人物たちにも異なる影響が当然出る。そうした変化がさらっと描かれていて、細かい。

p43 「この大会……もう1試合ふやしてください。それが私の願いです!」

                      『テレパシー』御手洗心造
『筋肉』筋肉神        VS      『超反射神経』イナズマ
                      『強運』田中タダシくん



「つづく!」の先が是非とも見たい。それが私の願いです!




筋肉神無双を読んで心の筋肉が鍛えられました!(30代男性)


番外編、最高に贅沢なおまけでした。これがおまけっていうのが信じられない。
最初見た時「ああ筋肉神を主役としたギャグ短編かな」とナメてかかった自分にグーしなければなりません。本気100%のIFストーリーがそこにありました。

筋肉神がトーナメントに参戦したらどうなる?試合内容は?勝敗は?負けた選手たちはその後どうなる?大会の結末はどう変化し、周りにどんな影響を及ぼす?etc……

主人公は物語の中心として、周囲に影響を及ぼしていく存在です。筋肉神は神。強者。導くもの。番外編の主人公としてこの物語を盛り上げました。
彼に負けた選手たちは決して、筋肉神の掌の上で踊るだけの哀れなサルではありません。選手は皆、己が人生の主人公であり、アルティメットジャンケンの世界を生きる主役たちです。

負け役たちの力と心は、一度だって弱く描かれる事はありませんでした。むしろ筋肉神の無双を通して、その敗者たちの心の強さ、変化を描き出す為の短編なのでは……と思えるくらいです。


番外編の続きを座して待つと共に、リメイク版2巻の発売もいよいよ迫っております。

選手たちの家族プロフィールがものすごく楽しみです。夜桜さん家の姉妹たちの年齢とか知りたい。

『アルティメットお遊び』ポーカー編もいよいよ始まりそうです。
ジャンケンのリメイク版が落ち着こうとも、まだまだいぬころすけ先生の時間は終わらない。昨今の情勢の中でも胸を熱くさせる漫画を、もっともっと楽しみたい。
なればこそまずは!筋肉神無双から!

以上!


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