「すばらしき世界」を観て

お久しぶりです、水死体です、どうも。先週も映画観たんですが、観た映画がちょっと話が難解で感想を書くには理解が足りず断念してしまい、お久しぶりとなってしまった訳です。
今回は「すばらしき世界」の感想を。

今回この映画を観たきっかけは地元の市が主催する映画上映で選ばれていたからなんですよね。元々話題作で観たいと思っていたのですが、市の主催する映画上映で上映されるなんて、よっぽどいい作品だろと観てみた訳です。

今作品は平たく言うと、人生の大半を刑務所で過ごした元暴力団組員(というか半グレ)の三上の話です。特に刑務所からの出生後に焦点は当てられており、三上の更生していく様が描かれています。13年の刑期を終えた元殺人犯の三上。出生した三上の前に現れた、ジャーナリストの津野田。2人は次第に深く関わっていきます。  

まあいい作品でした。ずっと見入ってしまった。役所広司さんが主役の三上を演じていたのですが、役作りがすごいなと感心しました。三上は結構痩せた役なので、相当な減量をしたのではないでしょうか。その辺の役者さんの演者魂はほんと凄いなと思います。

ここからはネタバレを含めた感想を書いていきます故、未視聴の方などはここら辺でいいね押してブラウザバックしてくださいませ。












ここまで来たらネタバレしてもいいですよね、しますからね。
今作品の視聴者の視点でいくと、津野田の視点であると言えます。津野田の視点で三上の生い立ちや、彼の性格を深堀して行きます。三上はよく言えば、曲がったことが大嫌いな正義感に満ち溢れた人。悪く言えば、すぐ頭に血が上り一度ブチ切れたら手をつけられないトラブルメーカー。そんな三上は本当に悪人なのか、それとも善人なのか。そもそも社会で生き抜くにはどうすればいいのか。そういうことが描かれた作品でした。とにかくメッセージ性が強いのですが、それ以上にストーリーが面白いので苦にはならなかったです。

津野田は元上司の吉澤と、前科者の三上が心を入れ替えて更生し、生き別れた母と再会するというテレビの企画を進めていく。その間で津野田は三上の生い立ちや、壮絶な獄中記録を目にする。三上は前述した通りキレやすい性格。なので出生して更生しよう!と思ってもなかなか自我を殺せずキレます。そこが私は人間らしいなと思いました。普通こういう映画って、出生したらすぐ別人のように更生してるんです。今作品は徐々に更生(社会に適用)していく様が丁寧に描かれています。

後半の三上が社会に適用する為に、強すぎる正義感を抑える場面は正直胸糞でしたね。出生後ようやく見つけた、介護職のアルバイト。そこで出会った、軽い障害(知的っぽい)を持つ阿部と親しくなるのですが、実は影で阿部は虐められてるいことを知ります。影で詰められてるのを見つけた三上は、思いっきって暴力で思いしらせてやろうか的な回想をしますが思いとどまります。恐らくその前に、仕事が決まったお祝いで仲間で集まったときに「カッとなったときは私たちの顔を思い出してごらん」「私たちは見逃すことも大切だ」的なことを言われていたからでしょう。前科者らしい、障害がある、頭がおかしい、迷惑を被ってると、三上の前でも仕事仲間たちは愚痴というか陰口をこぼします。そこで1人が三上にも話を振るのですが、三上はすごく我慢して同調しました。その帰り三上は阿部に話しかけられ、後悔の念にかられるのです。

正義感が強いのはいいことだけど、強すぎるのも良くない。けどだからといって、社会に適用するためにヘラヘラ笑って見過ごすのも嫌だ。そういう人この世の中一定数いると思います。ほんとここの調整って難しい。その辺を教えてくれるのがこの映画なんじゃないかなと思います。
ただ完全にヤクザだとか半グレの話なので、冒頭で話した通り市が主催の映画上映でこれが選ばれたのはちょっと面白いなと思いますね。まあ大方福祉の話が絡むのでその辺の関係かなとも思いますが。

では今回はこの辺で。
今日は久しぶりのなんの予定もない休みです。精一杯ゴロゴロしたいと思います。
それでは。

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